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イタリアワインの最高峰格付けD.O.C.G.に認定され、
「王のワインにして、ワインの王」として君臨するバローロ。
そして、「イタリアワインの女王」と称されるバルバレスコ。
イタリアワインの中では
あまりにも有名な2つのワイン。
両者とも、ピエモンテ州でネッビオーロ(Nebbiolo) という
ブドウ品種を使用しているのに、
異なる味わいを持ち、長期熟成に耐えうるワインで
世界中のファンを魅了し続けています。
世界の人々を魅了するピエモンテ州のワインの王と女王
ネッビオーロは、環境に非常に左右されやすい品種で、
熟すまでに時間もかかりますが、
その分テロワールの表現を得意とし、
晩熟型なので糖度が高いためアルコール分も高くなります。
ワインとしての色調は非常に明るいですが、
味わいは打って変わってアルコールが高く、
酸味や渋みが非常に強いのが特徴的。
これは、ワインを長期熟成するための必須要素になり
人々を魅了する非常に優れたワインが生まれます。
ワイン名である「バローロ」、「バルバレスコ」というのは、
ピエモンテ州の中の地域の名前なんです。
本物の王にも愛された正真正銘のワインの王「バローロ」
バローロは「イタリアワインの王」と称され、
19世紀にサルディーニャ王国の
カルロ・アルベルト国王に気に入られ、
称号を与えられたことが由来とされています。
38ヶ月以上の熟成期間が義務付けられ、
アルコール度数は13%以上と定められています。
伝統的なスタイルのバローロは、
強靭なタンニンと男性的な力強い印象。
1980年代にはバローロ・ボーイズという
モダン派の生産者も登場し、
現在では、様々な味わいのスタイルが確立しています。
■おすすめのバローロ
バローロ モスコーネ 2013年
イタリア ピエモンテ 赤ワイン フルボディ 750ml
繊細で女性的なエレガントさから「ワインの女王」と称される「バルバレスコ」
対するバルバレスコは、
バルバリ(異民族)からと言われており、
バルバレスコ初の生産者組合
(後のプロドゥットーリ・デル・バルバレスコ)を創設した
ドミツィオ・カヴァッツァがその名を
ワインに冠したのが始まりとされています。
しっかりとしたタンニンはありながらも、
伝統的なスタイルのバローロに比べると滑らか。
ネッビオーロの繊細さや女性的なエレガントさから、
「イタリアワインの女王」と称されます。
バローロよりも比較的早く飲み頃を迎えるため、
最低熟成期間は26ヶ月、
アルコール度数12.5%以上と定められています。
■おすすめのバルバレスコ
バルバレスコ カゼッタ 2006年
イタリア ピエモンテ 赤ワイン フルボディ 750ml
世界中のファンが買い求める本数限定のバローロとバルバレスコ
ちなみに、両地域共に、
いくつかの村に分かれており、
その中でも最高の条件の畑が存在します。
「バローロ・○○○○」
「バルバレスコ・○○○○」というように、
そのワインの名前の後に
さらに村名や畑名がついているものが、
厳格な決まりによって定められた高級ワインとなり、
土地が限られているため、
もちろん生産本数も限られてしまいます。
そのため、世界中のファンがこぞって
買い求めるワインになるのです。
■おすすめのクリュのバローロ
バローロ・チェルヴィアーノ・メルリ カゼッタ 2011年
イタリア ピエモンテ 赤ワイン フルボディ 750ml
特にネッビオーロは、
テロワールの影響を受けやすい品種なので、
バローロやバルバレスコの畑違いの飲み比べも、
とても盛り上がることでしょう。
土壌や気候はもちろん、醸造・栽培の面でも
非常に優れたワインばかりです。
是非、古代ギリシャ人が
「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と
称えたイタリアワインの世界に
酔いしれてみてください。