ほとんどが国内消費されるため国外にあまり出回らない希少価値の高いスイスワインとは

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ほとんどが国内消費されるため国外にあまり出回らない希少価値の高いスイスワインとは

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希少価値の高いスイスワインとは

スイスワインを飲んだことがありますか?と聞いても、
飲んだことがあるという方は少ないですよね。
日本ではまだなじみの薄いスイスワイン。
でも、スイスは希少性の高い高品質なワインを造り出すワイン産地であり、
国民の多くがワインを愛するワインラバーの国でもあるんです。
そこで、本日はスイスワインについてお話します。

スイスワインとは

スイスと聞くと、「アルプスの少女ハイジ」のイメージが浮かぶ方も多いですよね。
マッターホルンやアレッチ氷河、ユングフラウヨッホといったヨーロッパの雄大な自然が広がる絶景の国。
西側はフランスに大きく接し、北にイタリア、南にドイツ、東にオーストリアと、
周りをワイン大国がぐるりと囲んでいるような地理なので、
スイスが隠れたワイン国というのは、地理的にも納得がいきますよね。
スイスでワイン造りが始まったのは今からおよそ2000年前。
ローマ軍がスイスに侵入した際に、ブドウ栽培とワイン造りが広まりました。
ワイン造りは一時衰退しますが、812年にカール大帝が農業振興政策を推進したことにより、
ブドウ畑の面積が拡大し、ワイン造りが再び活発になっていきました。
17世紀に入ると、ローヌ川やライン川といった河川を利用したワイン交易が盛んになり、
20世紀にはスイスの主要品種となっているシャスラなどの品種がスイス全土へ広まり、
新品種の開発や古い品種の保護など自然環境にも配慮したワイン造りが進められました。

スイスの主なワイン産地

スイスのワイン産地は、フランス語圏のスイス・ロマンド、イタリア語圏のスイス・イタリエンヌ、
ドイツ語圏のスイス・アルマンドの3つに大きく分けられます。
中でもワイン造りが盛んなのがフランス語圏のスイス・ロマンドで、
ヴァレー州やヴォー州、ジュネーブ州といった産地が広がっています。

・ヴァレー州
スイスワインのおよそ半分の50%を生産しているスイスで最も生産量が多い産地がヴァレー州です。
ヴァレー州は、スイスの中でも特に乾燥した地域で、標高650〜800mの傾斜地に広がっており、
中には標高1000mを超えるブドウ畑もあり、
ヨーロッパの中でも標高の高い産地として知られています。
しっかりした土壌を好むブドウの生育に最適な条件が整っており、
スイスの代表的なブドウ品種である白ブドウのシャスラが、
ここではファンダンと呼ばれエレガントでミネラル感に溢れる白ワインが生み出されています。

・ヴォー州
スイスで第2のワイン産地であるヴォー州は、レマン湖の北岸に広大なブドウ畑が広がります。
シャスラが生産量の60%以上を占める白ワインの産地で、
年間の日照時間が1800時間と豊富な日照量があり、
太陽からの日照とレマン湖からの反射、日中太陽から土壌に蓄えられた輻射熱の
「3つの太陽」に育まれているといわれ、ローザンヌとモントルーの間にある、
ラヴォー地区のブドウ畑の景観は、統的なワイン造りとともに
2007年6月世界遺産に認定されました。

・ジュネーブ州
スイス第3のワイン産地が国際都市で知られるジュネーブです。
430〜600mの標高に位置し、ジュラ紀の石灰粘土質土壌が特徴で、
フランスと国境を接しているため、フランス由来の品種も多く、
ピノ・ノワールから造られる美しい色調のロゼワインや、
瓶内二次発酵のスパークリングワイン、ヴァン・ムスーや、
甘口のヴァン・ドゥーが造られています。

スイスで主に栽培されているブドウ品種

スイスの代表的なブドウ品種といえば、白ブドウのシャスラです。
シャスラはスイス全土で広く栽培されており、
世界で造られるシャスラの8割をスイスで生産されています。
ヴァレー州ではファンダンと呼ばれエレガントでミネラル感に溢れる白ワインが生み出されています。
シャスラは栽培されるテロワールの影響を大きく受けるため、
産地によってつよく個性がでる品種でもあります。
ヴァレー州のブドウ品種であるプティ・タルヴァンは、
アルヴァンとも呼ばれ、ライムやレモンのような爽やかな柑橘系のアロマのある
すっきりとした酸と、ほんのり塩味が感じられる軽快な白ワインを生み出します。
一方、黒ブドウ品種でもっとも多く栽培されているのはピノ・ノワールです。
スイス・アルマンドでは個性豊かな赤ワインが造られ、
スイス・ロマンドでは「ウイユ・ドゥ・ペルドリ」などのロゼワインが造られます。
ピノ・ノワールに次いで多く栽培される黒ブドウ品種はガメイで、
ガマレやガラノワールといった交配品種がスイスで生み出され、
スイス・ロマンドを中心に徐々に栽培が増えています。

スイスのワイン生産量

前述のとおり、スイスは西側にフランスのブルゴーニュ地方が大きく接し、
北はイタリアのピエモンテ州やロンバルディア州、南にドイツ、東にオーストリアと、
ワインの銘醸地にぐるりと囲まれた位置にあり、
ブドウ畑はアルプスの山々に守られるように標高375〜1100mの高地に広がり、
良質なブドウが生み出されています。
そんな素晴らしい条件から生み出されるワインはもちろん高品質なものばかり。
それなのに、スイスでワインの生産量が限られているのは、
こうした山岳の地形が大きく関係しています。
ブドウ畑は山の急斜面に広がっており、栽培する土地に限りがあります。
また、地形的にトラクターなどの機械を導入するのが難しいため、
栽培から収穫まですべて手作業でおこなうので大変な労力が必要になります。
さらにスイスはワインの高い品質を保つため、
国や地方の管理のもとにブドウの生産量も制限されているため、
ワイン自体の生産量も多くは造れないという実情があります。
そして、なによりスイスの人はとてもワイン好きで、
希少価値の高いスイスワインは、そのほとんどが輸出されることなく、
地元で消費されるのです。

スイスワインの特徴

スイスワインは全体的にフルーティーな果実味が感じられるフレッシュなタイプが多いのが特徴です。
柔らかな口当たりで余韻は長く、ミネラル感も豊富で、酸味のバランスもとれたワインが多いので、
食中酒としてさまざまな料理と合わせて楽しむことができます。
特に白ワインは、溶かしたチーズを肉や野菜にたっぷりと乗せて食べるラクレットや、
スイスの伝統料理であるチーズフォンデュと相性が抜群です。

スイスワインに合う料理

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