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ドルチェットというブドウ品種をご存じですか?
聞いたことないけど、なんか響きから甘口のワイン?
と思われる方も多いかもしれませんが、
造られるワインは、辛口の赤ワインがほとんどで、
デイリーワインとしてピエモンテの地元で人気の高い品種なんです。
そこで、本日はブドウ品種、ドルチェットについてお話します。
ピエモンテ州で愛されているブドウ品種ドルチェット
ドルチェット・ダルバ(Dolcetto d’Alba)は、イタリア・ピエモンテ州の
ドルチェットという黒ブドウ品種から造られるピエモンテ州の7つのD.O.C.ワインの1つです。
ドルチェットは地元で人気が高いデイリーワインを多く生み出しています。
ドルチェットという名前から、ドルチェ(甘い)というイメージを持たれる方も多いと思いますが、
実際、造られるワインはほとんどが辛口で、甘口のワインは少量のみ生産されています。
ピエモンテ州と言えば、黒ブドウ品種のネッビオーロの有名な産地ですが、
ドルチェットは早熟なため、高地の冷涼な場所や北側の日照があたりにくい場所など
ネッビオーロが育ちにくい環境でドルチェットが多く栽培されています。
ドルチェットの栽培地域
ドルチェットは1974年にD.O.C.に認定され、クーネオ県の25のコミューンと、
アスティ州のコアッツォーロのコミューンを含む、
アルバ周辺のタラーノの東にあるランゲの丘で栽培されています。
ドルチェットが栽培されている土壌はおもに砂質、石灰質、
石灰岩の一種である炭酸塩堆積物(トゥファ)が豊富な土壌の斜面に植えられています。
ドルチェットから造られるワイン
ドルチェットダルバは、若々しいブドウのジューシーな果実味があり、
酸はそれほど強くありませんが、タンニンがほどよくあるため、
しっかりした味わいのバランスの良い辛口の赤ワインになります。
ラベンダー、スミレといったフローラルなアロマに、アーモンドのニュアンスがあり、
一口含むとブラックチェリーなどの黒系果実の果実味と甘いスパイスが感じられ、
わずかに苦いアーモンドのような風味が特徴的です。
地元ランゲの郷土料理であるパスタのタリオリーニと合わせて飲まれることが多く、
ドルチェットダルバは、普段の料理に合わせて気軽に楽しめるデイリーワインです。
一部のドルチェットダルバはバロレッジャ(baroleggia)と呼ばれ、
色が濃く、アルコール度数も高めで、長期熟成できるポテンシャルがあり、
ガッティナラやバローロを彷彿とさせる味わいのワインになります。