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飛行機の中での楽しみと言ったら、やはり機内食ですよね。
機内食と一緒に提供されるワインは、料理とのペアリングを考えてセレクトされており、航空会社がとくに力を入れている部分でもあります。
そのため、ワインのセレクトには有名なソムリエが監修にあたっており、機内サービスにセレクトされるワインはどれも実力派揃い!
そこで、本日は航空会社が機内サービスで提供するおすすめのワインについてお話します。
航空会社が力を入れてセレクトする機内ワイン
機内で提供されるワインは、エコノミー、ビジネス、ファーストとクラスによってワインのグレードも異なりますが、各航空会社が長い時間をかけてセレクトしており、とくにファーストで提供されるワインは、選定の段階からかなりの数のワインをブラインド・テイスティングによって選定しています。
ちなみに、日本を代表するANAが機内で提供するワインは、毎年約半年間かけて1500〜2000本もの銘柄の中からまず書類選考で250銘柄くらいまで絞り、ここから1つずつブラインド・テイスティングによって選定します。
機内ワインを表彰する「セラーズ・イン・ザ・スカイ」(Cellars in the Sky)
イギリスのビジネストラベラー誌(英語名Business Traveller)を発行する、ビジネストラベラー社が主催する機内ワイン表彰制度の「セラーズ・イン・ザ・スカイ」(Cellars in the Sky)は1985年から始まりました。
エントリーされた航空会社の機内ワインを、複数の著名人によるブラインド・テイスティングによって評価するもので、1年に1回おこなわれます。
毎年、250本以上のワインの中から赤ワイン、白ワイン、スパークリングワイン、フォーティーファイドワイン(デザートワイン)、2019年からはロゼワインの部門もくわわり、それぞれビジネス、ファーストのクラスで選定がおこなわれます。
最新の「2021年セラーズ・イン・ザ・スカイ」では、金賞となる「ベスト・ファーストクラス・シャンパン」と「ベスト・ファーストクラス・デザートワイン」をそれぞれ大韓航空が受賞し、ベスト・ファーストクラス・シャンパンは、フランスのペリエ・ジュエ ベル・エポックで、ベスト・ファーストクラス・デザートワインは、シャトー・リューセックでした。
ハイクラスな空の旅気分を味わえるおすすめのワイン
さて、ここからは当店ソムリエがおすすめする航空会社のファーストクラスで採用されているワインを2本ご紹介します。
自宅にいながらにして、空の旅気分を味わえるワインです。
キャセイパシフィック航空のファーストクラスで採用!濃密で凝縮した味わいのフルボディワイン
オー・キャピトル AOCフロントン
ボルドー地方の南にある南西地方の都市、トゥールーズの北側に位置するAOCフロントン。
この地方で協同組合ヴィノヴァリを運営するドメーヌの1つカーヴ・ド・フロントンは、数々の受賞歴のある実力派ワイナリーです。
そんなカーヴ・ド・フロントンが手掛けるオー・キャピトルは、自然環境を尊重し、極力、化学肥料や農薬などを使用せずにブドウを栽培するリュット・レゾネで育てた4品種のブドウを使用して造られます。
主として使われるネグレットは、キプロス島が起源でフロントン地方独特の黒ブドウ品種で、果実味とスパイス感のある豊かなアロマが特徴の品種です。
果実味と丸みのある味わいのネグレットに、カシスのアロマときめ細やかなタンニンのあるカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フラン、そしてスパイスの風味のアクセントを出すシラーのそれぞれの特徴が見事に調和した濃密で凝縮感のあるフルボディワインです。
アメリカエアラインのファーストクラス・ビジネスクラスで採用!英国王室にも認められたシャンパーニュ
カルト・ブランシュ ポール・ダンジャン・エ・フィス
ポル・ロジェ、マム、ローラン・ペリエと誰もが知る大手メゾンと並び英国王室御用達ワインとして小規模生産者ながら高品質なワインを生み出すポール・ダンジャン。
アメリカエアラインをはじめ、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、フィンランド、日本などの各航空会社のファーストクラス、ビジネスクラスに採用されています。
もともとはモエ・エ・シャンドンなどにブドウを販売していたブドウ栽培家ならではの、強いこだわりを持ったシャルドネ100%のブラン・ド・ブランは、細かい泡が切れ目なく立ち上り、柑橘やパイナップルなどのフレッシュなフルーツに、蜂蜜のほのかな香りに、白い花のような甘いアロマも感じられ、繊細な中にも優しさ、フルーティさとボリューム感があるのが特徴で、長い余韻とともにまろやかさを感じる緻密なバランスがある1本です。