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品種にもよりますがワイン用のブドウは9~10月頃に完熟し収穫期を迎えます。
この季節になると、5年前に山梨県のスズラン酒造でブドウの収穫をお手伝いしたことを思い出します。
そこで、本日はワインの味わいに大きな影響を与えるブドウの収穫時期の見極めと、以前収穫体験させていただいたスズラン酒造のおすすめワインをご紹介します。
山梨県で一番日照時間の長い明野の畑で収穫体験
山梨県で一番日照時間の長い明野の畑には、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、ピノノワール、ソーヴィニョン・ブラン、シェンブルガーが植えられています。
収穫の大半は終わっていましたが、シェンブルガーの一部分の収穫をしました。
あいにくの雨でしたが、スズラン酒造の小池社長から、お話を伺いながら収穫をスタート。
明野は八ヶ岳、南アルプスに囲まれた豊かな土地。
周りには国内有名ワイナリーの畑があります。
ブドウの樹を植えてから一度も肥料はやっていないと言っていたとおり、草はボーボーにはえ、水はけのよさそうな土地でした。
収穫が終わった後、笛吹市の本社へ。
単一品種ごとに100%のジュースを試飲させていただきました。
甘みというよりかは酸味がまだ強くブルーベリーみたいな印象でした。
ブドウの収穫の見極めと収穫方法
ブドウの収穫の見極めはワインにとって大変重要で、早すぎると糖分が不足しワインも酸味が強くなり、遅すぎると実が熟しすぎて酸が少なくなってしまいます。
ブドウは品種ごとに成熟速度が違うため、もちろん収穫時期も異なりますが、土壌や畑の標高、日当たりや風通りなどによっても成熟が早くなったり、遅くなったりします。
そのため、栽培者にとっては収穫は、ひとつひとつの条件に柔軟に対応して進めていかなければなりません。
収穫は複数の品種を栽培しているブドウ畑が一般的なので、一番早く熟した区画から順々に摘み取っていき、約15日から20日ほどかけてすべてのブドウを収穫していきます。
そして、収穫作業のこの3週間ほどは、天候との勝負。
突然のにわか雨などで収穫直前の実が水を吸収していたんでしまうリスクもあり、収穫前の数日は、空とブドウから目が離せません。
毎年、こうした大変な作業の末、収穫したブドウがワインへと変わっていきます。
そう考えると、食卓に置いたワインが愛おしくも感じますね。
スズラン酒造のおすすめワイン
1905年創業の山梨の老舗ワイナリーであるスズラン酒造は、明治の中頃、日本酒造りの傍らワインを試しに造ったことがきっかけで、政府より送られてきたドイツ人技師によって、本格的にワイン造りが始まりました。
スズラン酒造では、カベルネ、メルロ、プティヴェルド、シラー、ピノ・ノワールといった国際品種も広く栽培され、中でもボルドー品種には力を入れており、たっぷりとした果実味とまろやかさを持つ、余裕のある味わいのワインが造られています。
甲州 勝沼
そんなスズラン酒造が造る甲州ワインは、柑橘の爽やかなアロマにフルーティーな果実味があり、まろやかなコクとふくよかな味わいで複雑味と深みのあるワインに仕上がっています。
シェンブルガー
国内のワイナリーでは1~2件程しか栽培・醸造していない貴重なシェンブルガー種100%の白ワインです。
柑橘のフレッシュで豊かなアロマと果実味に、酸味が穏やかで白い花のアロマが華やかにグラスから溢れだすようで、一口含むとついついグラスが進んでしまいます。
カベルネ・ソーヴィニョン
日本一の日照時間を誇る、北杜市明野町の自社農園で栽培した果実味豊かなカベルネを使用したワイン。
ブラックベリーやカシスなどの黒系果実のアロマに、華やかな果実味と凝縮味のあるバランスの良い味わいで、ボルドー格付け3~5級に十分対抗できる品質の高さです。