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セミヨンは皮が薄いため貴腐菌が付きやすく、ボルドー地方のソーテルヌやバルザックで造られる甘口ワインは、世界三大貴腐ワインの1つで、長期熟成のできる世界最高峰の甘口ワインです。
主要な産地はフランス、オーストラリア、南アフリカ、チリで多く栽培され、オーストラリアでは「ハンター・セミヨン」と呼ばれ親しまれています。
本日は、セミヨンについてお話します。
セミヨンの特徴と造られるワインの特徴
セミヨンは、フランスのボルドー地方が原産とされる白ワイン用ブドウ品種で、明るめの黄緑色の果皮で、甘口から辛口まで幅広いタイプの白ワインが造られています。
主要な産地はフランス、オーストラリア、南アフリカ、チリで多く栽培され、特にフランスは各地で栽培しており、世界の栽培の40%を占めています。
フランスでは主にボルドー地方で、ソーヴィニヨン・ブランとミュスカデルに少量ブレンドされる補助品種として人気で、こうして造られる辛口ワインはボルドー・ブランと呼ばれています。
また、セミヨンは皮が薄いため貴腐菌が付きやすく、ボルドー地方のソーテルヌやバルザックで造られる甘口ワインは、世界三大貴腐ワインの1つで、長期熟成のできる世界最高峰の甘口ワインです。
セミヨンは非常に育てやすく生産性の高いブドウ品種で、病害に比較的強く、安定的に十分な収穫量があります。
果実は早熟で、暖かい気候のもとでは果皮がややピンクがかった色になり、日焼けをしてしまうこともあります。
そのため、昼間は暖かくても夜は気温が下がる日較差のある産地に向いています。
セミヨンから造られるワインは、糖度が高めで穏やかな酸があり、ドライフルーツやはちみつなどの上品なアロマが特徴で、口当たりも滑らかです。
辛口を造る場合は単一では、酸が少ないことからはっきりとした味を出しにくいため、対照的なソーヴィニヨン・ブランとブレンドされて造られることが多いです。
おもな産地と特徴
■フランス
ボルドーのソーテルヌ地区とバルザック地区は、世界的に有名な貴腐ワイン銘醸地です。
ここで造られる貴腐ワインは、シロン川とガロンヌ川が合流する際に起こる水温の違いから霧が発生し、その適度な温度と湿度により、貴腐菌が育ちやすく、濃厚な甘口となります。
ここの貴腐ワインは、きらめくゴールドで、蜂蜜やバニラといったエレガントなアロマに、まろやかながら、後味に少し酸があり、しっかりとした味わいになります。
ボルドー・グラーヴ地区で造られるセミヨンは、オーク樽で熟成させしっかりとしたコクのある白ワインとなります。
ソーヴィニヨンブランやミュスカデルとのブレンドが主流で、セミヨンの比率が高いほど熟成タイプのワインになります。
■オーストラリア
オーストラリアでは、セミヨンはシャルドネ・ソーヴィニヨンブランに次ぐ生産量を誇り、オーストラリアの中でも有名な産地がニューサウスウェーズル州のハンター地区です。
シドニーの北に位置する歴史あるワイン産地ハンター・ヴァレーは、温暖で湿度が高く、収穫期は雨が降ってブドウの酸度が下がらないよう早めに収穫されます。
この地の独特な気候条件によって生み出されるセミヨン100%の白ワインは、「ハンター・セミヨン」と呼ばれ親しまれています。
若いうちは柑橘のさわやかな香りとミネラル感がある味わいですが、6〜10年ほど熟成させると、蜂蜜や香ばしいロースト香などの複雑な風味を持つワインとなります。
セミヨンから造られるおすすめワイン
フランス
プティ・ギロー
シャトー・ギローは、自然に対する尊敬の念とそこに人の情熱を傾けることを哲学として、格付1級シャトーで初の有機認証を獲得しました!
そのシャトー・ギローで造られる100%オーガニックの貴腐ワイン。
ソーテルヌで最もソーヴィニヨン・ブランの比率が高く、セミヨン65%、ソーヴィニヨン・ブラン35%のフルボディタイプの貴腐ワイン。
ピンクグレープフルーツ、レモンの砂糖漬け、アプリコットなどの風味で、シャトー・ギローの輝くテロワールを感じる味わいになっています。
産地:フランス/ボルドー・ソーテルヌ

セミヨン ユベール・ド・ブアール
ユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレはシャトー・アンジェリュスの7代目当主で、さらにワインコンサルタントとしてフランス国内だけでなく、海外でも精力的な活動を行う稀代の醸造家。
そんなユベール・ド・ブアール氏の名前を冠した、全く新しいスタイルのボルドーワイン。それが、今回ご紹介するユベール・ド・ブアールシリーズです。
粘土石灰質の土壌で育ったセミヨンを小さなかごを用いて、畑で選別を行いながら状態の良い果実のみ収穫します。
アルコール発酵後は、2/3はフレンチオーク樽、1/3はアカシア樽の中でマロラクティック発酵を行い、11カ月間熟成させ、最終的に味わいのバランスを調整しながらアッサンブラージュを行って造られます。
アプリコットやパイナップルなどの果実のアロマに、ハチミツの芳醇なアロマが加わり、しなやかな酸味と果実味、コクのある奥深い味わいのワインです。
オーストラリア
ティレルズ ロスト・ブロック セミヨン
オーストラリアで初めてシャルドネを商品化したオーストラリアワインの先駆者とも言えるティレルズ社。
オーストラリアワイン屈指の産地であるハンター・ヴァレーで最上のワインを産するポコルビン・ヴィンヤードを中心に300haの畑を所有し、年間50万本以上を生産しています。
ティレルズ社のワインは世界中で高く評価され、カンタス航空をはじめとするエアラインや、有名レストランやホテルで人気を博しています。
ハンター・ヴァレーのセミヨンならではのレモンのようなフレッシュでクリスプな味わい!
程よいボリューム感に旨みもあるアロマティックなワインです。
産地:オーストラリア/ハンター・ヴァレー

アメリア・パーク・ソーヴィニョン・ブラン・セミヨン
設立10年程でオーストラリアのワイナリー上位に入る程にまで成長し、今注目を集めているワイナリー「アメリア・パーク・ワインズ」。
アメリア・パーク・ワインズの手掛けるソーヴィニョン・ブラン・セミヨンは、マーガレット・リヴァーのWilyabrup(ウィルヤブラップ)産のブドウを最良のコンディションで収穫し、ワイン造りを速やかに行うため、夜の涼しい時間帯に機械で収穫します。
ブドウは低温下でプレスされ、一部はステンレスタンクで澱とともに発酵を行い、複雑味を表現します。
品種ごとに発酵を行った後、それぞれのワインをテイスティングしながらブレンドします。
レモンやライム等柑橘類のアロマに、活き活きとした酸味に続き、洋ナシやパッションフルーツ、メロンを思わせる豊かな風味ともぎたての果実のような、凝縮した果実味が感じられ、キレのある酸味が全体を引き締めます。
新鮮な野菜やグレープフルーツを使ったサラダなどの前菜や、シンプルな魚介のグリルなど、様々な料理に合わせやすく、使い勝手のよい1本です。
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おすすめワインに合う料理
辛口から甘口までさまざまなタイプがあるセミヨンは、それぞれのタイプに合うお料理があります。
まず、辛口のセミヨンのワインには、香りにクセがないので、生牡蠣、魚介のカルパッチョ、白身魚のムニエルなど、さっぱりとしたシーフード料理がよく合います。
甘口のセミヨンのワインにはフォアグラや、白身魚のテリーヌ、豚肉のパテなどがとても合います。
また、貴腐ワインは食後にデザート感覚で飲むのが最もポピュラーで、10℃前後に冷やして飲むとすっきりとした飲み口に、貴腐ワインの濃厚でエレガントな風味を楽しめます。
貴腐ワインには、ブルーチーズなどのクセの強いチーズがピッタリで、チーズのしっかりとした塩気が貴腐ワインの甘さとベストマッチです。
また、ドライフルーツやコンポート、バニラアイスクリームの上からかけたりして楽しむのもおすすめです。












