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お刺身はお好きですか?
ワインラバーの方の中には、お刺身は好きなんだけど、ワインとのペアリングがいまいち難しくて、なかなか合わせられないという言葉を耳にすることがあります。
たしかに、合わせるワインによっては生臭さがひきたってしまうことも…
そこで、本日はお刺身とワインのペアリングについてお話します。
ワインとお刺身の相性について
ワインとお刺身のペアリングというと、じつは良い印象がない。
なんて方もいらっしゃると思います。
ワインの持つフルーティーさと醤油の風味のバランスがとりづらかったり、まぐろなどに多く含まれるミオグロビンがワインの香りとぶつかって生臭さを感じたり。
たしかに、合わせるワインによっては刺身の旨味もワインの風味も台無しにしてしまうペアリングも多くあります。
ですが、お刺身を食べるときに飲むお酒は実はワインがぴったりという理由もあるんです。
以前にも、このソムリエ手帳でお話をしたことがありますが、白ワインには酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸など有機酸が含まれており、赤痢菌、サルモネラ菌、大腸菌などの食中毒菌に有効であることが知られています。
そのため、生牡蠣やお刺身などいただくときに一緒に飲むと食中毒予防にもなるので、とてもおすすめです。
地中海沿岸、南フランスの「メズ」という人気のリゾート地では、夏の休暇の時期にいくつものテントが並び、シーフード料理を堪能できるイベントがあります。
そこでは、獲ってきたばかりの生ガキやエビが氷の山の上にずらりと並べられ、それを、買ったそばからたっぷりのレモンをかけ自然の美味しさを堪能することができます。
その時合わせるワインが、この土地の特産白ワインの「ピクプール」なんです。
ピクプールは、地中海性気候と粘土石灰質から砂質土壌に適する品種で、潮風にあたりながら育つブドウはミネラルたっぷりで、柑橘類やレモングラスのような爽やかな香りと、フレッシュな酸が心地よく、後味が塩レモンのような印象で、まさに生牡蠣や生エビにぴったりの味わいなんです。
また、シャブリと生牡蠣のペアリングはかなり有名ですよね。
合わせるワインによっては、新鮮な魚介の旨味を引き立たせてくれて、食中毒予防にもなるといううれしい効果つきなんです。
お刺身の食べ方にも工夫が必要!?
お刺身にワインを合わせる時にもう1つ工夫をすると、さらに、ワインとお刺身のペアリングがうまくいく方法がいくつかあります。
1つ目は、お刺身の色とワインを合わせる。
イカや白身魚など淡泊な味わいの白い魚介には、白ワインを合わせる。
マグロやカツオなどのミオグロビンの多い赤魚や、サーモンのようなアスタキサンチンというカロチノイド系の色素を持つ魚には、ロゼワインを合わせるなど、色を合わせることで魚介の持つ味わいとワインの風味が合わせやすくなります。
2つ目は、醤油以外の味付けで刺身を食べてみる。
最近は、刺身も醤油以外の味付けで出すお店も多くなりましたよね。
醤油以外の味付けで一番合うのが、塩。
風味や香りが付けられた変わり塩もさまざまな種類が出てきており、抹茶塩、カレー塩、ゆず塩、山椒塩、梅塩、桜塩などバラエティー豊か。
刺身のネタと塩の風味とワインの組み合わせを楽しむのもまた面白いかもしれません。
3つ目は、醤油で刺身を食べるときのひと工夫。
醤油にその時合わせて飲むワインを少し入れるという方法があります。
醤油の濃さはどうしてもワインの風味を消してしまいがちで、醤油とワインと魚それぞれの風味のバランスをとるのに、ワインを醤油に少し混ぜるだけでバランスがとりやすくなります。
簡単にできる「白ワイン醤油」というレシピを作っている方もいますので、よかったら一度試してみてください。
赤ワインよりも白ワインがおすすめ
刺身にワインを合わせるには、赤ワインよりも白ワインの方が合わせやすいのが事実です。
それは、先ほどもお話したとおり、白ワインに含まれる有機酸などの成分が魚の生臭さをうまく消してくれて、フレッシュで酸味のある味わいが刺身とも醤油とも相性がとれやすいというところにあります。
もし、赤ワインを合わるなら、タンニンが強すぎないまろやかな酸が感じられるピノ・ノワールが比較的合わせやすいです。
白ワインは、比較的どんなものでも合わせやすいですが、柑橘系の香りがして、キリっとした酸があり、ミネラル感があって、後味にほのかな塩気を感じられるものがおすすめです。

刺身と合うおすすめワイン5選
ぎんの雫 グット・ダルジャン シャルドネ
「ぎんの雫」は、チリ産のワインでありながら、五大シャトーのムートンで醸造をおこなっていたフランス人醸造家のマーティ氏が、日本酒酵母という日本の要素を組み込んで造ったという、まさに新感覚のワインなんです。
日本酒酵母は、ワイン醸造では当たり前のように使用されるSO2(亜硫酸塩、酸化防止剤)に耐性がないため、通常よりも選り分けたブドウを使用するなど、かなり繊細な醸造過程を経て造られています。
アカシアのような白い花、アプリコット、シトラスの華やかな香りに続くライチやイースト香がより複雑な印象を作りだします。
口に含むと非常に緻密なテクスチュアと複雑味があり、クリーミーな質感が感じられ、バランスの良い上品な酸味と共に、うまみのある奥深い味わいがジワリと口の中に広がっていくような感覚。
料理とのペアリングの幅が非常に広く、魚介類だけでなく、野菜料理、肉料理とも相性が良く、和食全般とは非常に相性がよいので、日本酒感覚で万能使いできます。
パッセリーナ テヌータ・ウリッセ
テヌータ・ウリッセは2006年に設立した歴史はまだ浅いワイナリーですが、ルカ・マローニの評価ですでにほとんどのワインが90点以上を獲得し、しかもトップキュヴェである「Don Antonio」に至っては、2022年度のベストワイン38本のうちの1本に選ばれたほどの実力派ワイナリー。
「近代的な醸造テクニックを駆使し、固有品種が持つ新たな可能性を探る」「アブルッツォ州のテロワールにおける国際品種の再解釈を行う」これがテヌータ・ウリッセの目標とするワイン造りです。
パッセリーナはギリシャ起源の品種で、現在イタリア中部で徐々に栽培が増えている人気の品種。
活き活きとした果実味を感じるワインで、白桃や杏、グレープフルーツを思わせる華やかなアロマ、藤の花を思わせるアロマとライムの 風味が香り、余韻にミネラルを感じます。口に含むとメロンのようにボリューム感のある果実味と、クリーンな心地よい酸味が両立したバランスの良い辛口の味わい。
シーフードを使った前菜やメインと相性が良く、貝類にもよく合うワイン。
ダイ・スプマンテ・ブリュット
カルディローラは、ロンバルディア州のミッサーリアに小さなオステリアとして1897年に誕生しました。
その後、ワインの販売会社からワイナリーに発展し、現在では様々な地方のワインを扱う、大規模なワイナリーに成長していきました。
そんなカルディローラが手掛けるスプマンテは、トレッビアーノ、モスカート、マルヴァジアの3つのブドウ品種をブレンドして造られており、トレッビアーノのキリっとした酸に、モスカートの芳醇なアロマ、マルヴァジアの女性的な繊細さが見事に調和したバランスの良いスプマンテで、気軽に楽しめるイタリアらしい朗らかで軽快な味わいです。
フレッシュライム、青リンゴや白い花の蜜のような上品なアロマが感じられて、辛口スパークリングなので食前酒としてももちろんいいですが、チーズやシーフードなどにもよく合います。
サンセール・ブラン ドメーヌ・ランボー
サンセールはブルゴーニュに近く、すぐ北東にはシャブリが望める、そんなロケーションの町で、高品質な白ワインを生み出す産地。
白い土に覆われた石灰質土壌の畑が広がり、シャブリから続く「キンメリジャン」と呼ばれるラインは、遥か昔海の底だった土地で、大量の貝殻が埋まっています。
そのため、豊富なミネラル、キリッと引き締まった酸が乗ったシャープな辛口白ワインが生まれます。
ドメーヌ・ランボー・ピノー このドメーヌは、サンセール~プイィ・シュール・ロワールを本拠地として3世代続く、家族経営の小さな生産者です。
ソーヴィニョン・ブラン100%で造られるサンセール・ブランは、柑橘、スターフルーツ、ハーブなどのアロマに、しっかりとしたボディとミネラル感、切れのある酸が味わえる1本。
白身の魚との相性がとてもいいです。
ぎんの雫 グット・ダルジャン ソーヴィニョン・ブラン
「ぎんの雫」は、チリ産のワインでありながら、五大シャトーのムートンで醸造をおこなっていたフランス人醸造家のマーティ氏が、日本酒酵母という日本の要素を組み込んで造ったという、まさに新感覚のワインなんです。
日本酒酵母は、ワイン醸造では当たり前のように使用されるSO2(亜硫酸塩、酸化防止剤)に耐性がないため、通常よりも選り分けたブドウを使用するなど、かなり繊細な醸造過程を経て造られています。
夏ミカン、スダチ、レモンといった柑橘のアロマに、ハーブ、エルダーフラワーやハイビスカス、ローズペタル、ヒヤシンスのブーケ、リンゴや白桃を思わせる甘みのある香りが奥に僅かに感じられます。
口に含むと非常に緻密なテクスチュアで、丸みのある綺麗な酸味が、うまみを伴いながらジワリと口の中に広がっていき、余韻が非常に長く、和食全般とは非常に相性がよく、日本酒感覚で万能使いできるワインです。
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