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ワインの定番のおつまみと言えば、チーズや生ハム。
生ハムは、ワインを置いているレストランや居酒屋なら、ほとんどのお店で取り扱っていますよね。
家飲みでも、コンビニやスーパーで買えて、調理もなくそのまま食べられるので、おつまみとしても最高です。
そこで、本日は生ハムに合うおすすめのワインをご紹介します。
どうして生ハムとワインは相性が良いのか
そもそも、なぜ生ハムとワインの相性がいいのか。
じつは生ハムには、ワインとの共通点があります。
それは、品種と産地と熟成期間。
上質な生ハムはワインと同様、口に入れた瞬間にまろやかな脂が舌の上で溶け、バランスのとれた塩気と旨味が口の中いっぱいに広がります。
まるでワインを飲んだ時の雰囲気そのものです。
また、ワインと同じように生ハムも熟成期間というものがあり、熟成期間が長くなるほど、しっとりとした円みのある豊かな味わいになります。
それゆえ、ワインと生ハムを合わせる際には、品種、産地、熟成期間などに注目して、ワインとのペアリングを楽しむと、すばらしいマリアージュになるでしょう。
生ハムとワインの産地を合わせて楽しむ
さきほどお話した通り、生ハムにも産地があります。
世界三大生ハムと言われるのが、イタリアのプロシュット・ディ・パルマ、スペインのハモン・セラーノ、中国の金華火腿(金華ハム)です。
とくに、イタリアのプロシュット・ディ・パルマと、スペインのハモン・セラーノは、ワインとの相性が抜群で、それぞれの産地のワインと合わせるのがおすすめです。
イタリアのエミリア・ロマーニャ州のパルマでつくられるプロシュット・ディ・パルマは、豚肉は認定された養豚所で育てられた白豚で、品種もランドレース種、デュレック種、ラージホワイト種と決められています。
もも肉を塩漬けした後、地上にある熟成庫で1~2年間の乾燥期間を置いて熟成させます。
そんなプロシュット・ディ・パルマには、エミリア・ロマーニャ州のスパークリングワインランブルスコがおすすめです。
ほどよい甘みと渋み、酸味のあるフルーティな味わいの微発泡ワインで、アルコール度数は辛口で11%、甘口で8%ほどで一般的なワインよりアルコール度数も低めなのでとても軽やかで飲みやすいです。
プロシュット・ディ・パルマのほのかな塩気の中にある凝縮した豚肉の甘みとうまみが、のどごしの良い爽快なランブルスコと相性抜群です。
スペインのハモン・セラーノは、こちらも白豚を原料としており、スペインの広域で生産されています。
1~2年を通じて風通しの良い貯蔵庫で吊るし熟成されます。
値段も比較的リーズナブルなものが多いです。
一方、スペインの生ハムには、ハモン・イベリコというイベリア半島でドングリを主食として育つ、ブランド豚のイベリコ豚(黒豚)が原料となる生ハムがあります。
ハモン・セラーノと比べ、少量生産で熟成期間も長いため、希少価値が高く、生ハムの中でも最高級品です。
ハモン・セラーノには、テンプラニーリョがおすすめです。
どちらも日常の食卓に乗せられる気軽な価格と味わいの生ハムとワインなので、アペロのときなど軽くつまみながら飲みたいときにピッタリです。
また、ハモン・イベリコには、シャンパンと同じ伝統的製法で造られるスペインのスパークリングワインのカヴァがおすすめです。
生ハムに合うおすすめワイン
クリアンサ ボデガス・ブルゴ・ヴィエホ
生産者のボデガス・ブルゴ・ヴィエホは1987年に6つの農家により設立され、リオハ・バハ地区のエブロ渓谷付近に200ha以上の畑を所有しています。
このクリアンサは、リオハ・バハ地区で栽培されたテンプラニーリョ90%、グラシアーノ10%を使用し、ステンレスタンクで発酵した後、コンクリートタンクでマロラクティック発酵を行い、225Lのアメリカンオーク樽にて12ヵ月間熟成させ造られます。
紫がかったルビーレッドカラーの外観に、黒い果実の香りとバニラのバランスの取れた香りが広がり、シルキーで滑らかな口当たりに、力強く複雑な味わいが特徴的です。
赤身肉の料理やチーズなどと良く合います。
リクオ・ロス・ブリュット ボデガス・エスクデロ
ボデガス・エスクデロは、スペインで最も名高い赤ワイン産地リオハ地方で150年以上の歴史を持つボデガ(醸造所)です。
高貴品種のテンプラニーリョを使い、高品質な赤ワインを造り続けています。
標高の高いリオハの気候を活かし、高品質なカヴァを作る「ボデガス・エスクデロ」では、
それぞれのカヴァをしっかり熟成させることに強いこだわりを持っており、DOカヴァの法定熟成期間は9カ月とされますが、リクオ・ロスでは、ROSADOが24カ月、Brutに至っては36カ月という、シャンパーニュのプレステージクラスに要求されるのと同等の熟成期間で熟成されます。
このリクオ・ロスは、地元の祭事などでも出す特別なカヴァのため、熟成期間も他のカヴァに比べて高いのです。
ヴィウラ100%のこのスパークリングワインは、シトラスやリンゴ、白い花のほのかな蜜を思わせる香りの中に、36か月熟成で醸されたパン酵母のような熟成香が感じられます。フレッシュなアロマと果実味ながら、柔らかく深みのあるバランスが取れた味わいです。
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マジア・J・テンプラニーリョ
アルケミー・ワインズは、フランス・ボルドーとのつながりが長く、ワインの教育・普及に最も力を入れている国イギリスに資本をおく会社で、実際にマジアJを作るのは、1850年からの歴史あるワイン生産者、ボデガス・フェルナンド・カストロです。
ボデガス・フェルナンド・カストロは、サンタ・クルス・デ・ムデーラという地で、代々ブドウ栽培からワイン造りまでを手掛ける伝統的な作り手で、一番に品質を重んじており、独自の醸造ラボ(研究所)を作り、醸造の全プロセスを通じて、完成度の高いワイン造りを目指しています。
この地域は、日照時間が長く、また標高が高く寒暖の差が大きいため自然とブドウがしっかり熟し、多くの動植物にとっては過酷な環境ですが、その分虫や病害も少なく、自然に任せたブドウ栽培を行うことができます。
そして収穫されるブドウは品種の特性をしっかり表現した、凝縮感のある素晴らしい品質のワインになります。
ラ・マンチャの大地で造られるスペイン固有品種のテンプラニーリョ種100%のこのワインは、この品種の特徴がよく出ており、様々なシチュエーションに合わせられるタイプです。
ベリー系の香りの中にタバコ、革製品などのニュアンスが感じられ、コクがあり繊細で口当たりもよく、果実味もしっかりしているワインです。
イネディット
世界一予約の取れない伝説のレストラン、「エル・ブジ」のシェフ、フェラン・アドリア氏が、「世界のセレブを迎えるためのワインはあるが、ビールがない」という思いから、シャンパンの代わりになり得るビールとしてダム社と開発したプレミアムビールが「イネディット」。
「The World Beer Championships」にて8年連続金賞受賞(2014~2021年)をはじめ、アジアレストラントップ50のパーティで振る舞われるなど、ビールの枠を超えた究極のセレブビール。
「イネディット(前例のない)」の名を持つ、世界中のセレブを迎えるために誕生したシャンパンのような高級ビールは、レストランの料理に合わせるために開発され、さまざまな料理とのペアリングをお楽しみいただけます。
おすすめの生ハムとサラミ
ジャンボン・アルデュード
ピエール・オテイザ社は、フランス・バスク地方のハムやサラミを生産するシャルキュトリです。
1999年からピエールと4人のバスクのシャルキュトリ職人で力を合わせ、2000年に LE SÉCHOIR COLLECTIF DE LA VALLÉE DES ALDUDES (アルデュード渓谷共同熟成庫)を創設。
3名の従業員を雇用し、レストラン、地元の農家、個人等のためにも生ハム作りを始めました。
バスクの山の中で放し飼いにして育てたマニッシュ豚を原料として、山から谷を通って吹き降ろす風によって自然乾燥熟成させた生ハムは、凝縮感のある肉の旨味と芳香を兼ね備えたバスクの逸品です。
熟成させた凝縮感のある味わいのあるジャンボン・アルデュードには、ほどよいコクと酸味のあるサンジョヴェーゼのキャンティや、フルーティーで生き生きした軽快な味わいのプロセッコがおすすめです。
ソシソン・セック・ド・アルティザナル
メゾン・ラボリー社の信念は「塩漬け」という工程によって、貴重な肉をより高い品質へと高めることです。
メゾン・ラボリー社の熟成庫はロット県で一番標高が高い村 Labastide-du-Haut-Mont(ラバスティド・デュ・オー・モン)に位置し、フランスでも数えるほどしかない自然の風を取り入れるシステムを使用しています。
生ハムはオーヴェルニュの山々の穏やかな風に触れ、ゆっくりと熟成させより複雑で深い味わいを生み出しています。 使用されている豚は、LWD三元豚でカンタル県、ロット県、コレーズ県に囲まれた栗林の中で生まれ、3.5 ヵ月~1年ほど放牧されてのびのびと育てられています。
大麦メインのシリアルと採油植物のブレンドされた飼料を季節や月齢に応じて調整して与え、100%ナチュラルな駆虫薬を使用し、抗生物質は使用しません。
できるだけストレスのない状態で飼育し、すべての工程に携わり一つ一つの輪がつながった取り組みが昔からの風味と味わいを大切にするメゾン・ラボリーのシャルキュトリに欠かせないしまりのある脂の乗った高品質な豚肉を生み出しています。
ぎゅっと凝縮した旨みと、しっかりとした脂のあるソシソン・セック・ド・アルティザナルには、赤ワインでは珍しい微発泡の甘口ワインのランブルスコや、スペインの瓶内二次発酵で造られるカヴァがおすすめです。