ドイツ国内で生産量2位を誇るファルツ地方のワインとは

ドイツ国内で生産量2位を誇るファルツ地方のワインとは
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ドイツ国内で生産量2位を誇るファルツ地方のワインとは

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ドイツのファルツ地方のワインとは

以前まではドイツワインというと、甘口の白ワインというイメージをもたれることが多かったですが、現在、世界的な食のヘルシー志向も相まって、年々辛口ワインの生産量が増しているドイツ。
本日は、そんなドイツの国内で生産量が2位を誇る産地ファルツ地方のワインについてお話します。

ファルツ地方について

ファルツ地方は長さ45マイル(75 km)、幅15マイル(25 km)の長方形の土地で、23,600ヘクタールのブドウ畑を擁し、ラインヘッセン地方に次ぐ国内で2番目に大きなワイン産地です。
この地域には約10,000のブドウ農家があり、住民一人に対しブドウの木が600を上回るというブドウ栽培においても一大産地です。

ファルツ地方で造られるワインの特徴

ファルツのワインは、この30年ほどでスタイルが大きく変わってきました。
1990年代に、ファルツで造られるスパークリングワインのゼクト(Sekt)の需要が高まり、生産量は大幅に増加しました。
もともとリースリングを使った甘口の白ワインも多く造られていましたが、辛口ワインのトロッケン需要が高まり、次第に甘口から辛口に醸造がシフトし、美しい酸としっかりとしたコクのある辛口のリースリングの生産量が増加していきました。
また赤ワインも進化し、よりコクと複雑味のある、アルコール度数が高いワインの生産に力を入れています。
ファルツのリースリングから造られる白ワインは、グレープフルーツ、レモン、ライムなどの柑橘のアロマに、リンゴ、洋ナシ、パッションフルーツなどのアロマが加わり、豊富なミネラル感のタッチが特徴で、シャープな酸とミネラル感、程よくコクのある果実味のバランスがある味わいのワインが造られています。

ファルツ地方のテロワール

ファルツ地方は、北と南で2つの異なる土壌の「ベライヒ(Bereich)(生産地帯)」があり、北のベライヒであるミッテルハルトは軽い粘土、砂、ローム、マールなどが混在し、南のベライヒであるズードリッヒェの土壌は、ロームの割合が多く、より重い豊かな土壌です。
ファルツ地方一帯は、地中海性気候の影響で、平均気温は11度とドイツ国内でも最も温暖な地域で、日照量も年間を通して豊富にあるため、ブドウがよく育ちます。

ファルツ地方で栽培されているブドウ品種

ファルツは白ワイン60%、赤ワイン40%の割合で生産されており、栽培されるブドウ品種は、白ブドウ品種のリースリングがもっとも重要な品種として栽培され、ヴァイスブルグンダー、グラウブルグンダーの栽培面積も急増しています。
その他ミュラー・トゥルガウ、ケルナー、ジルヴァーナー、ショイレーベも栽培されています。
リースリングの栽培面積は5,700ヘクタールを越え、ブドウ園全体の約1/4を占めています。
黒ブドウ品種は全体で約9,000ヘクタール栽培されており、このうち1/3を1956年に交配された黒ブドウ品種のドルンフェルダーが占めています。
続いてシュペートブルグンダー、ポルトギーザーが栽培されており、ファルツ地方はドイツ国内において規模の上では最大の赤ワイン生産地でもあり、ピノノワールの栽培面積も年々増加しています。

ファルツ地方の代表的な生産者

ベルンハルト コッホ
1610年に設立されたBernhard Koch(ベルンハルト コッホ)は、ファルツのハインフェルトにある家族経営のワイン生産者で、ピノ・ノワール、シャルドネ、ヴァイスブルグンダー、グラウブルグンダーなどに力を入れています。
その他、ドルンフェルダーやカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなど20品種以上を手掛けています。
そして、ベルンハルト コッホで醸造を務めるのはなんと日本人の坂田千枝さんです。
ケラーマイスターとしてアレクサンダーと共に醸造のほとんどを担っており、近年「ヴィヌム」や「ゴーミヨ」などの評価本で高評 価を得るようになり、ワイングートの躍進に貢献しています。

ヘンゼル醸造所
約300年以上にわたってファルツでブドウ栽培、ワイン醸造に携わってきた醸造所で、当主トーマス氏は、20代前半からドイツで最も優秀な造り手のひとりとして注目を集めています。
ドイツ外からの外来のブドウ品種を使って造るワインは、温暖なファルツの気候を生かしながら独自の個性を見事に引き出した味わいのワインで、現在、ブドウ栽培はビオディナミを採用しており、栽培醸造に必要な物は自給自足に近い形で余分なものを外から持ち込まないようにしています。
そして、ヴァイングート・フォン・ウィニングという、優れた生産者に与えられる最も高い評価を受けた造り手です。

おすすめのファルツワイン

ピノ・ノワール オリバー・ゼター
オリバー・ゼターは、ドイツのファルツ地方にある、ファーストヴィンテージが2007年という、まだ若いワイナリーですが、既に英国をはじめ一部のワイン市場では高い評価を受けています。
ファルツの冷涼な気候から生み出されるワインの最大の魅力は、世界一美しいとも評される酸味と、繊細な口当たりの良さにあり、ここで生み出されるピノ・ノワールは注目を集めています。
チェリーやベリーのチャーミングなアロマに、スミレのエレガントなアロマも感じられ、とても美しく生き生きとした酸が印象的なほどよいコクのある軽やかな口当たりのワインです。

ピノ・ノワール オリバー・ゼター

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ソーヴィニョン・ブラン オリバー・ゼター
ドイツのワイン専門誌「Wein Wisser」が、Oliver Zeterのソーヴィニヨン2007に対し、「アルプス山脈以北で、最も偉大なソーヴィニヨンだ。
また、今までのトップソーヴィニヨンにも負けない品質であることは間違いない。」と最大限の賛辞を送り、現在、ドイツ国内やヨーロッパの三ツ星レストランへもワインを卸すようになり、評判が年々高まっている注目の生産者です。
畑は、ファルツの南部に8つあり、そこには畑のミクロクリマに合わせて、7種類のソーヴィニョン・ブランのクローンが植えられています。
それぞれが少しずつ香りや味わいの差を持ち、それが深みに繋がります。
状況により野生酵母を発酵に用いることがあるため、ブドウ畑は自然のままにしてあり、除草剤や殺虫剤などは一切使用しません。一年中畑を雑草やハーブ類が覆っています。
収穫は手摘みで、果実はやや早めに収穫しアロマやフレッシュ感を出すブドウと、やや過熟気味に凝縮した風味やリッチなボリューム感を与えるブドウにより分け、より深みがある複雑味を楽しめるワインに仕上げます。

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