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「フランチャコルタ」というスパークリングワインをご存知ですか?
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、
フランスのシャンパン、スペインのカヴァと並ぶ
イタリアの高級スパークリングワインなんです。
本日は、イタリアの奇跡とよばれるフランチャコルタについてお話します。
フランチャコルタとは
フランチャコルタは、北イタリア・ロンバルディア州にある
フランチャコルタ地域で造られるスパークリングワインです。
フランスのシャンパンやスペインのカヴァと同じく瓶内二次発酵方式で造られており、
瓶内二次発酵方式のみで造られるイタリア・ワインとして、
初めてDOCG認定を受けたワインです。
現在約120軒のワイナリーがフランチャコルタを生産しています。
フランチャコルタの法定熟成期間は最低18ヶ月は二次発酵後の瓶内で熟成する必要があり、
ロゼ、サテンは24ヶ月、収穫年入りのミッレジマートは30ヶ月、
リゼルヴァになると60ヶ月とフランスのシャンパンを上回る厳しい規定が科せられています。
フランチャコルタはシャンパン同様特別な名称
フランチャコルタはシャンパン同様、使用するブドウ品種、地域、製造工程が厳密に決められており、
その基準に達したものでなければフランチャコルタの名称は使えません。
使用されるブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ノワール(ピノ・ネロ)、
エルバマット(ブレーシャ県の白ブドウの固有品種)のみ。
収穫は8月中旬から9月初旬ごろにかけて行われ、すべて手摘みで収穫されます。
圧搾は空気圧を利用した機械でゆっくりと圧搾され、
フランチャコルタに使用する果汁は、1番搾りの物に限られます。
収穫された畑ごと、ブドウ品種ごとに分けて、
ステンレスタンクで約7ヶ月~8ヶ月第1次発酵を行い、
瓶詰め後、瓶内で最低18ヶ月二次発酵を行います。
フランチャコルタの味わいや特徴
フランチャコルタが造られるフランチャコルタ地域は、
フランス・シャンパーニュ地方よりも緯度が南に位置するため、
温暖な気候に育まれた完熟度が高いブドウから造られる香り高さや豊潤さが魅力です。
また、シャンパンに比べ補糖の為のリキュール添加が少なく、
補糖せずに造られるノン・ドサージュのワインも多いため、
重たさが残らず軽やかで飲み飽きない味わいが多いのも特徴です。
先ほども少し触れましたが、フランチャコルタには種類があり、
それぞれによって熟成期間など細かい規定があります。
■フランチャコルタ
ワイナリーの顔とも言える、ワイナリーの個性が最も楽しめるワインです。
シャルドネまたはピノ・ネロを最大50%を上限に、
ピノ・ビアンコの使用も認められており、
瓶内ニ次発酵と酵母の澱を入れたままの熟成期間は最低18ヶ月、
収穫期から数えて、醸造と熟成期間は最低25ヶ月に及びます。
ボトルの内圧5~6気圧と規定されています。
■フランチャコルタ・サテン
サテンとは世界で唯一フランチャコルタのみが許されたカテゴリで、
シャルドネ、ピノビアンコの白ブドウのみで造られるブラン・ド・ブランです。
シャルドネ100%で造るワイナリーが多く、やさしい味わいがほとんどです。
最低ガス圧を通常の5気圧より低く規定することで、
細やかで持続性のある泡立ちでクリーミーで滑らかな味わいになっています。
■フランチャコルタ・ロゼ
ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)を最低35%ブレンド。
シャルドネ(最大65%)、ピノ・ビアンコ(最大50%)エルバマット(最大10%)。
シャンパーニュでは、ロゼを造る際に、赤ワインを混ぜる製法が認められていますが、
フランチャコルタでは、赤ワインを混ぜる製法は認められておらず、
ピノ・ネロの果皮をブドウ果汁と数時間一緒に漬け込むマセラシオン方式で、
ピノ・ネロの要素をしっかりと抽出し、ブドウ本来の自然な色合いとボディを楽しめます。
■フランチャコルタ・ミレッジマート
ミッレジマートは特に品質の良いヴィンテージに収穫されたブドウのみで造られ、
瓶内ニ次発酵から最低30ヶ月、澱引きから最低6ヶ月という長期間の熟成を経て生まれ、
その年の天候や作柄の品質を鮮やかに映し出すため、ヴィンテージの個性を愉しめます。
■フランチャコルタ・リゼルヴァ
ミレッジマートの中でも極上の品質のもので、
酵母の澱を入れたまま何年間も熟成させて造ります。
最低熟成期間を5年と定めている特別かつ稀少なワインです。