多種多様の土壌が混在するナーエ地方で造られるワインの特徴

多種多様の土壌が混在するナーエ地方で造られるワインの特徴
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多種多様の土壌が混在するナーエ地方で造られるワインの特徴

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ナーエのワインの特徴

180種類以上の異なるタイプの土壌がパッチワーク状に広がるワイン産地ナーエ。
ラインヘッセンとモーゼルというドイツワインでも人気の産地に囲まれた立地ながら、近年までワイン産地として認められておらず、ラインのワインとして販売されていました。
最近になって、高品質な白ワインが造られる産地として注目を集めるようになり、現在は、ミネラル豊富な火山性土壌を活かした辛口の白ワインが人気です。
そこで本日はナーエ地方で造られるワインについてお話します。

ドイツのナーエ地方について

ドイツ南西部にあるナーエ地方は、東と西にワイン産地で有名なラインヘッセンとモーゼル地域があり、北部はソーンヴァルト=ナーエ自然公園に、南部はノルトフェルツァー・ベルクラントに隣接しています。
ブトウ畑は、ナーエ川とその支流の両岸の急斜面に沿うように4,155ヘクタール(10,270エーカー)に広がり、そのうちの75%が白ワイン用ブドウ品種を栽培しています。
この地域はもともと火山活動が盛んな一帯で巨岩の岩山が並んでいて、そのような岩肌の間を縫うような狭い所にもブドウ畑が造られており、火山活動が活発なこともあって、温泉保養地としても知られている地域です。

ナーエのワインの歴史

ナーエのワイン造りの歴史は古く、ローマ人が最初にモーゼル地方を耕作してから約6世紀後にナーエの土地にブドウが植えられました。
中世には、キリスト教の教会によってブドウ栽培がおこなわれ、19世紀に入ってからナーエはドイツで最も優れたワイン産地の1つと認められ、世界大戦後の景気後退を経験するまで繁栄を続けました。
20世紀に入ると他のワイン産地が近代化し拡大していく一方で、ナーエは遅れをとり世界のワイン市場でのその存在感は劇的に減少してしまいます。
そのため、ナーエで造られたワインもラインのワインとして販売されていましたが、ようやく1971年制定のワイン法によってナーエは独自のワイン産地として指定されました。

ナーエのテロワール

ナーエは火山による地殻活動によって多種多様の土壌が混在しており、その数なんと180種類以上の異なるタイプの土壌がパッチワーク状に広がっているため、隣接した畑であっても土壌が異なることもあります。
この地域の上流では主に斑岩、メラフィリー及び雑色砂岩などの土壌が見られ、下流では石灰岩、石英岩およびスレートで構成されており、
粘土層やレス、ロームが多い地域では、
マイルドな味わいのラインヘッセンワインとよく似た風味のワインができます。
赤く粘土質のスレートのある場所は、素晴らしいフィネスと軽い辛さのエレガントな辛口リースリングワインが造られています。

ナーエで栽培されているブドウ品種

ナーエのワイン生産量のじつに75%が白ワインで、
品種としてはリースリング、ミュラー・トゥルガウが主体で、シルヴァーナー、ショイレーベ、ケルナー、バフース、ファーバーなどが栽培されています。
近年は、ヴァイスブルグンダーとグラウブルグンダーが増加しており、赤ワイン品種ではドルンフェルダー、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)などが栽培されています。

ナーエのワインの味と特徴

前述のとおり、ナーエのワインは多種多様な土壌と品種から幅広いスタイルのワインが造られており、中でももっとも多くの生産量を占めるのが、リースリングから造られる白ワインで、ミネラル豊富な土壌から素晴らしいフィネスと軽い辛さのエレガントな辛口白ワインが生まれています。
また、ミュラー・トゥルガウから造られる白ワインは、花のような華やかなアロマのある軽快な白ワインが造られ、シルヴァーナーからはコクのある素朴な味わいのワインが生まれます。
ドルンフェルダーとシュペートブルグンダーから造られる赤ワインも人気が高まっています。

ナーエのワインとは

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