この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
日本の夏の高い湿度や冬の寒さにも耐えられる強さを持ちながら、
高貴品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンの上品で芳醇な香りと、
しっかりとした骨格のあるタンニンを持つブドウの品種ヤマ・ソーヴィニヨン。
本日は、日本固有品種であるヤマ・ソーヴィニヨンについてお話します。
ヤマ・ソーヴィニヨンの特徴と造られるワインの特徴
ヤマ・ソーヴィニヨンは、1990年に山梨大学の山川祥秀教授が、
日本固有品種のヤマブドウとヨーロッパ系品種のカベルネ・ソーヴィニヨンを
人工交配して造った赤ワイン用ブドウ品種です。
世界でさまざまな高級ワインを生み出す黒ブドウ品種の王様とも言える
カベルネ・ソーヴィニヨンと、日本の風土気候に適した強い固有品種の
ヤマブドウを交配させることにより、
うどんこ病やカビ病などのブドウに大敵な病気に強く、
また、夏の高い湿度や冬の寒さにも耐えられる強さを持ちながら、
高貴品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンの上品で芳醇な香りと、
しっかりとした骨格のあるタンニンを持つブドウの品種になりました。
ヤマ・ソーヴィニヨンから造られるワインは、
深い紫がかったルビー色で、カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴でもある
ブルーベリージャムやプラムなどの黒系果実のニュアンスに
ヤマブドウのスパイシーともいえる野趣あふれる強い香りと味が特徴です。
口当たりは力強く、フレッシュな果実味と程よいタンニンがあり、
樽で熟成させることでより深みが増して、エレガントで長い余韻を楽しめる
ワインになります。
おもな産地と特徴
ヤマ・ソーヴィニヨンを使用したワインは、おもに山梨県や長野県で造られています。
■山梨県
山梨県は、日本の中でもブドウ生育期日照時間が長く比較的降雨量が少ないなど、
ブドウ栽培に適した気候と水はけのよいテロワールがあり、
日本一のブドウの生産量を誇り、ワイナリーの数も日本一多い県。
中でもサントリーの登美の丘ワイナリーや、グレイスワイン、
丸藤葡萄酒、シャトーメルシャンなどが有名です。
■長野県
ワイン用ブドウ生産量については、実は山梨を上回り日本一を誇るのが長野県です。
山梨よりも冷涼な地域も多くヨーロッパ系品種が多く栽培されています。
ヤマ・ソーヴィニヨンから造られるおすすめワイン
三養醸造 ふつうヤマソービニオン
「猫 甲州 2015」がジャパンワインチャレンジ2016で銀賞を受賞した
実力派ワイナリー。
山梨県の南アルプス市の契約農家さんのブドウを使用。
カシスやダークチェリー、野イチゴなどの果実の香りに、
口に含むと山ぶどう由来の酸とフレッシュな果実味が広がります。
おすすめワインに合う料理
ブルーベリージャムやプラムなどの黒系果実のニュアンスに
ヤマブドウのスパイシーともいえる野趣あふれる強い香りのヤマ・ソーヴィニヨンには、
コショウがきいたソースのかかったステーキや、タンドリーチキンなど、
少しスパイシーな味付けの肉料理に合います。
また、ヤマブドウの野趣あふれる香りと味があるので、
ジビエなどのクセのある料理も合います。