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ワインと言えば誰もが一番はじめに思い浮かべる国は、やはりフランスではないでしょうか。
ワインの年間の生産量でも常にイタリアとトップ争いをしているほど、量もさることながら、品質も古くから高い水準を保つための
ワイン法が設けられ品質の高いワインを造り続けてきたフランス。
本日は、フランスワインについてお話します。
フランスワインの特徴
冒頭でも触れたように、フランスの年間のワインの生産量は、常にイタリアとトップ争いを繰り返しており、2014年以降は、僅差でイタリアに1位を譲る結果になっていますが、それでも、年間47億リットルと、世界全体の20%近くを占める生産量。
フランスは寒冷でパリより北ではブドウの栽培が難しいため、限られた地域でワインの生産をおこなっていますが、世界の名だたる高級ワインのほとんどは、フランスで生産されています。
ワインの歴史的産地であり、優れたワインを生み出し続けるワイン大国。
その優れたワインを生み出し続けるには、フランスは古くから、ワインの個性を尊重しながらも品質を保っていくために「ワイン法」が設けられ、その品質の基準となる「格付け」がありました。
今では、ワインを造る国の多くで格付けはおこなわれていますが、フランスは、国単位だけではなく、ワインの産地ごとにこの格付けがあるほど、各地で品質を保つための厳密なルールがあります。
そういったことからも、一口にフランスワインと言っても、産地によって格付けも異なり、ルールが異なるため、それぞれ違った個性を持っています。
そんなフランスワインの主な産地は、大きく10の産地に分けられます。
・アルザス
ドイツ国境近くから、スイス近くに至る110kmのライン川沿いでドイツのワイン文化がうまく融合し、リースリング品種を使った
品のいい辛口白ワインの産地。
・シャンパーニュ
パリから北東約160㎞に位置する、ブドウ栽培では北限ギリギリの地域。
世界の王侯貴族に愛される発泡性ワイン「シャンパン(シャンパーニュ)」の産地。
・ロワール
フランス最長の河川、ロワール流域にあるフランスで最も広範囲に広がる産地。
ルネサンスの華とも言える古城が点在し、穏やかな気候に恵まれているため、白、ロゼ、赤、甘口から辛口と各地域の特色を生かした多彩なワイン造りが行われています。
・ボルドー
世界最高峰の赤ワインの銘醸地として名高い産地。
ピレネー山脈から流れるガロンヌ川、ドルドーニュ川が合流して大西洋に注ぐジロンド川の流域で集中的にブドウが栽培され、ポムロル地区、サン・テミリオン地区のある右岸ではメルロが主流で、メドック地区のある左岸ではカベルネ・ソーヴィニョンが主流に造られている。
・ブルゴーニュ
ボルドー地方と並び称される銘醸地。
生産量ではボルドーの半分にも満たない産地ですが、単一品種で造られるブルゴーニュの赤ワインと白ワインは、フランスを代表する優れた品質です。
・ジュラ
ジュラ山脈の麓に広がるジュラは冷涼な気候をしており、固有品種のサヴァニャン種の産地としても有名です。
「黄色ワイン(ヴァン・ジョーヌ)」がジュラ地方の銘酒。
・コート・デュ・ローヌ
古代ローマ文化などを伝えた交易路として発展し、ボルドーに次ぐ広い産地で、北部と南部で出来るワインの特色が大きく異なります。
北部ローヌは、夏暑く冬寒い大陸性気候で酸味と渋みのバランスのよい上質なワインを生み出します。
一方、南部ローヌは、地中海性気候で年間を通じて温暖で、完熟したブドウからはアルコール度数の高いワインが多く造られます。
・プロヴァンス
フランスのリゾート地として、温暖で美しい海に育まれた風光明媚な土地では、日照りの強い地中海性気候がブドウを完熟させ、ミストラルと呼ばれる強風が、湿気を運び乾燥を防ぐため、とてもブドウ栽培に適した産地です。
プロヴァンスでは、全生産の80%がロゼワインで、夏には氷を入れて飲むのもプロヴァンスワインの特徴。
・ラングドック・ルーション
地中海に沿ってスペイン国境にまで広がる、2つの大きな地域からなり、地中海独特の恵まれた気候により、フランス最大の生産量を誇っています。
かつてはリーズナブルな価格のワインを量産する産地して有名でしたが、最近は、新鋭なワイン造りを求めて来た生産者たちによりオーガニックワインの一大生産地にもなっており、非常に注目されている産地です。
・南西地方
ボルドー地方とラングドック・ルーション地方に挟まれている南西地方は、ボルドーよりも古い歴史を持ち、知る人ぞ知る高品質ワインの宝庫。
地域ごとの多様性に富んだテロワールが魅力で、深い歴史と高い品質をもつにもかかわらず、コストパフォーマンスに優れたワインを楽しむことができるのです。
世界的にも有名な産地 ボルドー・ブルゴーニュ
フランスワインの2大産地として名高いのが、ボルドーとブルゴーニュです。
この2大産地は、世界最高峰のワインを生み出すという共通点はありますが、生み出されるワインには異なる大きな特色がそれぞれにあります。
まずはボルドーの基礎知識から。
ピレネー山脈から流れるガロンヌ川、ドルドーニュ川が合流して大西洋に注ぐジロンド川の流域で集中的にブドウが栽培され、ポムロル地区、サン・テミリオン地区のある右岸ではメルロが主流で、メドック地区のある左岸ではカベルネ・ソーヴィニョンが主流に造られています。
ボルドーではブドウ畑を含めた醸造元のことをシャトーと呼び、ワインを生産するシャトーごとに格付けされます。
世界的にも有名な「シャトー・ラ・トゥール」「シャトー・ラフィット・ロートシルト」「シャトー・マルゴー」「シャトー・ムートン・ロートシルト」「シャトー・オー・ブリオン」のボルドー5大シャトーと呼ばれる5つの有名シャトーは、シャトー・オー・ブリオンのみグラーヴ地区ですが、4つのシャトーはすべてメドック地区にあります。
ボルドーワインの味わいの特徴は、メルロ種とカベルネ・ソーヴィニョン種のブレンド(アッサンブラージュ)からなる、豊富なタンニンと酸味と樽育成によるしっかりとしたストラクチャーが際立つタイプが多いです。
一方、ブルゴーニュは、フランス東部に広がっており、比較的冷涼な大陸性気候で、一日の寒暖差があることから、ピノ・ノワールやシャルドネなどのブドウ品種の栽培に適しています。
ブルゴーニュには、シャトーではなくドメーヌや石垣に囲まれた畑「クロ」というものがあります。
北から南に向かって、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌ、コート・シャロネーズ、マコネという4地区に分かれています。
この4地区から少し離れた最も北にシャブリ地区があります。
シャブリ地区では、ご存知の方も多いシャブリという白ワインが造られています。
コート・ド・ニュイは、「ジュヴレ・シャンベルタン」で名高い赤ワインの産地。
コート・ド・ボーヌは、一部の地域では赤ワインが造られていますが、「ムルソー」「シャサーニュ・モンラッシェ」などの白ワインの評価が高い産地です。
使われるブドウ品種はとてもシンプルで、赤ワインはほぼすべてがピノ・ノワール。
白ワインは一部地域を除いて、ほぼシャルドネから造られています。
ボルドーと大きく異なるところは、ブルゴーニュではすべての生産者が、単一品種でワインを造っており、同じ品種でもテロワールの違いから、驚くほど多様なワインが生まれます。
フランスワインによく使われるブドウ品種
【赤ワイン用ブドウ品種】
◆カベルネ・ソーヴィニョン
ボルドー地方の伝統的な品種。
豊富なタンニンがあり、芳醇でしっかりとした骨格を持つワインに仕上がります。
若いうちは強い渋みを感じるものあるため、丸みのあるおおらかな味わいのメルローとブレンドされることが多いです。
ブレンドすると甘草やカシス、杉、ジビエのような魅惑的な香りを出し、複雑なブーケを開花させる品種です。
◆メルロー
ボルドー地方でもっとも広い栽培面積をもつ品種。
カベルネ・ソーヴィニョンと最高に相性が良い品種で、深い色合いが特徴的で、プルーンやダークチェリーのようなフルーティな香りと、すみれを思わせる華やかな奥深い香り、またロースト香がふくよかで口当たりの良いワインに仕上げます。
◆ピノ・ノワール
ブルゴーニュで造られる赤ワインのほとんどがこの「ピノ・ノワール」と言われる高貴品種で造られています。
ロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、シャンベルタン…といったブルゴーニュを代表する数々の名高い赤ワインはすべてピノ・ノワールから造られており、シャンパンの原料の一つでもあります。
ピノ・ノワールは、非常に古くから存在しており、ブルゴーニュ地方でのピノ・ノワールの栽培は600年を超え、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ムニエといった多くのクローンを造っています。
【白ワイン用ブドウ品種】
◆シャルドネ
辛口白ワインを生み出す王様的な品種。
地域、テロワール、造り手によって味わいも香りもさまざまな特徴を出し、シャルドネから造られる白ワインはデイリーワインから高級ワインまでさまざま。
一般的には、レモン、りんご、アカシア、はちみつ、バター、ヘーゼルナッツなどの香りが特徴的。
単体で造られることも多いですが、ソーヴィニョン・ブランとの相性も良く、ブレンドワインとしても使われます。
◆ソーヴィニョン・ブラン
香りが変幻自在で、温暖な産地ではトロピカルフルーツや白い花の華やかな香りを出し、冷涼な産地では酸味がきつくなり、猫のおしっこのような香りと例えられることも。
一般的には、グレープフルーツのような柑橘系のさわやかな香りが特徴で、ボルドーでは、セミヨンとブレンドされることが多いです。
◆セミヨン
中甘口と甘口ワインに欠かせない代表品種。
偉大な甘口ワインとされる「貴腐ワイン」を生み出す品種としても有名ですが、ボルドーでは辛口ワインのブレンドとして用いられるほどの豊かな香りです。
ベルガモットやアプリコットの香りが特徴で、甘口になるほどハチミツやプラリネのような濃厚な香りがしてきます。
おすすめフランスワイン
ジュヴレ・シャンベルタン ドメーヌ・マニュエル・オリヴィエ
ブルゴーニュの中でも新世代ドメーヌとして注目をドメーヌ・マニュエル・オリヴィエ。
優れた醸造コンサルタントとして彼のアドバイスを受けようと、多くの生産者が彼に助けを求め、畑仕事と醸造という過密スケジュールの合間を縫って、クライアントに最適なアドバイスをしており、クライアントには、なんとあのドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティもおり、ワインの熟成に関して彼のコンサルタントを受けています。
ジュヴレ・シャンベルタン村は、コート・ド・ニュイ最大の産地であり、最も多く特級畑を有する村です。
ナポレオンが愛したという逸話であまりに有名な 「シャンベルタン」を筆頭とするこの村のワインは、威風堂々とした作りで、エレガントなワインを生むブルゴーニュにあって、最も 男性的で力強く、骨格の整った長熟ワインを生むといわれています。
しかし、最も広い面積を誇るだけあり、そのワインは玉石混合。
同じ名前のワインであっても、「誰が造ったのか」が最も問われる産地です。
マニュエル・オリヴィエのジュヴレ・シャンベルタンは、樹齢30年以上の樹から 採れる果実のみを使用します。
力強い味わいを表現するため、仕込む際は徐梗せず、全房発酵を行い、果実も房もフレンチオーク樽で長い醸しをかけた後、そのままアルコール発酵させますが、その期間は実に18か月に及びます。
この過程で、ワインのタンニンを安定させ、仕上がったワインは力強く、15年以上熟成するポテンシャルを持ち、少なくとも5年以上は寝かせてから飲むのがお勧めです。
カシスのようなベリーの香り 寝かせるとニカワや獣のような熟成香も。
力強い味わいでブルゴーニュでもファンが多いワイン。
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