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秋はジビエの季節。
本日はそんなジビエ肉と「シラー」のマリアージュについて。
シラーってどんな品種?
赤ワイン用のブドウ品種で、フランス・ローヌ地方が原産と言われており、赤ワインの中でも「スパイシー」と例えられることの多い品種の一つ。
フランスのローヌ地方では、力強く品のあるそして、特にスパイシーな香りが特徴のワインを造ります。
またフランスではローヌ地方以外でも、南仏一帯の南部では、ブレンド用のブドウ品種として重要とされており、ワインにしっかりとした骨格と味わい、熟成能力を与える品種としても使用されています。
ボルドーのカベルネ・ソーヴィニョン、ブルゴーニュのピノ・ノワールと並び、長期熟成タイプの偉大なブドウ品種の一つです。
フランス以外で有名な産地ではオーストラリアです。
オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれ、果実味の豊富でパワフルなアルコール度数の高い凝縮した味わいの赤ワインを造ります。
他にも、南米チリやアルゼンチン、またアメリカやニュージーランド、南アフリカでも広く造られています。
ジビエにおすすめのシラー9選
ジビエなどのややクセのあるお肉は黒コショウなどのスパイスやハーブをきかせた風味のソースでいただく調理法が多いですよね。
そこで、そんなスパイシーなジビエ料理に合うワインを9本ご紹介します。
ツーアップ シラーズ
カンガリーラ・ロード・ワイナリーは1997年、ケヴィン・オブライアンと妻のヘレンの二人の手によって設立されました。
カンガリーラ・ロード・ワイナリーがあるマクラーレン・ヴェイルは、南極大陸から流れてくる海流の影響により、午後になると南極湾から冷えた空気が流れてきて、畑を冷やします。
この寒暖差の影響で一般に言われる「オーストラリアのシラーズ」とは一線を画した、エレガントな雰囲気も併せ持つワインが造られています。
畑は現在ビオディナミ農法へ切り替え中。
カンガリーラロードのワインを気軽に試せるようにとの思いから生まれたのが、このツーアップ。
特別なお値打ちワインで、この価格ながら熟成にはフレンチオークとアメリカンオークの樽を用いリッチな味わいに仕上げています。
ル・シラー・ド・ラ・シャペル
ボルドー左岸にあり、クリュ・ブルジョワのシャトーの中でも常に上位に位置するといわれるシャトー・シサック。
その当主であるダニエル・ヴィアラールと、エリック・オスタンが、2000年に南フランス、アニアンヌ村の可能性に魅せられて設立したドメーヌが、ドメーヌ・サン・ドミニクです。
ドメーヌ・サン・ドミニクは、シャトー・シサックのワイン醸造の経験・技術と、南フランスのグラン・クリュと言われるアニアンヌ村のテロワールが結びついて生まれた、ハイブリッドワイナリー。
深みのあるルビー色に、滑らかな口当たり。
スパイシーさとタンニンの力強さを感じさせます。複雑で濃厚、かつエレガントな味わいで、肉料理にぴったりです。
シラーズ カンガリーラ・ロード・ワイナリー
カンガリーラ・ロード・ワイナリーはケヴィン・オブライアンと妻のヘレンの二人の手によって、1997年に設立されました。
設立間もなくして、世界的に有名なワイン評論家のロバート・パーカー氏を始め多くの評論家が「マクラーレン・ヴェイルの優れたワイナリー」として紹介したことで問い合わせが殺到し、一気に注目のワイナリーとなりました。
ブドウ品種の個性を最大限に発揮したワイン造りをモットーとしており、マクラーレン・ヴェイルの特殊なテロワールをいかして、自然体でエレガント、しかしオーストラリアらしい豊かな果実味と凝縮感のある、飲みごたえのあるワインを生み出しています。
そんなカンガリーラ・ロード・ワイナリーが手掛けるシラーズは、カシスやプラムといった黒系果実のアロマに、タールなどの複雑なニュアンスも加わり、凝縮感のある果実味と力強いコクと濃厚なタンニンが魅力的な濃密フルボディに仕上がっています。
カルカニア・クレア・ヴァレー・シラーズ バーン・ヴィンヤーズ
バーン・ヴィンヤーズは、1960年に最初のブドウを植えて以来、少しずつ畑を増やしながら3世代にわたって成長してきたバーン・ファミリーのワイナリー。
現在はクレア・ヴァレーと、リヴァーランドにいくつもの畑を所有しており、中にはあのペンフォールズのグランジを生み出した伝説的醸造家マックス・シューベルトが見出した畑も所有しています。
当初はブドウ栽培農家としてブドウを他のワイナリーに供給していましたが、2008年から元詰めとしてワインを造り始め、2010年からマスター・オブ・ワインの一人 Phil Reedman氏が参画することになり、2018年には、オーストラリアワイン評価の第一人者ジェームス・ハリデーが最高評価を下し、「ダークホースワイナリー」としてトップ10に入賞するまでに成長を遂げました。
そんなバーン・ヴィンヤーズが手掛けるカルカニアとは、アデレードの130km北、クレア・バレーのスタンリーフラットにあります。
この特別な畑から生まれる、最高品質のブドウだけを使ったワインが、カルカニアシリーズです。
熟成にはフレンチオーク樽を使い、ボトル詰めも樽から直接行います。
伝統的なシラーズの味わいを再現したこのワインは、プラムやカシスなどの黒系果実のアロマにインクのような複雑なニュアンスも感じられる力強いコクや渋みが魅力の重厚な1本です。
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シュヴァリエ・ダンテルム・ルージュ セリエ・デ・シャルトリュ
プロヴァンスとラングドックの間、コート・デュ・ローヌの首都コート・ダヴィニョンにあるセリエ・デ・シャルトリュ。
石灰質の畑で生まれるワインは、ミネラル分豊富で舌触りが良く、香り高く仕上がります。
そんな土を守るためにも、農薬や化学肥料は基本的に使用せず、リュット・レゾネと呼ばれる農法で栽培しています。
もともとは自分たちのテロワールを表現するという思いでワイン造りをしていましたが、よりシンプルに、ワイン好きのため、素直に美味しいと思えるワインを造りたいという思いのもと再出発し、プロからワインを熱烈に愛するアマチュアまで、いろんなタイプの人々が情熱を持って運営しています。
セリエ・デ・シャルトリュが手掛けるコート・デュ・ローヌシリーズは、毎年金メダル常連の看板シリーズです。
シラー単一ではありませんが、カモやイノシシといった野趣溢れる肉料理との相性が抜群です。
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シドニー・ウィルコックス・ヴァインドライド・シラーズ
バーン・ヴィンヤーズは、1960年に最初のブドウを植えて以来、少しずつ畑を増やしながら3世代にわたって成長してきたバーン・ファミリーのワイナリー。
現在はクレア・ヴァレーと、リヴァーランドにいくつもの畑を所有しており、中にはあのペンフォールズのグランジを生み出した伝説的醸造家マックス・シューベルトが見出した畑も所有しています。
サウス・オーストラリア、スコッツ・クリークにある自社のシラーズ単一畑のブドウを使用し、ブドウの果実は木につけたまま水分を飛ばし、凝縮度を高めます。
フレンチオーク樽のスモーキーな香りにシラーズのブドウに由来する、ブラックベリーやカシスの果実味と、クローヴや黒コショウ、リコリスなどのスパイスの風味が一体となって、非常にリッチな味わいのフルボディに仕上がっています。
牛肉や羊肉、ラム肉など赤身の肉を使った料理によく合います。
シンプルなバーベキューや厚切りの牛肉ステーキ、ラムカツなど、肉の味わいをダイレクトに味わう料理にぴったりです。
また、スパイシーな味わいを持つワインなので、同様にスパイスを使った料理にもお勧めです。例えば、モロッコ料理、スパイスたっぷりのラム・タジンなど、味わいの強い料理にもよく合います。
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マリポーザ・アレグレ・グラン・リゼルヴァ・シラー
「Mariposa Alegre(マリポーザ・アレグレ)」は陽気に飛び回る蝶のこと。
チリの雄大なテロワールで育まれたブドウと、フランスの伝統的な技術の融合によって生まれたこのワインは、甘く時にほろ苦く複雑な妙味を感じさせるワインです。
手摘み収穫した果実をさらに選果し、ステンレスタンクで醸造。
伝統的な醸し~発酵のプロセスは24~26度の温度帯で進行し、その後8か月間フレンチオーク樽で熟成して造られます。
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ムーアズクリーク・シラーズ ティレルズ・ワインズ
オーストラリアを代表するワイナリーの1つでもあるティレルズは、「オーストラリアワインコンペティション」において “Winery of the Year”にも選出され、シャングリ・ラ、マリオット・ホテル、リッツ・カールトン、パレスホテルなど、世界各地の著名な五つ星ホテルに採用されています。
1858年にイギリスから移民したエドワード・ティレルによって設立され、5世代にわたって家族経営を続けています。
過去に受賞したメダルやトロフィーの数はなんと5600以上、名実ともにオーストラリアを代表するワイナリーです。
そんなティレルズが造るシラーズは、ヒースコートとマクラーレン・ヴェイルにある畑のシラーズを使用し、ハンターヴァレーにある醸造所で、オープントップの発酵桶と、ステンレスタンクで発酵を行い、発酵後は、フレンチオークとアメリカンオークの樽に移し、
12~15か月間熟成させます。
カシスやプラムといった黒系果実のアロマにピリッとしたペッパーのスパイシーな風味があり、濃密で凝縮した味わいのフルボディです。
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パソ・デ・アドス・シラー
100年以上も前から続くディアス家のブドウ畑は、長い年月昔ながらのワイン造りを続けており、祖父から受け継ぐセラーでは、アンフォラによる昔ながらのワイン造りが続けられています。
酸化防止剤無添加、完全無農薬栽培を実践し、複数の公的機関が認定されており、今スペインで最も注目される自然派生産者で、畑からワイン造りまでまるごと自然派の長い伝統を持つワイナリーです!
そんなパソ・デ・アドスが手掛けるシラーは、プラム、ブラックベリーを思わせる果実味に、クロ―ヴやアニスを思わせる、オリエンタルな香りがあります。
シラーと言えば濃密、甘みがある、というイメージで評価されがちなぶどう品種ですが、 このワインはまさに対極、優しくエレガントな女性的な味わいで、暑いスペイン南部のイメージとは反対にフランスのものに近い上品な雰囲気。
味わいの輪郭がはっきりしていて、ジューシーな瑞々しい味わいがあり、少し冷やしても美味しく味わえます。
滑らかな香り高い赤ワインなので、肉料理全般はもちろん、野菜料理ともよく合います。