ピノ・ノワールのエレガントさとサンソーのたくましさを併せ持つピノタージュとは

ピノ・ノワールのエレガントさとサンソーのたくましさを併せ持つピノタージュとは
→数年ぶりにリアルイベント開催!お得な前売券販売中

ピノ・ノワールのエレガントさとサンソーのたくましさを併せ持つピノタージュとは

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

13ピノ・ノワールとサンソーを交配させて造られたブドウ品種ピノタージュ。

造り手によってさまざまな味わいを出す品種で、
樽熟成のものは、骨格のしっかりとしたボルドー地方のワインのようになり、
ピノ・ノワールの特性も受け継ぐため軽やかでエレガントなブルゴーニュワインのような
風味も生み出す面白い品種。
そこで本日は、ピノタージュについてお話します。

ピノタージュの特徴と造られるワインの特徴

ピノタージュは南アフリカで、4番目の規模の栽培量を誇るブドウ品種で、
1925年に南アフリカのステレンボッシュ大学で教授をしていた
アブラハム・アイザック・ペロード教授によって
ピノ・ノワールとサンソー(エルミタージュ)を交配させて造られました。
教授が大学の農場内にある自宅の庭にピノ・ノワールとサンソーを交配させて
植えたのがピノタージュの始まりで、教授が別の仕事のため大学を辞めた後、
庭の整理していたチャーリー・ニーハウス氏がペロード教授が造った樹を見つけ、
その樹をエルセンバーグ農業大学に移動させ、その後CJセロン氏によって管理されました。
1935年、セロン氏がペロード教授に苗木を見せ、ピノタージュと名付けられました。
ピノタージュから造られた最初のワインは、
エルセンバーグ農業大学の講師が中心となり実験的に造られました。
1959年にケープワインショーが行われた際に、
ベルビューからピノタージュを使ったワインが出品され、
優勝したことで一気にピノタージュが認知されるようになりました。
1961年にランゼラックから最初のピノタージュワインが商品としてリリースされ、
瞬く間にピノタージュの栽培が広まっていきました。

しかしながら、ピノタージュの栽培は順調とはいえるものではなく、
醸造中に出る除光液のような不快な香りが原因で、
せっかく植えた樹を畑から抜き去る生産者が増え、
新たに苗木が植えられることはなくなりました。
そんな中、再度ピノタージュが脚光を浴びるきっかけとなったのが
1987年にダイナースクラブが主催したワインの選定会で、
マスコミがピノタージュを取り上げたことで一気に話題になりました。

その後、シラーズやカベルネソーヴィニヨンなどの国際品種を栽培する生産者が増え、
ピノタージュは南アフリカの代表品種ではなくなりましたが、
カノンコップ、ランゼラック、デヴォールといったピノタージュを主力とする
生産者がピノタージュを守り続け、大きな成功を収めました。
現在は、多くの国際的なワインコンクールで賞を受賞し、
世界的にもポピュラーな品種となりました。

ピノタージュは造り手によってさまざまな味わいを出す品種で、
樽熟成のものは、骨格のしっかりとしたボルドー地方のワインのようなフルボディになり、
ピノ・ノワールの特性も受け継ぐため軽やかでエレガントなブルゴーニュワインのような
風味にもなります。
ピノタージュから造られるワインは、イチゴ、ブルーベリー、
プラムやプルーンのようなフルーティーなアロマになめし革、タバコの葉のニュアンス。
また大地を感じる土っぽさやスモーキーさが加わり複雑で奥行きのある印象を与えます。
豊かなタンニンとフレッシュな酸が感じられ、ボリュームのある力強い味わいが特徴です。

おもな産地と特徴

ピノタージュのおもな産地は南アフリカです。
1918年に設立されたブドウ栽培農家によって造られた協同組合KWVが、
ステレンボッシュ大学とともに、ピノタージュの生みの親であるペロード教授と
協力しピノタージュを生産してきました。
KWVは現在約4500件もの農家が株主がいる南アフリカ有数の大企業となり、
南アフリカのワインやブランデーの最大の輸出者としてイギリス、
オランダ、ドイツ、ベルギー、カナダ、アメリカ、日本などを含めた
35カ国に南アフリカワインを輸出しています。
南アフリカで造られるピノタージュは、イチゴなどの赤い果実と
ブルーベリーやプラム、プルーンといった黒い果実の両方のアロマを兼ね備えており、
フルーティーで力強く複雑性のある味わいが楽しめるワインが多いです。
中には、量産タイプのピノタージュには、揮発酸が発生してしまっていることがあり、
タールやマニキュアの徐光液のような刺激の強いにおいがすることがあります。

ピノタージュから造られるおすすめワイン

KWV クラシック・コレクション ピノタージュ
ピノ・ノワールの優雅で溢れんばかりの果実味、
サンソーのたくましさという特徴を兼ね備えています。
深く濃いルビー色、果実の香り豊かで、
樽熟成によって複雑な風味が生まれ、コクのある味わいとなっています。

KWV クラシック・コレクション ピノタージュ

おすすめワインに合う料理

フルーティーで豊かなタンニンとフレッシュな酸が感じられ、
ボリュームのある力強い味わいのピノタージュには、
こってりとした味付けの肉料理が相性抜群です。
また、スパイシーな風味も持つため、タンドリーチキンやチョリソーなど、
スパイシーな肉料理ともよく合います。

ピノタージュにあうタンドリーチキン

ワインコラムカテゴリの最新記事

特集一覧