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ワインは世界各国のさまざまな産地で造られており、他のお酒と比べてみても驚くほどの種類があり、価格の幅も広いお酒。
ワインを大きく分けると、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインの4つに分けることができますが、味わいは辛口から極甘口までさまざまな段階があります。
そこで、本日はワインをまだ飲みはじめて間もない方に向けてワインの基本知識であるワインの種類とラベルの読み方と好みのワインの見つけ方ついてお話していきます。
自分のワインの好みが分かる「ワイン診断」もありますので、ぜひ使ってみてください。
なぜワインにはいろいろな種類があるのか?
ワインは、ブドウの糖分が発酵によってアルコールに変わるとてもシンプルなお酒。
でも、同じワインでも赤ワインと白ワインではなぜ色が違うのか、それは、使われるブドウの品種と醸造法の違いによるものなんです。
ここでは、まず赤ワインの醸造の流れをご紹介して、その後、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインの醸造のポイントをみていきましょう。
1.除梗・破砕(エグラパージュ・フーラージュ)
収穫したブドウは、果房から果粒を外し、ワインに必要のない果梗(枝の部分)を取り除き、種がつぶれない程度に破砕して果汁にします。
2.浸漬(マセラシオン)
これは赤ワインのみの工程で、
果皮や種と一緒にタンクの中で2~3週間漬け込み、果皮の色素を果汁につけます。
3.アルコール発酵(アルコリック)
およそ10日かけて酵母が果肉の糖分をアルコールに変えていきます。
4.プレス(プレシュラージュ)
破砕によって生まれた果汁のみを抽出し、残った皮や種子をプレスします。
5.熟成とマロラクティック発酵(エルヴァージュ・マロラクティック)
数週間から36か月までの間、タンクや樽の中で休ませます。
この間赤ワインはアロマやストラクチャーが発達し、複雑味が生まれてきます。
マロラクティック発酵でワインはより安定し酸味が和らぎます。
6.澱引きと二酸化硫黄を添加(スーティラージュ)
樽(タンク)の底にたまった澱などの沈殿物を取り除き、
酸化を防ぐための少量の二酸化硫黄(酸化防止剤)を加えます。
(酸化防止剤は生産者によっては入れないところもあります)
7.清澄(コラージュ)・濾過(フィルトラージュ)
タンパク質の吸着剤(卵白)などを用いて浮遊物を取り除き、
ワインをクリアにするための作業をおこないます。
8.瓶詰め(アンブテイヤージュ)
ワインは瓶詰めされ、コルク栓またはスクリューキャップで栓をして、
多くがすぐに出荷されますが、中には瓶でさらに熟成をしてから出荷されます。
赤・白・ロゼ・スパークリングそれぞれのワインができる醸造のポイント
赤ワインの醸造方法・ポイント
赤ワインの醸造の一番のポイントは、タンクで2~3週間ほど果粒と果汁を漬け込む「マセラシオン」です。
この時に赤ワインの色素である赤い色が、皮から抽出されます。
果皮から抽出した色素から多量のポリフェノールの一種であるタンニンが出てくるため、そのタンニンがさまざまな成分と結合して複雑な風味をつくり出し、ワインの味わいに奥行きと深みを与えてくれます。
白ワインの醸造方法・ポイント
白ワインの醸造方法は赤ワインとほぼ同じですが、除梗をおこなったあとに、赤ワインの色素をつけるマセラシオンを行わず、すぐに圧搾されます。
その後は造りたいワインのタイプに合わせてステンレス製のタンクや木樽をつかって育成されます。
白ワインにもポリフェノールは含まれており、量としては赤ワインほど多くはありませんが、分子量が小さく性能の高いポリフェノールが入っていることが分かりました。
また、白ワインには酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸など有機酸が含まれており、悪玉菌の増加をおさえる効能があります。
ロゼワインの醸造方法・ポイント
ロゼワインの醸造方法は大きく分けて4つあり、ロゼワインのピンク色にもさまざまな色合いがあるのは、醸造方法の違いによるもの。
ロゼワインで一番よく用いられる醸造法がセニエ法です。
赤ワインと同じ原料である黒ブドウの果皮や種を果汁と一緒にタンクの中で8時間から48時間浸漬(マセラシオン)をして、果皮の色素を果汁につけます。
ピンク色に色づいた果汁をタンクから抜きとり、抜き取った果汁のみを引き続き醗酵させます。
この製法はタンニンも多く含まれ、果実味もより感じられるボリューム感のある味わいになります。
その他、白ワインの醸造に似ている製法で、黒ブドウを皮つきのまま強くゆっくりとプレスして絞った果汁だけを発酵させ、絞った際にわずかに抽出される色素によって色を付ける直接圧搾法。
ドイツのロートリングはおもにこの混醸法を用いられる混醸法。
フランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインのみ例外で認められている、白ワインに少量の赤ワインを混ぜて造るアッサンブラージュ(ブレンド)法があります。
スパークリングワインの醸造方法・ポイント
スパークリングワインの製法は大きく分けて3種類あります。
1つ目は、シャンパーニュ方式とも呼ばれるもので、糖分と酵母を加えて、瓶内でゆっくりと時間をかけて発酵し、熟成させることで、きめの細かい泡となります。
2つ目は、シャルマ方式と言われ、密閉耐圧タンクで発酵させる方法です。
3つ目は、ワインに二酸化炭素を加えるもので、比較的リーズナブルなスパークリングワインはこの方法で造られるものが多いです。
シャンパンの醸造法は途中まで白ワインと同じで、「瓶内二次発酵」という特殊な工程を加えることで泡を発生させます。
その後、瓶の中で「15か月上」は熟成しなければいけないと法律で義務付けられています。
ワインの分類
先ほどのようにワインの種類は、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインという分け方もありますが、実は、ワインの醸造方法別に分類すると、この4つのうち3つは同じスティルワインという種類になります。
ワインを醸造方法で分類すると、
・スティルワイン(Still Wine)
・スパークリングワイン(Sparkling Wine)
・フォーティファイドワイン(Fortified Wine)
・フレーバードワイン(Flavored Wine)
この4種類に分けられます。
スティルワインは英語名で「Still Wine」と表記され、このStillは「静か」「動きがない」「平穏」といった意味があり、「泡立たない=非発泡性のワイン」という意味でも使われます。
非発泡性のワインとは、いわゆる赤ワイン、白ワイン、ロゼワインのこと。
私たちにとって一番身近なワインは、スティルワインという種類にあてはまります。
スティルワインは、アルコール度数が一般的に9~15%ほど。
非発泡性の赤ワイン、白ワイン、ロゼワインがそれにあたります。
みなさんがよくご存知の「スパークリングワイン」。
これは発泡性ワインのことで、発泡性ワインは大きく分けて3種類あります。
フランスのシャンパン、イタリアのプロセッコをはじめとする「ヴァン・ムスー」と呼ばれる瓶内の炭酸ガスの圧力が3気圧以上の最も典型的な発泡性ワイン。
また、ロワール地方のアンジュー・ペティヤンやイタリアのランブルスコなど圧力が1~2.5気圧の弱発泡性ワイン「ヴァン・ペティヤン」。
そして、もっとも炭酸の気圧が少ない、0.5~1気圧の微発泡性ワイン「ヴァン・ペルラン」があります。
「フォーティファイドワイン」は別名「酒精強化ワイン」とも呼ばれ、「fortified(=fortify)」には「アルコールを加えて強くする」という意味があり、シェリー、ポートワイン、マデイラ、マルサラがこれにあてはまります。
ワインの醸造工程中に40度以上のアルコールを添加するため、一般的なワインではアルコール度数が12度前後なのに、フォーティファイドワインでは18度前後にまで上昇します。
アルコール度数を高めることで、コクが深まり、保存性も高まります。
「フレーバードワイン」は、「アロマタイズド・ワイン」とも言われていて、食前酒として飲まれたり、カクテルの材料として用いられたりもしています。
ハーブやスパイス、フルーツなどを加えたり、中には蒸留酒を加えたものもあります。
日本で知名度が高いものは、スペイン発祥の「サングリア」がそれにあたります。
ワインにフルーツやスパイス、ブランデーやはちみつなどを漬け込んで、ワインにフルーティーさスパイシーさを加えて楽しむもので、開封して日数が経ってしまったワインや、あまり好みでなかったワインをサングリアにして楽しむことができます。
その他には、フランスやイタリアの「ヴェルモット」が有名で、こちらは白ワインにニガヨモギなどの香草やスパイスを配合して造られるフレーバードワインです。
ワインラベルの読み方
ワインに貼られているシールのことを、「ラベル」や「エチケット」と言ったりしますよね。
どちらの言い方が正しいの?と思われるかもしれませんが、これは、英語読みで「ラベル」フランス語読みで「エチケット」どちらの言い方も正解です。(以下「ラベル」で記載いたします)
さて、このラベルの表記ですが、みなさんはこの部分にどんな情報が載っているかご存知ですか?
ワインのラベルに書かれている内容は、以下のようなものがあげられます。
・ワインの名称
・ブドウの収穫年(ヴィンテージ)
・原産地統制呼称
・ブドウ品種
・生産国
・地区名
・瓶詰め元
・容量
・アルコール度数
国や生産者によって表記内容や表記方法が異なり、情報の表記義務も国によって異なります。
例えば、フランスであればAOC(AOP)ワインの場合は、ブドウの産地を表す「原産地呼称(Appellation d’Origine Controlee アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)」は表記する義務があり、d’Origine の部分に「Bordeaux(ボルドー)」や「Pauillac(ポイヤック)」などの産地名を表記します。
ニューワールドの代表でもあるチリの場合は、フランスに比べると比較的自由な表記になっています。
多くの場合は、まずワイン名が一番目立つように記載されています。
またニューワールドの場合、ヴァラエタルワイン(Varietal wine)が多いため、ブドウの品種が記載されているものが多いです。
ヴァラエタルワインは、アメリカのカリフォルニアにおいて、消費者にとって分かりやすいようにワインのラベルに「カベルネ・ソーヴィニョン」「シャルドネ」といったブドウ品種を明記するワインが現れ、その分りやすさから消費者から人気を得て、現在ではニューワールドを中心にワインのラベルに品種名を明記するワインが増えました。
逆に、フランスの場合はワイン法によって昔から土地によって使って良い品種や製法が決まっていたため、地名を名乗ること=ブドウの品種を意味してたため、ブドウ品種が記載されることは一般的ではありません。
また、ヴィンテージもニューワールドのワインの方が記載されていることが多いです。
自分に合ったワインを探すには?
スーパーに並んでいるワインをざっと見渡しただけでも、かなりの数がありますよね。
生産地別に棚に陳列されていたり、シーズンごとの〇〇フェアのようにお店のおすすめワインコーナーも作られていたりして、その中から自分に合うワインを選ぶとなると、なかなか難しく感じられますよね。
スーパーなどのショップでワインを購入する場合は、プライスカードに、そのワインの特徴を書いているところもあります。
また、ニューワールドの大手のワイナリーなら、ブドウの品種ごとにワインを出しているところもあるので、同じ造り手の品種ごとの違いで飲み比べてみたら、自分に合うブドウの品種が分かるかもしれません。
自分の好みのブドウの品種が分かったら、次は同じくらいの価格帯で、産地ごとに飲み比べてみるのもおすすめです。
旧世界と言われるワインの産地である、フランス、イタリアなどのヨーロッパと、チリやカリフォルニアやオーストラリアなどの新世界(ニューワールド)で同じ品種が産地によってどのように違うのかを比べると、より自分の好みを知る手掛かりになるかもしれません。
でもワインをまだ飲みなれていない方なら、実はスーパーよりもネットショップでワインを購入する方がおすすめです。
なぜなら、スーパーなどのショップより、ネットの方がそのワインの情報がより詳しく説明されており、口コミなども瞬時に確認することができるので、売り手の情報だけではなく、買い手のリアルな感想も参考にすることができます。
また、ネットのワインショップによっては、「おすすめのイタリア白ワイン5種セット」「世界のスパークリングワイン飲み比べ」のような、テーマを決めたワインの飲み比べセットの販売をおこなっているところもあります。
そういったセット販売は、ボトル1本あたりの単価も安くなるので、お買い得に購入することもできますし、中には配送料無料というものもあり、お手軽にまとめ買いができます。
また、ワインの専門家がセレクトしているので、自分で飲み比べ用のワインを一から探すよりも、その手間が省けるのでおすすめです。
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