造られるワインのスタイルは、ジュヴレ・シャンベルタンに似ているフィサンのワイン

造られるワインのスタイルは、ジュヴレ・シャンベルタンに似ているフィサンのワイン

造られるワインのスタイルは、ジュヴレ・シャンベルタンに似ているフィサンのワイン

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フィサンについて

マルサネがAOCに昇格するまでは、フィサンはコート・ドール最北端のアペラシオンでした。
南にジュヴレ・シャンベルタンと隣接しているため、香り高く複雑味のある
タンニンが豊富なジュヴレ・シャンベルタンのスタイルに似たワインが造られています。
そこで、本日はフィサンのワインについてお話します。

フィサンについて

フィサンはブルゴーニュのコート・ド・ニュイの北端にある村で、
隣のマルサネを除けば、コート・ド・ニュイで最も北にある村のアペラシオンです。
フィサンのアペラシオンは、フィサン村全域と隣のブロション村の一部も含め、
約90ヘクタール(220エーカー)のブドウ畑が広がります。
造られるワインのほとんどがピノ・ノワールから造られる赤ワインで総量の95%を占め、
シャルドネから造られる白ワインはほんの5%ほどです。
フィサンで造られるワインのスタイルは、ジュヴレ・シャンベルタンに似ており、
香り高くとても複雑味のある味わいで、タンニンの豊富なしっかりしたタイプですが、
コート・ド・ニュイの他の村よりも価格は比較的リーズナブルです。

フィサンのテロワール

フィサンは他のブルゴーニュ産地同様、大陸性気候に属しており、
夏は比較的熱く乾燥した日が秋まで続き、冬は寒さが厳しく、
収穫期は天候も変わりやすいため、年によってブドウの出来が大きく変化します。
フィサンは、コート・ド・ニュイの南にあるコミューンほど複雑なテロワールを持っていませんが、
フィサンの斜面の上部は優れた土壌が多く、石灰岩が豊富で水はけの良く、
多くのブドウ畑が標高350〜380mの東または南東向きにあるため、
日照量も豊富で、コート・ド・ニュイの北端の産地ですが、
ブドウはしっかりと熟し、特に夏昼夜の気温差がブドウを凝縮感のある味わいに育てます。

フィサンで造られるワインの味わいや香りの特徴

フィサンで造られるワインは前述のとおり、
生産量のじつに95%がピノ・ノワールから造られる赤ワインが占めています。
南にジュヴレ・シャンベルタン村に隣接しているため、土壌も似ており石灰岩が主体の土壌からは、
しっかりとした酸とタンニンが感じられる男性的、長期熟成型のワインが多いのが特徴です。
ラズベリーや野イチゴ、赤すぐりといった赤系果実のアロマに、
ほんのり野性味を感じるジビエやスパイスのニュアンスもあり、
香り高く、複雑さと豊満さを備えたエレガントな味わいのワインが造られています。
わずかですが、シャルドネやピノ・ブランを使用した白ワインも造られており、
レモンなどの柑橘のアロマが感じられる、
しっかりとした美しい酸が魅力のフレッシュな味わいの白ワインです。

フィサンの代表的なプルミエ・クリュ

クロ・ナポレオン
1830年頃からジェラン家の単独所有畑でフィサンを代表する区画の1つです。
かつてオー・シュゾーと呼ばれていたこの畑は、1850年頃ナポレオンによって石垣が築かれ、
ナポレオン軍の指揮官であったクロード・ノワゾがクロ・ナポレオンと名付けました。

クロ・ド・ラ・ペリエール
フランス語で採石場の意味を持つペリエールは、もともと採石場であったことが名前の由来で、
19世紀には、グラン・クリュと同等の特別な畑として扱われていました。
過去にはジュヴレ・シャンベルタンの特級畑を超える値段で取引されていたとも言われており、
現在もグラン・クリュへ昇格させるための運動がおこなわれています。

フィサンで造られるワインの味わいや香りの特徴

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