ワインボトルの世界基準が750mlの理由とは

ワインボトルの世界基準が750mlの理由とは

ワインボトルの世界基準が750mlの理由とは

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

ワイン好きの方の中には、記念日に飲んだワインや思い出のワインのボトルをとっておいている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日は、そんなワインボトルについてのお話です。

ワインとワインボトルの歴史

ワインボトルの話をする前に、まずはワインの長い歴史から。
みなさんはワインの発祥の地がどこかご存知ですか?
ワイン大国のフランスやイタリアが真っ先に頭に浮かぶ方も多いと思いますが、実は、ロシアとイランの間に位置する「コーカサス山脈一帯」がワイン発祥の地と言われています。

国名でいうと、アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア(グルジア)が「ワイン発祥の国」と謳っています。
中でも、ジョージア共和国で発掘された陶器の壺「クヴェヴリ」が、世界で最も古いワイン醸造の痕跡ではないかと言われており、ワイン造りが始まったのは紀元前6000年頃。
なんと今から約8,000年も前に遡るんです!

すでに8000年も前からワインが造られていたのなら、ワインボトルも8000年前から造られていたのか…と思われますが、残念ながら現在のようなガラス瓶は17~18世紀頃からと歴史としては、ワインに比べるとまだまだ浅く、ワインの運搬や保存に向く品質を得るガラス瓶が造られるようになったのは、まだ200年ほど前からだそうです。

しかしながら、高品質なワインボトルが流通するようになって、それまで樽の中でしかおこなえなかった熟成が瓶の中でもおこなえるようになり、新たに瓶内熟成というスタイルが生まれました。
それによって、ボトルの底の形状も進化していき、熟成中に発生する澱(おり)を溜めるためにくぼみを持つ形状へと変化しました。

とくに、ボルドー地方のワインは澱がたまりやすいことから、瓶底に澱がたまりやすくなるよう深いくぼみができ、さらにその澱が注いだときにグラスに入らないように肩の部分で止める「いかり肩」タイプへとなっていきました。

産地ごとのワインボトルの特徴

先ほどのボルドーワインの「いかり肩」のボトルに対して、ブルゴーニュ地方では「なで肩」タイプのワインボトルが主流です。
これは、ブルゴーニュで生産されるワインはタンニンが少なく、澱も比較的少量であったため、なで肩の形状になったと言われています。

このように、ワインボトルの形状は生産する地域とワインの特色によって様々です。
ここからは、ワインボトルの種類についてみていきましょう。

・ボルドー型
肩の部分で澱をためるため、「いかり肩」をしており、フランスのボルドー地方だけではなく、世界中で広く使われています。

・ブルゴーニュ型
「なで肩」をしており、ボトルを交互に並べて運搬できる利点があります。
フランスのブルゴーニュ地方やローヌ地方が主流です。

・ライン型とモーゼル型
フルート型ともいわれ、肩が無くスリムな形状。
茶色いボトルはドイツのライン地方、薄緑色のボトルはモーゼル地方が代表的産地。

・アルザス型
ラインやモーゼル型よりさらに背が高くスリムな形をしており、濃いめの緑色のガラス。フランスのアルザス地方が代表的産地。

・ボックスボイテル型
ドイツのフランケン地方周辺やポルトガルの一部など、限られた地方のみで使用。
皮製のワイン袋の形を真似して造られたといわれています。

・シャンパーニュ型
高いガス圧に耐えるように下部が少し膨らんだ形で厚手のガラスになっています。

・プロヴァンス型
なで肩でくびれた形が特徴。フランスのプロヴァンス地方で使われる。

・フィアスコ型
イタリアのトスカーナ地方でキアンティ・ワインに用いられていたボトル。
「フィアスコ」と呼ばれる藁に包まれた独特な形状。

ワインボトルフィアスコ

ワインボトルが750mlの理由

世界にはさまざまな形状のボトルがあることが分かったところで、1つ疑問に感じることはありませんか?
これほどまでに多岐に渡るボトルの形状があるのに、なぜ、通常のボトルのサイズはどれも750mlなのか?

1本750mlというサイズは世界標準とされており、そのルーツはイギリスとフランスにあると言われています。

ワインの消費大国として有名なイギリスへボルドーなどのワインを輸出する際、「750ml」という数字が便利だったと言われています。

なぜなら、昔のイギリスでは「ガロン」という単位が使われ、「1ガロン=4.5ℓ(4,500ml)」でした。
1本750mlだと1ダース(12本)輸出すると「9ℓ(9,000ml)=2ガロン」となる為、計算がしやすかったのです。
また、ボルドー地方で使用される樽は、225ℓ(225,000ml)が主流です。
これを本数に換算すると、1樽あたり300本という容量になります。
このように750mlという数字は、ワインを生産するフランスと、それを消費するイギリス、ワインの歴史と両者の関係から、ワインボトルは1本750mlとなったといわれています。

ワイン消費大国イギリス

日本ワインの一般的なサイズとは

さて、750mlというのが国際基準とされている中で、じつは、日本ワインの一般的なサイズは少し小さめの720mlとなっています。
これは、日本ではなじみ深い日本酒の単位が1合180mlであることから4合サイズの720mlとなり定着しました。

しかしながら、今は国際標準の750mlに合わせる動きもあります。
というのも、たかが30mlの違いと思われるかもしれませんが、輸出の時にはこの30mlが大きな差となるからです。
輸出時に使用するコンテナのサイズは世界基準の750mlに合わせて作られているものがほとんど。
そのため、720ml用のコンテナを新たに作るのに、輸出量が増えるほど差が大きくなっていくのです。
日本ワインが世界で注目を集め始めてきている今、ワインボトルのサイズも世界基準に合わせる動きが出てきており、この先変化があるかもしれません。

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