スパークリングワインの味わいの決め手となるドサージュとは

スパークリングワインの味わいの決め手となるドサージュとは
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スパークリングワインの味わいの決め手となるドサージュとは

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スパークリングワインの味わいの決め手となるドサージュとは

シャンパンやカヴァなど瓶内二次発酵方式でスパークリングワインを造る際、澱を出した際に、ワインの中の液体が目減りします。そこで、目減りした分をワインに糖分を加えた門出のリキュールで補う作業をドサージュと言います。
本日は、ワインの甘辛度やコクやボリューム感の違いを生み出すドサージュについてお話します。

ドサージュについて

「門出のリキュール(リキュール・デ・エクスペディション)」という言葉をご存知ですか?
シャンパンなどのスパークリングワインが好きな方なら知っている方も多いかもしれませんね。
シャンパンやカヴァなど瓶内二次発酵方式でスパークリングワインを造る際、途中までは白ワインと同じ工程でワインを造りますが、「瓶内二次発酵」という特殊な工程を加えることで、ワインに泡が発生します。
熟成期間中、最初は横に寝かせて保管し、少しずつ瓶を回しながら瓶の口が下になるように動かし発酵で生まれた澱を瓶の仮栓のところへ集めます。
瓶の口を冷却し仮栓を外すと気圧により凍った澱が自然と飛び出ます。
これを、澱引き(デゴルジュマン)といい、この澱を出した際に、ワインの中の液体が目減りします。
そこで、目減りした分をワインに糖分を加えた門出のリキュールで補います。
この作業をドサージュと言い、このドサージュの量によって甘辛度の味わいが変わり、BrutやExtra Brutなどのカテゴリーに分けられます。

ドサージュをする理由

門出のリキュールを加えるドサージュは、前述の通り澱引きにより減ってしまったワインの量を補う。という理由もありますが、糖分を入れることにより高い酸味を柔らかくし、ワイン全体の味わいを微調整する役割があります。
炭酸があると甘さを感じにくいため、ドサージュすることで、甘さの調整をしてワインの味わいにコクとまろやかさ、ボリューム感をだします。
スパークリングワインは辛口から甘口まで7種類あり、1Lあたりの糖分含有量(グラム)によって明確に分けられ、それぞれ名称があります。
・Brut Nature(ブリュット・ナチュール)残糖度3g/L未満
・Extra Brut (エクストラ・ブリュット)残糖度0~6g/L
・Brut (ブリュット)残糖度6~12g/L
・Extra sec (エクストラ・セック)残糖度12~17g/L
・Sec (セック)残糖度17~32g/l
・Demi sec (ドゥミ・セック)残糖度32~50g/l
・Doux (ドゥ)残糖度50g/l~

ドサージュの量に関しては生産者によって異なり、決まった数値はありません。
また、収穫したブドウの出来具合によりドサージュの量を変えるなど、ヴィンテージによって量を決める生産者もいます。
近年、食に関するヘルシー志向の傾向もあり、残糖度の少ないより辛口のスパークリングワインの生産量が増えてきていますが、やはり一番多く造られているのは、ブリュット(Brut)です。

ドサージュがおこなわれないワイン

さきほどの甘辛度で一番辛口に当たるブリュット・ナチュール(Brut Nature)は、ノン・ドサージュのスパークリングワインで、ドサージュをしない(補糖をしない)、ブドウ本来の味わいを生かして造ったスパークリングワインになります。
日本語で言えば、極辛口のスパークリングワインです。
ブリュット・ナチュール(Brut Nature)意外には、パ・ドゼ(Pas Dose)、ノン・ドゼ(Non Dose)、ドサージュ・ゼロ(Dosage Zero)と表記されます。
味わいは、糖分が極めて少ないため、炭酸のキレがとてもあり、飲み口もスッキリとしていて、爽快感のある味わいです。
近年、地球温暖化の影響もあり、ブドウ自体の糖分が高くなってきていることから、あえて、ドサージュをせずにブドウ本来のほんのりとした甘味とコクを生かしたワイン造りが人気になってきており、ノン・ドサージュのスパークリングワインも増加傾向にあります。
しかしながら、ノン・ドサージュのスパークリングワインは、糖分がないため、酸化が進みやすく、きれいに熟成させるのが難しいという見解もあり、まだまだ開発の余地がある分野のようです。

まとめ

スパークリングワインの味の決めてともなるドサージュ。
生産者により補糖の分量は異なり、このドサージュによって生産者のスタイルが表現されるといっても過言ではありません。
ブドウの味わいや酸を活かしながらも、コクとまろやかさやボリューム感などをアップさせ、ワインの味わいをきめ細に微調整するドサージュ。
甘辛度に注目してスパークリングワインを味わってみるのもまた楽しいかもしれません。

ドサージュとは

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