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ホームパーティーなどで喜ばれるおもてなし料理の1つアクアパッツァ。
魚を1匹まるごとつかった料理は見た目にも豪華で
大人数でわいわいと楽しむ食卓にはぴったりの料理ですよね。
そこで、アクアパッツァとワインのペアリングについてお話します。
アクアパッツァとワインの相性
アクアパッツァの作り方は、魚を1匹まるごとブイヨンなどの出汁を使わず、
白ワインまたは水、トマト、アサリなどの魚介と一緒に煮込んで作ります。
アクアはイタリア語で「水」、 パッツァは 「狂った・暴れる」 を意味し、
料理の途中で、油で熱した鍋に水を入れる際、水が飛び跳ねるところから、
この名前がついたとされています。
メインの魚は、タイ、スズキ、タラ、カサゴ、メバルといった白身魚が多く用いられ、
アサリやムール貝、エビといった魚介や、にんにく、オリーブ、ケッパー、ハーブ、トマト、
玉ねぎ、エシャロットなどお好みの具材を入れて楽しめます。
アクアパッツァはもともとイタリアの漁師が船上で作っていた漁師飯なので、
古典的なものは、水や白ワインではなく海水を入れるそうです。
アクアパッツァとワインの相性はというと、もちろん相性抜群です!
魚をメインとした魚介を、オリーブオイルとにんにくとで焼いて、
野菜やハーブとともに白ワインで煮込むので、魚介の旨味が凝縮されていて、
ミネラル豊富な白ワインと合わせると、お互いの味わいを引き立ててくれます。
アクアパッツァとワインを合わせる時のポイント
アクアパッツァはブイヨンなどの出汁を使わず、素材の味を生かした繊細な味わいのため、
アクアパッツァにワインを合わせる際には、パワフルな果実味やタンニン豊富な赤ワインは、
料理の味が負けてしまうので、やめておきましょう。
先ほども触れたとおり、ミネラル豊富な白ワインとのペアリングが最高です。
イタリアの漁師飯ということもあるので、やはりイタリアの海が近いワイン産地の白ワインがおすすめです。
たとえば、地中海に浮かぶ島々の中でもシチリア島に次ぐ2番目に大きな島
サルデーニャ島で造られる白ブドウ品種ヴェルメンティーノの白ワインは、
パイナップルなどのトロピカルフルーツとレモンなどの柑橘系に、
清涼感のあるハーブのアロマがあり、
ジューシーな果実味とスッキリとした酸もある味わいです。
なかでも、ガッルーラ地方の丘陵地帯で栽培されたヴェルメンティーノは、
ガッルーラの花崗岩土壌と海風によって、高いアルコール度数となり、
ほんのりとした塩っぽさと後味にわずかな苦みを感じる肉厚な辛口の白ワインになります。
ここで造られるヴェルメンティーノは、海の影響を受けるため、
さわやかな酸を持つほんのり塩味が感じられる白ワインになるので、
シーフード料理にとてもよく合います。
また、海には面していませんが、バローロや、バルバレスコといった
高級な赤ワインの産地として知られるピエモンテ州の高品質白ワインのガヴィもおすすめです。
冬は寒く、夏は暑いピエモンテの厳しい気候と2種類の石灰質土壌が、
非常にエレガントな白ワインを生み出します。
このガヴィを造るブドウ品種コルテーゼは、
アルコール度数はそれほど高くなく、複雑で香り高いワインになり、
グレープフルーツやパッションフルーツなどのさわやかな柑橘のアロマに、
白い花、青リンゴを思わせる繊細でフルーティーなアロマがあり、
あとからアーモンドのような香ばしいニュアンスも感じられます。
口に含むとフレッシュで繊細な酸が印象的で、
しっかりとしたミネラルもあり、シャープな味わいがシーフード料理によく合います。
アクアパッツァに合わせるおすすめのワイン
ピエモンテ DOC コルテーゼ ウンベルト・フィオーレ
マンフレディ家のワイン造りの歴史は、
1930年、初代のジュゼッぺは、美しいランゲの丘の周囲にあるブドウ畑と
醸造所を購入し、ワイン造りを始めました。
1980年代になると、イタリア国外への販路も広がり、
ヨーロッパをはじめ、アメリカやアジア各国まで流通するようになりました。
「ブドウ畑をより良い状態で後世に受け渡すこと」という哲学のもと、
薬品などを使わず、太陽光発電に切り替え、
自然の法則に合わせた畑仕事を頑なに守り続けています。
そんなマンフレディ家が手掛けるコルテーゼ100パーセントのこのワインは、
緑がかった、明るい麦わら色の色調で、
とても生き生きとしてフレッシュなレモンやライム、
グリーンアップルを思わせるアロマに、ハーブやドライフラワーの香が混じります。
生き生きとフレッシュな酸味・甘味のバランスがあり、
滑らかなミネラル感の喉越しも魅力です。
魚介料理全般、野菜料理などと相性が非常によく、
また、ピザやパスタといった、食事とあわせて飲むのに最適な1本です。