この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティなどの世界的にも有名なドメーヌから、わずか一代で名声を築いた家族経営のドメーヌまで、さまざまな造り手と、特異なテロワールから生み出されるブルゴーニュらしいワインが楽しめるエシェゾー。
本日はエシェゾーのワインについてお話します。
評価が高く高級な理由は産地によるもの
ワイン名となっているエシェゾーとは、フランス・ブルゴーニュ地方のフラジェ・エシェゾー村にある畑の名前のことで、フラジェ・エシェゾー村は、ヴォーヌ・ロマネ村に隣接し、最上級のブドウを造る特級畑(グラン・クリュ)に格付けされ、グラン・エシェゾーとエシェゾーの2つの特級畑と3つの一級畑があります。
ブルゴーニュでは、ボルドーのように生産者(シャトー)ごとに格付けがされるのではなく、クリマと呼ばれる畑に格付けがされており、家族経営で小規模の生産者が多いため、ドメーヌと呼ばれる生産者が複数で分割して畑(クリマ)を所有しています。
エシェゾーは、13世紀にシトー派修道院が入植したことからワイン造りが始まり、本来のエシェゾーは、面積が3.55haの小区画のエシェゾー・デュ・ドシュだけでしたが、1937年のAOCを制定する際に、周辺の10の小区画もふくめ格付けされたため、現在の11の小区画が特級畑となりました。
エシェゾーは、標高約250~300mの丘の上から谷間にかけての斜面に位置しており、その中に11の小区画があるため、標高、傾斜、土壌などさまざまで、さらに、84のドメーヌがそれぞれの栽培や醸造方法でワイン造りを行っているため、一口にエシェゾーのワインと言っても味わいは千差万別。
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティなどの世界的にも有名なドメーヌもあれば、わずか一代で名声を築いた若い家族経営のドメーヌもあるなど、造り手、テロワールにより味わいが異なるブルゴーニュらしいワインが楽しめます。
エシェゾーの味わいや特徴
エシェゾーで造られるブドウ品種は、ブルゴーニュ原産のピノ・ノワールのみ。
とてもデリケートな品種のため、栽培が難しいとされていますが、その分、テロワールや造り手の影響を受けやすくワインの味わいに個性がでやすい品種でもあり、このエシェゾーの地質は、ジュラ紀(1億7500年前)に属し、グラン・エシェゾーは、傾斜3~4%の丘の上部にあり、石灰岩盤に粘土石灰質の表土がのった土壌です。
エシェゾーは、中腹で13%とかなり傾斜があり、上部では表土が70~80cm深く、小石、泥土、黄色の泥灰土など含む表土で日当たり、水はけともよく品質の良いぶどうが採れますが、下部は水はけがあまりよくありません。
そこに84のドメーヌがワイン造りをおこなっているため、ワインの味わいはさまざまですが、
一般的に、色調は透明感のあるきれいなルビー色をしており、香りはプルーン、動物、スパイスなどのアロマがあり、若いヴィンテージのときは、バラ、スミレ、フレッシュなチェリーで、熟成するにつれて、なめし革、麝香、毛皮、茸の香りを伴います。
味わいは、ソフトなタンニンによる心地よいバランスとまろやかさが特徴で、凝縮したテクスチャーを感じられるようになるのは4~5年くらいです。
一度は飲んでみたいワイン グラン・エシェゾー
エシェゾーの最初の小区画であるエシェゾー・デュ・ドシュの下に位置する9.14ヘクタールのクリマがグラン・エシェゾーです。
エシェゾーと違い畑は単一区画のため、水はけの良い粘土層が乗った酸化鉄を多く含む土壌が均一になっており、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社をはじめとする、12のドメーヌがグラン・エシェゾーを所有しています。
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
ドメーヌ・デュージェニー
ドメーヌ・モンジャール・ミュニュレ
ジャン・ピエール・ミュニュレ
ドメーヌ・テナール
ドメーヌ・アンリ・ド・ヴィラモン
ジョゼフ・ドルーアン
ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール
ドメーヌ・フランソワ・ラマルシュ
ドメーヌ・デュ・クロ・フランタン
ドメーヌ・ジャン・マルク・ミヨ
ドメーヌ・ロベール・シュルグ
■代表的なドメーヌ
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
ワイン愛好家に限らず、ワインをふだん飲まない人でもロマネ・コンティの名は、一度は耳にしたことがあるはず。
ドメーヌの現当主であるオベール・ド・ヴィレーヌの家系は、1869年にロマネ・コンティの所有権を得て以来、リシュブール、グラン・エシェゾー、エシェゾーの一部を所有し、ブルゴーニュ最高峰の醸造家として世界に名を広めました。
グラン・クリュの畑エシェゾーには、2.49ヘクタールの畑を持ち、樹齢20年から60年のピノ・ノワールを栽培しています。
造られるワインは、エレガントと深みを感じさせるブルゴーニュワインの中では珍しくフレッシュな若々しさが持ち味で、ドライベリー、スミレ、ジャスミンなどの香りが凝縮され、濃厚な果実味に、豊富な土の香りがひきしまった味わいを出しています。
熟成を待たずに楽しむことができるワインで、しばしば「グラン・エシェゾ-の弟分」と表現され、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのワインの中では最も早熟なワインです。

ドメーヌ・デュージェニー
ボルドー五大シャトーの1つシャトー・ラトゥールのオーナーであるフランソワ・ピノー氏が、グラン・エシェゾーの畑に2006年からスタートさせたドメーヌです。
デュージェニーが所有するグラン・エシェゾーの畑は、特級畑エシェゾーとは隣り合わせの場所に位置しており、わずか0.5ヘクタールの区画ですが、粘土質石灰土壌で平均樹齢は25年、一部に樹齢60年の古樹が植えられています。
もともとはブルゴーニュの名門ドメーヌであるルネ・アンジェルの畑でしたが、オーナーが急逝したことで畑が売りにだされ、ボルドーの名門シャトーが約19億円もの巨額で手に入れたこともあり、当初、地元の生産者からは厳しい批判もありましたが、ブルゴーニュのテロワールに関する知識と経験が豊かな現地スタッフを雇い、フレデリック・アンジェラ氏を支配人にすることで高品質なワイン造りに徹底し、急成長を遂げました。
ブラックベリーやダークチェリーの黒系果実と、ナツメグやシナモン、バラの華やかなアロマがあり、凝縮感のある果実味に、滑らかなタンニンがと酸がエレガントに調和し、華やかなで女性的な1本です。











