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ワインにこだわりのあるレストランなどで、
ソムリエの方がワインをバスケットに入れて
サーブしてくれる光景をみたことはありますか?
このワインが入っているバスケットのことをパニエと言います。
とくに古いヴィンテージのワインをサーブする時に用いられます。
そこで、本日はワインのパニエについてお話します。
パニエはどんなワインに使用するのか?
パニエは、ワインを約30度に傾けて寝かせながら抜栓し、
サーブすることができるバスケットのことで、
別名ワインバスケットともいいます。
パニエを使用するワインは、 熟成された古いヴィンテージのワインや、
一部の自然派ワインなどの澱が多いワインに使います。
とくに古いヴィンテージのワインの場合、
寝かせて保存している状態から突然ボトルを立ててしまうと、
たちまち澱が舞い上がってしまい、澱ボトルの底に落ち着くまでに長いものだと、
数週間かかることがあります。
そのため、保管していたワインをパニエに入れて斜めに傾けることで、
静かにボトルの底に澱がたまっていき、その角度を維持しながら注ぐことができます。
パニエの使い方
それでは、具体的にどのようにパニエを使うか説明していきます。
まず、ワインを入れたパニエは机の真ん中に置かずに、
ボトルの首がテーブルから少し出るように配置しましょう。
・キャップシールをはずす
古いヴィンテージのワインであれば、キャップシールはすべて外します。
キャップシールを取り外すことで、コルクの状態が見えるため、
抜栓の際に使用するオープナーなどを検討できます。
また、キャップシールの内側にカビが多く付着していることがありますので、
その場合は、クロスなどでしっかりと拭いておきます。
この時、ボトルを回転させないように注意しましょう。
・スクリューを刺す
古いヴィンテージのワインの場合、コルクがもろく崩れやすいものが多いので、
スクリューをコルクに対して平行に入れるように突き刺します。
通常のスクリューは8巻き分あるので、シングルアクションであれば、
6回コルクにスクリューをねじ込んでください。
スクリューを回すときは、一緒にボトルが回らないようにボトルを固定しておき、
コルクをボトル内に落とさない為にも、なるべく力をかけないように、
スクリューの回転に任せて、静かに入れていきます。
・フックを引っかけて引き上げる
コルクを上げやすくするため、フックは一番遠い場所に引っ掛けるようにしましょう。
コルクを1センチほど引き上げたら、残りの2巻き分を入れてもう一度、
身体から遠いところにフックを引っかけて、ゆっくりとコルクを引き上げます。
古いヴィンテージのワインは、コルクが乾燥しているとぽろぽろと細かく
崩れてしまうこともあるので、引き抜くときはより慎重にゆっくり引き抜きます。
・グラスに注ぐ
抜栓できたら、パニエに入ったボトルをできる限り動かさずに注ぐ必要があります。
机の縁に置いたパニエは移動せず、その場でグラスに注ぎましょう。
この時、パニエを持って行って各自のグラスに注いでは何の意味もなくなってしまいます。
ボトルの首がテーブルの外側にでている状態なので、グラスをボトルの下に持っていき、
ボトルとパニエをしっかり固定するように持ち、パニエの底の前面を机に付けたまま、
後部を持ち上げて下に持つワイングラスに静かに注いでいきます。
注ぎ終わったら、静かにパニエの後部を下ろし、次のグラスに注ぎます。
全てのグラスに注いだら、グラスを各自の席へ持って行きます。