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イタリアワインの王様バローロの産地として有名なピエモンテ州。
かつてはそのバローロのタンニンを和らげる為に
白ブドウ品種のアルネイスがブレンドとして用いられていました。
ブレンドの需要がなくなったことで一時は消滅寸前まで栽培量が減ってしまいましたが、
生産者の研究と努力によって、現在はピエモンテ州・ロエロを代表する
白ブドウ品種として人気を集めています。
そこで、本日はアルネイスから造られるワインについてお話します。
アルネイスの主な産地と歴史
アルネイス（Arneis）はピエモンテ州のロエロ地方で広く栽培されている白ブドウ品種で、
ロエロ地方はピエモンテと南部、タナロ川の北岸に位置し、
ロエロという地名は、かつてこの地を治めていたロエロ公爵に由来します。
ピエモンテと言えば、バローロやバルバレスコをはじめとする高級赤ワイン産地として有名ですが、
まさに、このアルネイスはバローロやバルバレスコを造るブドウ品種である
黒ブドウのネッビオーロのタンニンを和らげる為にブレンドとして用いられることが多い品種で、
「ネッビオーロ・ビアンコ」や「バローロ・ビアンコ」といった別名がついていたほどでした。
しかし、20世紀に入ってアルネイスをブレンドせずにネッビオーロ単一で
ワインが造る生産者が増えたことで、次第にアルネイスの栽培面積は減少の一途をたどります。
1970年代には、アルネイスのワインを扱う生産者は2軒にまで減り、一時は消滅寸前にまで至っていましたが、
1980年代に入ると、ピエモンテ州の白ワインに対する関心が再び高まり、
ピエモンテの生産者であるブルーノ・ジャコーザを始めとする生産者によって蘇り、
栽培技術の進歩もあってアルネイスの特徴が見直されるようになりました。
1970年に45ヘクタールだった栽培総面積は、1990年には511ヘクタールまで増加し、
そして、2004年にはD.O.C.G.にも認定され、
現在アルネイスはロエロを代表する白ブドウ品種として人気を集めています。
アルネイスの特徴や味わい
アルネイスは、アロマの中にアーモンドのニュアンスを感じるのが特徴で、
青リンゴや洋梨、アプリコット、柑橘の爽やかなフルーツのアロマに、
アーモンドやヘーゼルナッツといった香ばしいニュアンスがあり、
おだやかな酸で、クリーミーなコクのある奥深い味わいのワインが多く造られています。
一部の生産者では、ブドウを風通しの良い部屋で3か月から6か月ほど陰干しして糖度を高め、
半分乾燥した状態のブドウから造るパッシート（PASSITO)とよばれる甘口のワインも生産しています。
アルネイスに合う料理
アーモンドの香ばしいニュアンスに、
洋ナシやリンゴ、アプリコットといったフルーティーな果実味のある
おだやかな酸の、クリーミーなコクのある味わいのアルネイスのワインには、
シーフードを使った前菜がよく合います。
中でもイカやエビとの相性がよく、
イカやエビを野菜と炒めたさっぱりしたタイプの温かい前菜などを合わせるのがおすすめです。
おすすめのワイン
ロエロ・アルネイス モスコーネ
モスコーネのワイン造りの歴史は1877年まで遡り、
バローロの生産地域の中でも最も傑出していると言われる
モンフォルテ・ダルバに18ヘクタールの土地を所有しています。
畑はモンフォルテ・ダルバでも陽当たりのよい丘の上にあり、
適度な風通しと特有の土壌構成がモスコーネのワインに際立った個性を与えています。
また、モスコーネは世界的有名な、イタリアワイン業界の重鎮である
ドナート・ラナティ博士のコンサルタントを受けており、
この類まれな土地を十二分に表現していることも特筆に値します。
そんなモスコーネが造るアルネイス100％のこのワインは、
タナロ川の左岸、砂質、マールが層状に重なり、乾燥したロエロの砂岩質土壌に広がる
ブドウ畑で育つアルネイスから造られます。
伝統的な白ワイン醸造を行った後、4カ月間シュール・リーの状態で、
澱とともにワインを静置し、味わいに深み、奥行き、バランスをもたらし、熟成能力も高めます。
ボトリング後最低でも一カ月は瓶内で休ませてから出荷されます。
アルネイスの特徴であるアーモンドのようなニュアンスがあり、
洋ナシやアプリコット、ハーブといったアロマが感じられ、
しなやかな酸味と果実味、コクのある奥深い味わいのワインです。
