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以前、ブルゴーニュ地方のワインの格付けで「クリュ」についてお話したことがありますが、フランスワインではブルゴーニュ地方に限らず、さまざまな地域でクリュという言葉がでてきます。
そこで、本日はフランスワインでよく耳にするクリュについてお話します。
ワインの格付けは産地によって異なる
フランスワインのラベルで目にする「グラン・クリュ(Grand Cru)」の文字。
ブルゴーニュ地方のワインが好きな方なら、グラン・クリュという言葉を聞くと、ロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、グラン・エシェゾー、シャンベルタン、モンラッシェなどを思い浮かべる方も多いですよね。
じつは、クリュ(格付け)の定義は産地によって異なり、畑につくクリュもあれば、村につくクリュ、シャトーにつくクリュなどさまざま。
そこで、有名な産地のクリュの定義をご紹介していきます。
各産地のクリュの定義とは
まずは、ブルゴーニュ地方の格付けから。
ブルゴーニュ地方の格付けは「畑」にあります。
簡単に言えば、ブルゴーニュ地方のワインは特級畑ワイン、第1級畑ワイン、村名ワイン、地方名ワインに分かれています。
最上級の「特級畑(グラン・クリュ)」は、39の畑が認定されており、ワインは銘柄名として畑の名前だけが表示されます。
例えば「シャンベルタン」(ジュヴレ・シャンベルタン村のシャンベルタン畑)第1級畑の格付けは、特級と同じく畑が対象で、
その畑でとれたブドウだけを使ったワインです。
ラベルにはその村の名前の下に小さく「Premier Cru」「1er Cru」と付けます。
村名ワインは村名が銘柄名になり、同じ村の畑でとれたブドウを使ってつくるワイン。
地方名ワインは地方名の「ブルゴーニュ」が銘柄名になります。
次に、アルザス地方のグラン・クリュについて。
アルザスのグラン・クリュは1975年に制定され、51のリュー・ディ(小区画)と呼ばれる決まった畑のブドウから造られるワインが、「アルザス・グラン・クリュ」として認められています。
指定されているブドウ品種は、リースリング、ピノ・グリ、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネールの4品種で、アルザス・グラン・クリュ・ゾッツェンベルクは、ミュスカの代わりにシルヴァネールの使用が認められており、アルザス・グラン・クリュ・アルテンベルク・ド・ベルクハイムは、リースリングを主体とした複数の品種のブレンドが認められ、アルザス・グラン・クリュ・ケフェルコプフは、ゲヴェルツトラミネールを主体とした複数の品種のブレンドが認められています。
例外を除き、基本的にほとんどのワインが単一品種で造られており、単一品種で造られたワインは義務ではありませんが、ブドウ品種が表記されます。
また、収穫は手摘みが義務付けられ、収穫量や糖度なども厳しく決められています。
シャンパーニュ地方は、ブルゴーニュ地方とアルザス地方と少し定義が異なり、原料となるブドウを生産する村であるコミューンごとに格付けがなされており、村単位でグラン・クリュ、プルミエ・クリュがあります。
また、シャンパーニュ地方は少し複雑なシステムで、かつてブドウ栽培農家とメゾンの間で年ごとに決められる公定価格をもとにして、ブドウが取引されていたため、村ごとに80〜100%の格付けがあり、グラン・クリュと言われるワインは、100%に査定された村で造られたブドウを100%使用したワインのことで、プルミエ・クリュは、90〜99%に査定された査定された村で造られたブドウを100%使用したワインを意味しています。
ちなみに、グラン・クリュの数は17、プルミエ・クリュは44あります。
最後に、ボルドー・メドックの格付けは他の産地とは異なり、サン・テミリオン(A.O.C.サンテミリオン・グラン・クリュ)を除き、ワインを生産するシャトーごとに格付けがされています。
この格付けがおこなわれたのは、フランスワイン法が制定されるより80年も前の1855年、パリ万国博覧会にボルドーワインを出品するために、ナポレオン3世の命令によりボルドー市商工会議所によって制定され発表されました。
メドック地区には約500のシャトーがありますが、そのうち61のシャトー(シャトー・オー・ブリオンのみグラーヴ地区)のみに1級から5級の格付けがされており、その下にはクリュ・ブルジョワ級があります。
メドックの格付けではこの61シャトー全てをグラン・クリュと呼ぶことができ、メドック地区のグラン・クリュに選ばれたシャトーの中の、1級(プルミエ・グラン・クリュ)というような表記になります。
ラベルにクリュが付いている場合は産地などを確認
前述のようにクリュの定義は産地によってさまざまなので、ワインを選ぶ際は、産地によって定義が違うということを少し頭に入れて
おくといいかもしれません。
でも、やはりどの産地でもグラン・クリュの定義は、品質が高いワインであることには間違いがありませんが。
また、中にはクリュという文字があると、それだけで品質が保証されたワインのように見えることから、ワイン名などにクリュの表記があるワインもたまに見かけますので、少し注意してラベルを見てみるといいでしょう。
おすすめのフランスワイン6選
エクストラ・ブリュット・グランクリュ ポール・ルイ・マルタン
メゾン・ポール ルイ・マルタンは、1864年にモンターニュ・ド・ランスの南部に位置するBouzy(ブジー)で創立された小規模自家栽培・醸造メーカーであるレコルタン・マニピュランです。
設立者のポール・ルイ・マルタン氏は、ブジー村では当時とても有名な人物で、協同組合の設立に尽力し、組合の初代代表も務めるなど、村の人々から厚い信頼を寄せられていました。
協同組合を退いた後自身のメゾンを設立、1929年に息子のポールが後を継ぎ、以後伝統と品位を重んじたワイン造りを行っています。
ブジーの個性を重んじたシャンパーニュに情熱的に取り組み、さらに素晴らしい赤ワイン、コトー・シャンプノワも生産しました。
その品質から、世界各国のソムリエたちの信頼を受け、シャンパーニュの本場ランスの「シャトー・レ・クレイエール」はじめミシュラン星付の著名なレストランや、五つ星ホテルで名高いシンガポールのラッフルズホテル等世界的なラグジュアリーホテルにも採用されています。
ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%で造られるこのスパークリングは、ブドウの品質の良さを生かし辛口に仕上げたエクストラ・ブリュット。
ふくよかなコクのある味わいと長い余韻が楽しめるとてもエレガントな1本です。
エクストラ・ブリュット・グランクリュ ポール・ルイ・マルタンのご注文はこちら
化粧箱付き オックス グラン・クリュ
アルマン・ド・ブリニャック、エンジェル、ソウメイに続く、次世代のラグジュアリーシャンパーニュの筆頭として、今欧米で最も注目を集めているのが、このHOXXOHです。
『HOXXOH』は、純金やルビーを使用したボトルデザインや、独自の技術で音楽に合わせて7色に光るギミック、 そして何よりもその品質の高さから、流行の最先端を行くアメリカ・マイアミの有名ナイトクラブや、ヨーロッパ随一のナイトスポットとして名高いスペインのイビサ島、世界中のセレブたちが集うフランスのコートダジュール、フレンチ・リヴィエラなどで注目を集めるシャンパーニュブランドです。
ラミロ―家は、1907年から3世代に渡ってブドウ栽培を続ける家系で、当代のラファエルからシャンパーニュ元詰めも始めました。
ラミロ―家はヴァレ・ド・ラ・マルヌのヴァントゥイユを本拠とし、コート・デ・ブランのOger (オジェ)とChouilly(シュイィ)にも畑を所有します。
オジェは、しっかりした酸はあるものの柔らかで角がなく、豊かな果実味・甘みを感じられる懐の深いスタイルと言われています。もう一つのシュイィはミネラルや酸が控えめで、上品なボディ、ボリューム感を表現するのが得意と言われています。
今が飲み頃の複雑なアロマと味わいが楽しめる熟成スパークリングです。
モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ゾルム マルシャン・トーズ
パスカル・マルシャンは国をまたいで活躍するワインメーカーで、農家から買い入れたブドウで醸造するネゴシアンブランドであるマルシャン・トーズ(旧パスカル・マルシャン)と、自社畑のブドウを使うドメーヌ・トーズを運営しています。
ネゴシアンと言っても、パスカル・マルシャンはマイクロネゴス(マイクロ・ネゴシアン)と呼ばれる小規模のネゴシアンで買付から醸造まで一貫して行い、ブドウを購入する畑は彼のポリシーに賛同する人のみで、定期的に本人が畑を訪ね、ビオディナミ農法含め、木の管理など細かい部分まで直接見て、ボトルの1本1本にまで強いこだわりを持ったワイン造りをおこなっています。
特級「クロ・ド・ラ・ロッシュ」の真下にある名高い1級畑が、このクロ・デ・ゾルムです。
テロワールは、すぐ上にある特級畑と酷似したもので、粘土質、マール(泥灰質)、礫岩質、そしてライムストーン(石灰岩質)が、それぞれ薄いレイヤーとなって層のように堆積しているため、非常に水はけがよく、かつ土壌のミネラルに富んでいます。
モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ゾルム マルシャン・トーズのご注文はこちら
エクストラ・ブリュット・ロゼ・グラン・クリュ ポール・ルイ・マルタン
メゾン・ポール ルイ・マルタンは、1864年にモンターニュ・ド・ランスの南部に位置するBouzy(ブジー)で創立された小規模自家栽培・醸造メーカーであるレコルタン・マニピュランです。
設立者のポール・ルイ・マルタン氏は、ブジー村では当時とても有名な人物で、協同組合の設立に尽力し、組合の初代代表も務めるなど、村の人々から厚い信頼を寄せられていました。
協同組合を退いた後自身のメゾンを設立、1929年に息子のポールが後を継ぎ、以後伝統と品位を重んじたワイン造りを行っています。
ブジーの個性を重んじたシャンパーニュに情熱的に取り組み、さらに素晴らしい赤ワイン、コトー・シャンプノワも生産しました。
その品質から、世界各国のソムリエたちの信頼を受け、シャンパーニュの本場ランスの「シャトー・レ・クレイエール」はじめミシュラン星付の著名なレストランや、五つ星ホテルで名高いシンガポールのラッフルズホテル等世界的なラグジュアリーホテルにも採用されています。
このロゼシャンパーニュは、フランボワーズやチェリーなどのチャーミングなアロマに、ふくよかなコクのある味わいと長い余韻を楽しめる繊細なスパークリングワインです。
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ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・ブレッサンド ジャン・クロード・ラトー
ジャン・クロード・ラトー氏は、1979年ブルゴーニュのコート・ドール地区で「ビオディナミ栽培」を始めた、実はブルゴーニュにおける自然派栽培の先駆者です。
ラトー氏のワインは、現地フランスで75%が決まった客先に送られるため、輸出は僅か25%のみと、日本へ回ってくるものは非常に少なく、超希少な自然派ワインです。
一般的にビオディナミ栽培に切り替えても、品質に影響が現れ始めるのは7~8年後からと言われています。
ジャン・クロード・ラトー氏は、すでに30年以上も前から「テロワールを表現する」方法として、農薬や化学肥料に頼らず手をかけてブドウを育てることだと考え、ビオディナミ栽培に切り替えて土をよみがえらせ、素晴らしい味わいのワインを生み出しました。
ジャン・クロード・ラトー氏の畑は、ジュヴレ・シャンベルタンでも南寄りの斜面、二つの区画に畑を所有しています。
「異次元のスケール感を持つ、まさにラトーのトップキュヴェたる所以」
バイオレットのような優しい花の香りの奥から、ラトーの真骨頂ともいえる出汁系の香りが鼻腔をくすぐります。
ラトーの他のキュヴェに比べて、スケールの大きさを感じさせるのがこのブレッサンドの特長。
穏やかながら芯があるスタイルの他のキュヴェとは異なり、パワフルで骨格がしっかりとした中にしなやかさを秘めています。
まさにラトーのトップキュヴェたる所以を感じさせる、金字塔的な逸品です。
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ポマール ドメーヌ・マニュエル・オリヴィエ
ドメーヌ・マニュエル・オリヴィエは、ニュイ・サン・ジョルジュからコート・ド・ニュイ方面に上がる、標高430メートルほどに位置しているため、この地域でも比較的涼しい気候で、1.30haに白ブドウ樹と1hに黒ブドウ樹が植えられており、いくつかの区画のブドウ畑に混ざり、家族が持っている木苺やスグリや苺の畑もあります。
畑はビオロジック栽培、ビオディナミ栽培を研究し、その長所をいくつも取り入れ、土地とブドウの安全を第一に考えたブドウ栽培を行っています。
当主マニュエル・オリヴィエ氏の実家はカシスなどを造っている農家でしたが、1990年に一念発起しドメーヌを開業しました。
そして、マニュエル・オリヴィエ氏がブルゴーニュの中でも新世代ドメーヌの中でも注目を集める要因となっているのが、優れた醸造コンサルタントとしての顔。
彼のアドバイスを受けようと、多くの生産者が彼に助けを求め、畑仕事と醸造という過密スケジュールの合間を縫って、クライアントに最適なアドバイスをしており、クライアントには、なんとあのドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティもおり、ワインの熟成に関して彼のコンサルタントを受けています。
マニュエル・オリヴィエの畑は、標高およそ300mに位置するポマールの丘の東向き斜面の高い位置にあります。
樹齢55年のピノ・ノワール100%のこのワインは、フランボワーズやチェリーなどのチャーミングなアロマに、フレッシュな果実味と適度なコクのある、軽快な味わいを楽しめるワインです。