普通のワインとどう違う?酒精強化ワインについてご紹介

普通のワインとどう違う?酒精強化ワインについてご紹介
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普通のワインとどう違う?酒精強化ワインについてご紹介

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酒精強化ワインとは

酒精強化ワインとは

酒精強化ワインとは、別名フォーティファイドワインとも呼ばれ、
フォーティファイドfortified(=fortify)には「アルコールを加えて強くする」という意味があり、
通常のワインよりもアルコール度数を高めた、
保存性のあるワインのことをいいます。
通常のワインのアルコール度数が12~15%くらいに対して、
酒精強化ワインのアルコール度数は、18%前後と高めです。

酒精強化ワインの造り方と味わい

酒精強化ワインは、途中までは通常のワイン造りと同様の工程をこない、
アルコール発酵の段階で、40度以上の高いアルコールを添加することで、
強制的に発酵を止めます。
アルコール発酵中に高い度数のアルコールが添加されることで
糖分がアルコールに変換されるのが中断されるため、
ブドウ果汁の甘みをそのまま残しながら、アルコール度数が高いワインになります。
酒精強化ワインはこのような工程を経て造られるため、
もともと甘口のものが主流でしたが、
最近は、アルコール発酵を長くすることで、ワインの中の糖分を減らしてから、
高い度数のアルコールを添加する、辛口タイプのものも増えています。
甘口の酒精強化ワインは、食後酒や食前酒として楽しむのが一般的ですが、
辛口の酒精強化ワインは、食中でも楽しめます。

三大酒精強化ワインについて

ポルトガルのポートワイン、マデイラワイン、スペインのシェリー
世界三大酒精強化ワインと言われています。
それぞれの特徴をご紹介していきましょう。

ポートワイン

ポートワインとは、ポルトガル北部のドウロ地方で造られる
ブランデーを添加した酒精強化ワインの一種です。
「ポルトガルの宝石」とも称され、ポルトガルを代表するワインです。
大きく分けて黒ブドウから造られる「レッド・ポート」と
白ブドウから造られる「ホワイト・ポート」の2つがあります。
主となって生産されているのは、レッド・ポートで、
こちらも「ルビータイプ」と「トゥニータイプ」に区別できます。
ルビータイプは、通常のワインと同じように短期間の樽熟成をして出荷されます。
平均3年間の樽熟成後に瓶詰めされる若いタイプのポートワインです。
ラベルには、「Ruby(ルビー)」「L.B.V.(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)」
「Vintage(ヴィンテージ)」という表記があります。
比較的リーズナブルでフレッシュな果実味が味わえるものから、
100年以上の熟成が可能と言われている高級なヴィンテージポートまでさまざまです。
トゥニータイプは、「Tawny(トゥニー) 10年」のように熟成年数が表記されたものと、
したものと、単一年に収穫されたブドウだけを使い収穫後7年以上、
樽で熟成をしてから瓶詰めされ「Colheita(コルヘイタ)」があります。
ホワイトポートは、低温発酵で通常のポートよりも発酵を長くしてからブランデーを添加します。
ホワイトポートだけは、最低アルコール度数が16.5度まで認められています。

マデイラワイン

アフリカ北西岸沖のポルトガル領のマデイラ島で造られている酒精強化ワイン。
マデイラワインに使われているブドウ品種は大きく分けて5種類あり、
甘口から辛口まで幅広い味わいのマデイラワインを造るティンタ・ネグラ・モーレ、
辛口のマデイラワインを造るセルシアルと、ヴェルデーリョ、
甘口のマデイラワインを造るボアルと、マルヴァジア、
希少性の高い高貴品種のテランテス。
マデイラワインの最大の特徴は、
発酵をとめブランデーが添加された後におこなう加熱処理です。
温水を使う人口加熱(エストファ)と、太陽による自然加熱(カンテイロ)があり、
人工加熱は50度以下で3ヶ月以上と決められており、その後樽で熟成し出荷されます。
加熱処理による酸化の独特な味わいがあります。

シェリー

シェリーは、スペイン・アンダルシア地方のヘレス周辺で造られる酒精強化ワインで、
白ブドウを原料とした白ワインの一種です。
ヘレス・ケレス・シェリーというのが正式名称として原産地呼称に認定されています。
シェリーを造る際に使われるブドウの品種は3種類のみで、
パロミノ種、ペドロ・ヒメネス種、モスカテル種という白ブドウです。
これらの品種はブレンドせずに、それぞれ単一品種でワインが造られます。
パロミノは、へレスでもっとも多く栽培されているブドウ品種で、
パロミノ・フィノとパロミノ・デ・ヘレスの2品種があります。
モスカテルは、日本ではマスカット・オブ・アレクサンドリアの名前で
親しまれている芳醇な香りの甘味のある品種。
主に甘口ワインを造る際に使用されます。
ペドロ・ヒメネスは、果皮が薄いため、天日干しにしてレーズン状にし、
糖度を極限まで高めて使用され、極甘口のシェリーを造ります。
一言でシェリーといっても味わいは、
土壌、ブドウ品種、アルコール度数、醸造方法などによって
辛口から甘口まで幅広い味わいがあるのがシェリーの特徴で、
辛口、天然甘口、辛口と天然甘口をブレンドした甘口ワインの
大きく3つのカテゴリーに分類されます。
辛口のタイプには、フィノ、マンサニーリャ、アモンティリャード、オロロソ
という基本の4種類があり、辛口でも驚くほど味わいが異なります。
天然甘口ワインは、先ほどブドウ品種で触れた「ペドロ・ヒメネス」と、
「モスカテル」から造られる甘口シェリーの2種類があります。
ブレンド甘口ワインは、オロロソをベースにして造るフルボディの「クリーム」と、
アモンティリャードをベースにして造る、繊細な香りの「ミディアム」、
フィノをベースにして造る「ペイルクリーム」の3種類に分けられます。

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