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カラブリアワインと聞いてピンとくる方は、相当なイタリアンワイン通ですね。
イタリアワイン好きでも、なかなか飲んだことがないカラブリアワイン。
実際、イタリア国内でもマイナーなイメージでそれほど浸透していないのが事実。
でも、近年カラブリアのワインの品質が向上しており、徐々に注目を集めています。
そこで、本日はカラブリアのワインについてお話します。
カラブリアについて
カラブリア州は、イタリア半島をブーツに例えると爪先の部分にあたるイタリア半島の最南端に位置する州で、西はティレニア海、東はイオニア海に面し、北にバジリカータ州と隣接しており、西南にメッシーナ海峡を隔ててシチリア島と向かいあっています。
州の半分が丘陵地帯で、残りの大部分が山岳地帯になっており、平地は全体のわずか10%に満たない限られた海岸沿いにしかありません。
しかし、海沿いの地域は地中海性気候で年間の平均気温も10℃と温暖な地域で、この温暖な気候をいかし、昔から穀物、柑橘類、とくにオリーブが盛んに栽培されてきました。
カラブリアのワイン造りの歴史
カラブリアのワイン造りも、他のイタリアのワイン産地同様古い歴史があり、古代ギリシャ人によってブドウ栽培が始まり、イオニア海岸沿いで造られていたワインは非常に品質が良く、古代ギリシャ人はイタリアのことを「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と呼び、カラブリアのワインを称賛しました。
この時、ギリシャ人によってカラブリアへ持ち込まれた品種ガリオッポは、イオニア海に近い丘陵地帯がおもな産地で、そこで栽培されるガリオッポから造られる赤ワインは、古くから非常に有名で、当時クレミッサと呼ばれる都市で造られていた「クレミサ」というワインは、オリンピックの勝者へ与えられるワインとして重宝されており、このクレミサが、今日のカラブリアワインの代表的なワインであるチロの元祖と言われています。
カラブリアはその後も、ローマ人、ノルマン人、スペイン人、フランス人などから支配を受け、現在、カラブリア州はコゼンツァ県、カタンザーロ県、レッジョ・カラブリア県、クロトーネ県、ヴィボ・ヴァレンツィア県の5県からなり、それぞれの県で異なった文化や風習が残っています。
注目を集めだすカラブリアワイン
カラブリアには、12のDOCに認定された産地があり、中でも有名なのが、DOCチロ(DOC CIRO)です。
DOCチロは、東部の丘陵地帯のラ・シーラ地域とイオニア海岸にまで及び、クロトーネ県のチロとチロマリーナのコムーネが中心的な産地で、この地域は、乾燥していて風が強いことから、カビなどの病害も少なくブドウの栽培に非常に適しており、昼夜の温度差が激しいため、凝縮した果実味の糖度の高いブドウになります。
ここで造られるガリオッポ主体のチロ・ロッソは、チェリーなどの赤系果実のジューシーなアロマと果実味がありビロードのような滑らかなタンニンと、コクのあるしっかりとしたボディのワインです。
また、DOCグレーコ・ディ・ビアンコという甘口白ワインは、カラブリアを代表する数少ない白ワインで、深い琥珀色をしており、
柑橘とハーブのアロマが特徴的な甘口の白ワインです。
収穫されたグレーコ・ディ・ビアンコを吊して干したり、太陽の熱で暖められた石の上などに乗せたりして、乾燥して水分を抜き糖度を高めます。
糖度を高めたブドウを発酵させて造るため、生産量はごくわずかで、ほとんどが市場には出回らず地元で消費されている希少性の高いワインです。
熟成させるとアーモンドやオレンジの花のようなフローラルなアロマが感じられ、とてもエレガントで優美な味わいの甘口ワインになります。
こうしたカラブリアのワインは、イタリア国内でもまだまだマイナーなイメージで、代表的なワインも、DOCチロとDOCグレーコ・ディ・ビアンコくらいしか浮かばない人の方が多いですが、近年カラブリアのワインの品質がみるみる向上しており、2011年に新しくDOC指定されたカラブリアの産地であるテッレ・ディ・コセンツァのサブリージョンであるヴェルビカーロでは高品質な白ワインが造られており、これから、カラブリアのワインの評価を高めていくポテンシャルを秘めています。
また、イタリアの固有品種にとどまらず、シャルドネやカベルネソーヴィニヨンといった国際品種から造られるワインも今後、本格的なカラブリアスタイルとは一線を画しながら、新しいスタイルのカラブリアワインとして市場に出てくると予想されます。











