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ニュージーランドのワインはお好きですか?
私は、ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランをはじめて飲んだときに、あまりのフルーティさと、トロピカルフルーツや美しい花のような見事なアロマに衝撃を受けたのを覚えています。
ニュージーランドのワイン生産量は世界の生産量のわずか1%と本当にごく少量ですが、その品質の高さで世界中のワインラバーから絶大な人気を誇っています。
そこで、本日は当店が厳選したニュージーランドのワイン5本をご紹介します。
ニュージーランドワインについて
ニュージーランドには、現在675軒のワイナリーがあり、2018年のニュージーランドのワイン生産量は、3億1390万リットルで世界の総生産量の1%強にしか満たないですが、その8割が輸出されており、輸出額はなんと17億NZドル。
最大の輸出国は、アメリカで約29%、2位はイギリスで約28%、3位はオーストラリアで約25%、この上位3カ国に80%以上のニュージーランドワインを輸入しています。
いかに国外での人気が高いかが分かります。
日本に輸入されるニュージーランドワインはまだごく少量なので、隣国のオーストラリアとセットのようにイメージされがちですが、縦に細長くさまざまな気候や土壌をもっているため、実はすごいポテンシャルを秘めたワイン産地なんです。
ニュージーランドのワイン歴史
そんなニュージーランドでワイン造りがスタートしたのは1836年。1819年にオーストラリアから複数の品種のブドウ樹が100本ほど北島のケリケリにはじめて持ち込まれたのをきっかけに栽培が始まりました。
1900年代の初めごろには、レバノン移民やダルマチア地方からの移民が北島でワイン造りを始め、この時にできたワイナリーが、現在も有力なワイナリーとして残っています。
近代的なワイン醸造が始められたのは1973年以降で、白ワインの品種であるミュラー・トゥルガウの栽培が奨励され、北島ギズボーン地域でのミュラー・トゥルガウの栽培が成功したことで、広く生産されるようになりました。
そして、ニュージーランドワインに大きな革命がおこったのが、1980年代ワイン・コンペティションで最優秀賞をとったのをきっかけに世界的に評価を受ける様になり、ここ10年間の生産量も3〜4倍に増加し、未だ成長を続けています。
ニュージーランドワインの特徴
ニュージーランドで造られるワインは、白ワイン:赤ワイン=6:1といわれており、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、リースリングなどの白ブドウ品種を使用した白ワインが有名ですが、じつはニュージーランドで栽培されるピノ・ノワールも世界的評価を受けています。
ピノ・ノワールはとても繊細な品種なだけに、栽培がむずかしいとされていますが、ニューワールドの中で、いち早くピノ・ノワールの栽培に成功したのがニュージーランドでした。
その後、メルロやシラーなどの栽培も増えていき、小規模ながら意欲的な生産者が多く、世界的にも注目を集める産地になりました。
しかしながら、小規模生産者が多いため価格は全体的に高めの傾向で、とくに代表的なソーヴィニョン・ブランのワインは日本に入ってきているものは2000~3000円台のものが多く、ニューワールドのワインとしては高価なワインという印象です。
スクリューキャップの秘密
ニュージーランドワインならではの特徴がもう一つあり、国内で生産される99%以上のワインにスクリューキャップが使われていることです。
オーストラリア屈指のリースリング産地として知られるクレア・ヴァレーで早くからスクリューキャップが導入されたのをきっかけに、コルク・ダメージによるワインの品質に悩んでいたマールボロ地区のワイナリーがスクリューキャップを導入し、2001 年 8 月には「ニュージーランド・スクリューキャップ・ワイン・シール・イニシアティヴ(NZSWSI)」が結成されました。
一昔前まではスクリューキャップ=安価なワインというイメージが強かったですが、現在ではスクリューキャップでも熟成が可能であることが分かり、またブショネのようなコルクによるワインのダメージもないことから、高級ワインにもスクリューキャップが使われるようになってきました。
環境に優しいニュージーランドワイン
1970年代に近代的なワイン造りが広まったことで、ニュージーランドワインの生産が急激に増加し一時生産過剰となりワインの品質が下がってしまった時期がありました。
そのことをきっかけに政府がブドウ栽培の規模を縮小したことでブドウの品質が向上し、そこから劇的にニュージーランドワインの品質が向上していきました。
そうした背景からもニュージーランドのワイン生産者は、自然や環境保護を尊重する意識が非常に高く、ブドウ栽培からワイン醸造における環境保護に対する取り組みをガイドライン化した「Sustainable Winegrowing NZ(SWNZ)」にブドウ畑の98%が登録されています。
ワインの生産以外でも、ニュージーランドは環境に対する意識が高く、国内の約8割の電力が再生可能エネルギーでまかなわれており15年以内にその割合を100%にすることを目標に掲げています。
ニュージーランドワインのブドウ品種
ニュージーランドを代表するブドウと言えば、やはりソーヴィニョン・ブランですが、最近はピノ・ノワールをはじめメルロなどの黒ブドウの栽培も増加してきました。
そこでニュージーランドで造られるブドウ品種とその特徴をご紹介しましょう。
ソーヴィニヨン・ブラン
ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランは、他のワイン産地で造られるソーヴィニョン・ブランとは少し異なり、パッションフルーツやパイナップルといったトロピカルフルーツと白い花のような華やかなアロマがあり、そのみずみずしさとフルーツの豊かな果実味と爽快さは衝撃的です。
私も、ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランが大好きで、人を招いた食事会や今日はおいしい白ワインが飲みたい!という時には3000円台のソーヴィニョン・ブランを購入します。
ピノ・ノワール
ニュージーランドで栽培される黒ブドウの70%の栽培面積を占めているのがピノ・ノワールです。
中でも北島南端のマーティン・ボロはピノ・ノワールの聖地で、北島の一番南にあるため非常に風が強く、ここで栽培されるブドウは、多くのポリフェノールを含んだ黒系果実の香りがするのが特徴です。
マーティン・ボロで造られるピノ・ノワールはブルゴーニュワインのようなエレガントさのある味わいで、ニュージーランドのロマネ・コンティと称されるワイナリーもここにあります。
その他
白ブドウでは、シャルドネ、リースリング、ピノ・グリが栽培されており、ほとんどが辛口の白ワインに仕上がります。
また、黒ブドウは、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、シラーなどが比較的温暖な地域で栽培されています。
各地で変わるワインの味わい
ニュージーランドは、北島、南島と2つの島に分かれており、縦に細長くさまざまな気候や土壌をもっているため、北島、南島合わせて11の産地がありますが、どこも異なった気候と土壌の特色があり、生産されるブドウ品種も違うため、さまざまな味わいのワインが造られています。
マールボロ
南島の北側に位置し、北・西・南と山に囲まれた地形で、国全体の67%のブドウ畑があり国内最大の栽培面積を有しています。
そして、そのうちの78%でソーヴィニヨン・ブランが栽培されており、ソーヴィニヨン・ブランの世界的産地として有名です。
ここで造られるソーヴィニヨン・ブランの特徴としては、ソーヴィニヨン・ブラン特有のハーブや青い草のような香りと、パッションフルーツやグアバなどのトロピカルフルーツの風味が上手く調和し、ソーヴィニヨン・ブランの故郷であるフランスでも、マールボロスタイルとして生産されるほど、世界が認めた産地です。
山の西側に雨が落ちるため、ホークス・ベイに並ぶくらい日照量が多く、暑すぎず、温和な気候でエレガントなスタイルのワインが造られており、最近は、ピノ・ノワールの評価も高くなっています。
ホークス・ベイ
北島のホークス・ベイはマールボロに続くニュージーランド第2位の規模の生産地。
栽培地はやや内陸にあるため海からの影響は少なく、5つの川が湾に流れ込み、多様な土壌を形成していて日照量が年間2220時間に及ぶほど、ニュージーランドの中でも一番多い産地です。
そのため、ソーヴィニヨン・ブランの他に、暖かい気候に適するメルロやシラーなどの黒ブドウ品種の栽培が行われており、最近はシラーが高評価を得ています。
セントラル・オタゴ
国内で最も南端のニュージーランドの南アルプス山脈の中腹に位置し、最も標高が高く、昼は34℃、夜は10℃といった標高による極端な気温差があります。
また、国内唯一の大陸性気候で、夏場はほとんど雨が降らないという恵まれた天候から、果実の熟成感と繊細な酸味を両立する凝縮感のあるピノ・ノワールを生産しています。
品質の高いピノ・グリも生産しており、ニュージーランドで最も高価なワインの産地となっています。
ワイララパ
ピノ・ノワールの聖地であるマーティン・ボロがあることで有名なワイララパは、首都ウェリントンから車で1時間ほどのところにある小さな産地で、リゾート地としても人気です。
ここで造られるワインは、ニュージーランドワインの生産量の1%ほどと極めて少量ですが、上質なワインが多く造られています。
ネルソン
ニュージーランド南島の北端にあるネルソンはタスマン湾に面しており、晴天率が高く1年を通して過ごしやすい気候が特徴の産地です。
リースリングやピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネールなどを栽培しており、豊かな果実味のあるしっかりとした骨格の高品質なワインが造られています。
オークランド
北島の北端オークランドは、ニュージーランドの中でも比較的温暖で湿度が高く、最も温暖な亜熱帯気候で、ニュージーランド最大の都市で大手のワイナリーが集まり、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルロなどのボルドー系品種から高品質なワインが造られています。
ギズボーン
北島の東端に位置しているギズボーンは、世界で1番日付変更線に近い都市です。
比較的温暖な気候で日照時間も長く高い気温のため、ニュージーランドではもっとも早く収穫がはじまる街でもあります。
シャルドネが多く栽培されており、ここで造られるシャルドネは、パイナップルなどのトロピカルフルーツのアロマと風味がふんだんに感じられるフルーティな味わいが特徴です。
ニュージーランドワインの魅力についてお話してきましたが、いかがでしょうか
気になるワインなど見つかりましたか?
オーストラリアの隣の小さな島国という地形から、オーストラリアワインとセットに捉えられることが多いニュージーランドワインですが、環境にも配慮した小規模で丁寧なワイン造りの生産者が多く、オールドワールドにも負けない高品質なワインは、ニューワールドを代表する産地といっても過言ではありません。
まだニュージーランドワインを飲んだことがないという方は、ぜひこの機会に一度お試しください。