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185年以上もの歴史を持つブルゴーニュの名門アルベールビショー。
ブルゴーニュの銘醸地に広大な畑を所有しており、創設から6世代にわたって家族経営をおこない、ブドウ、人、自然環境の3つの柱を重んじたワイン造りで高品質なブルゴーニュワインを生み出しています。
そこで、本日はアルベールビショーについてお話します。
アルベールビショーについて
アルベールビショーはフランスのブルゴーニュ地方コート・ド・ボーヌ地区に本拠地を置く、1831年に創設された老舗の名門ワイナリーで、創設から6世代にわたって家族経営をおこない、「ブドウ(その土地の味)」・「人(ワイン造りに関わる人々)」・「自然環境(環境の永続性)」 を尊重したワイン造りを哲学に、現在、シャブリ地区にドメーヌ・ロン・デパキ、コート・ド・ボーヌ地区にドメーヌ・デュ・パヴィヨン、コート・ド・ニュイ地区にドメーヌ・デュ・クロ・フランタンとシャトー・グリ、コート・シャロネーズ地区にドメーヌ・アデリー、ボジョレー地区にドメーヌ・ド・ロシュグレの6つのドメーヌを所有しています。
アルベールビショーで造られるワインの特徴
アルベールビショーのワインの多くがピノ・ノワール100%で造られますが、異なるテロワールを持つドメーヌからは、同じピノ・ノワールでもドメーヌごとの異なる個性を持つ味わいのワインができます。
フレッシュなラズベリーのアロマに、バニラやトーストのニュアンスを感じられる熟したタンニンとほどよい酸味があるものから、ブルーベリーなどの黒系果実にスミレのエレガントなアロマのある、ビロードのように滑らかな口当たりと長い余韻をもつもの。
また、粘土石灰土壌で育つ平均樹齢が40年以上の古木から造られるエレガントさと複雑さの見事なバランスがとれたものまで、
ピノ・ノワール特有の繊細な果実味と奥行きのある味わいが見事に表現されたワインが多くあります。
また、ボジョレー地区やマコネ地区ではガメイを使ったライトボディの赤ワインも造られています。
シャブリ地区のドメーヌ・ロン・デパキでは、シャブリ地区の全グラン・クリュ(特級畑)の約1割にあたる10haのグラン・クリュを所有しており、中でも、モノポールである「ムトンヌ」のワインは、ピーチやネクタリンなどの熟した果実のアロマに、ジャスミンなどのフローラルなアロマがくわわり、シャブリ特有のキレのある美しい酸とミネラル豊かな味わいのワインが造られています。
アルベールビショーのワイン造りのこだわり・哲学
アルベールビショーのワイン造りは前述のとおり、ブドウ、人、自然環境の3つの柱を重んじたブドウ栽培から醸造がおこなわれており、未来の子どもたちにその土地を健康的に継承できるよう20年以上前から、過剰な耕作や有機物の添加による施肥をおこなわず、生物の多様性を重視した有機農法に転換する取り組みが始まり、すでにコート・ドール地区とコート・シャロネーズ地区の畑はすべてビオロジックの認証を受けています。
また、各ドメーヌには、それぞれのテロワールを知り尽くしたスペシャリストを栽培や醸造に携わる責任者として配し、各産地のその土地の個性を表現するワイン造りをおこなっています。
アルベールビショーの実績
アルベールビショーのチーフワインメーカーであるアラン・セルヴォー氏は、1995年からアルベールビショーの品質を高めるため、低収量、有機農法といったアプローチをおこない、2004年9月に 「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」において、アラン・セルヴォー氏が「レッド・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー2004」に輝きました。
また、2010年11月にフランス・リヨンで開催された「トロフィー・リヨン・ボージョレ・ヌーヴォー」においてアルベールビショーのボージョレ・ヌーヴォー2010がGrande Medaille dOr(大金賞)を受賞するなど、アルベールビショーは名実ともにブルゴーニュを代表するワイナリーです。
アルベールビショーが所有する畑
アルベールビショーはブルゴーニュの銘醸地に広大な畑を所有しており、「黄金の丘」と呼ばれるコート・ドール地方の南部に位置する、コート・ド・ボーヌには、「レ・ゼプノ」、コルトンのグラン・クリュである「クロ・デ・マレショード」「コルトン・シャルルマーニュ」など8haの白ワインの畑を含む、17.5haのブドウ畑を所有しています。
また、ロン・デパキが占有しているシャブリで最高峰とされるグラン・クリュ「ラ・ムトンヌ」は、「レ・プリューズ」と「ヴォーデジール」という2つのグラン・クリュにまたがって所在する、2.35 haの畑で、ここからはわずか年間15,000本しか生産されない希少性の高いシャブリが生み出されています。