イタリアで長く親しまれている代表的なワインキャンティの特徴

イタリアで長く親しまれている代表的なワインキャンティの特徴

イタリアで長く親しまれている代表的なワインキャンティの特徴

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キャンティワインとは

イタリアワインをあまり飲んだことがないという方でも、
キャンティというワインの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
イタリアワインの顔とも言える歴史の深いワインですが、
キャンティについて詳しく知っているという方もそれほど多くないはず。
そこで本日は、キャンティについてお話します。

キャンティとは

キャンティはイタリア・トスカーナ州の中央部にある、
シエナとフィレンツェの間に広がるキャンティ地方で造られている
親しみやすい味わいの赤ワインです。
生産量は年間1億本以上とも言われており、まさにイタリアを代表する赤ワインの1つ。
キャンティは、イタリアで広く栽培されているブドウ品種サンジョヴェーゼを主体に、
カナイオーロ、マルヴァジア、トレッビアーノなどをブレンドして造られますが、
近年、ボルドー品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなども
ブレンドすることが出来るようになり、
しっかりとしたホディの、長期熟成型のキャンティ造りにシフトしています。

キャンティの歴史

キャンティの歴史は古く、14世紀にまでさかのぼります。
1398年に商人のフランチェスコディマルコダティーニによって販売された
淡い色調の白ワインがキャンティの原型と言われています。
18世紀に入り、現在のキャンティに近いワインに進化し、
1870年頃、イタリアの政治家であるベッティーノ・リカーゾリ氏が、
キャンティのレシピを開発しました。
ベースとなる香り高いブドウ品種のサンジョヴェーゼが70%、
タンニンを柔らかくフルーティーな味わいにするカナイオーロが20%、
さらに味わいをまろやかにするため白ブドウ品種のマルヴァジアを10%という比率で、
キャンティのレシピが考案され、130年以上もの間このブレンド比率でキャンティは
造られていました。
飲みやすく親しみやすいキャンティは、イタリア国民の食卓に一気に広まり、
その後世界にも普及していきました。
しかし、イタリアワインの代表的な地位を確立した一方、
今までキャンティを生産していなかった近隣地域でもキャンティと名乗ってワインを
売るようになったことで、キャンティの人気に目をつけた一部の生産者が造る
粗悪なワインが出回るようになり、キャンティの品質が一気に低下していきました。
そのことを危惧した伝統的なキャンティの生産者がキャンティ・クラシコ協会を設立し、
キャンティD.O.C.Gから独立、そこから、高品質なキャンティ造りにシフトしていきます。
その際、もともとフィアスコという藁に包まれた丸形のボトルでキャンティは
造られていましたが、フィアスコ=安酒というイメージが定着してしまったことで、
キャンティ・クラシコ協会は、フィアスコをなるべく使用しないよう指導したため、
次第に、フィアスコに入ったキャンティは市場から姿を消していきました。
現在は、おみやげ物としてフィアスコに入ったキャンティをよく見かけます。

キャンティの種類

キャンティには3つの格付けがあり、
伝統的な産地であるキャンティ・クラシコと、
その周囲に広がる広域エリアで造られるキャンティと、
キャンティ・クラシコの最高峰として、グラン・セレツィオーネの3つに分類されます。
それぞれ、使用できるブドウ品種の比率や熟成期間が異なり、
もっとも広域で造られるキャンティは、サンジョヴェーゼ 最低70%以上
白ブドウは10%まで、その他黒ブドウは15%まで、
熟成期間は最低4カ月と定められており、
キャンティの中では一番フレッシュで親しみやすい味わいです。
キャンティ・クラシコは、サンジョヴェーゼ 最低80%以上含まれていることが条件で、
その他黒ブドウ品種をブレンドできます。
熟成期間は、最低でも11ヶ月必要で、キャンティよりも長い熟成期間があるため、
より深みのある味わいです。
グラン・セレツィオーネは、キャンティ・クラシコと同じく、
サンジョヴェーゼ 最低80%以上とその他黒ブドウ品種のブレンドで造られますが、
使用するブドウはすべて自社畑のもに限ります。
熟成期間は、最低でも30ヶ月必要で、
その分、凝縮感のある豊かな味わいの極上のキャンティです。
キャンティ・クラシコの約5%がグラン・セレツィオーネにあたります。

おすすめのキャンティワイン

キャンティ ヴォルペット
イタリアで唯一人パーカーポイント100点を2度獲得した凄腕の醸造家
ステファノ・キオッチョリ氏がコンサルタントを務めるキャンティ ヴォルペット。
フィレンツェ近くの海抜200~400メートルの地域の畑で造られたブドウを、
サンジョベーゼ95%、カナイオーロ5%のブレンド比率で、
25度にコントロールされたステンレスタンクに入れ、酸素を供給しながら12日間おきます。この間果汁を循環させることで、果皮に含まれる色素などの成分をしっかり抽出し、
タンニンをまろやかにしたりします。
マロラクティック発酵で酸味を和らげ、香りと味わいに複雑さを加えました。
このキャンティは黒ブドウ主体のため、一般的なキャンティより、
味わいにもより厚みが出ており、構造のしっかりとしたボディの肉厚なタイプです。
活き活きとした果実味のパワフルな味わいで、合わせる料理も牛の赤身肉など、
肉料理との相性が抜群です。

キャンティ ヴォルペット

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キャンティ マレンキーニ
マレンキーニは、100年以上も続く歴史あるワイナリーで、
マレンキーニのワインの礎を築いたのは、
「サンジョベーゼを扱わせたら 右に出るものはいない」と言われた天才醸造家の
今は亡き巨匠ジュリオ・ガンベッリ氏です。
マレンキーニが造るワインは、
スーパートスカーナと呼ばれる「ブルツィッコ」という
カベルネ・ソーヴィニョンをベースにボルドースタイルに造られるワインと、
キャンティの伝統的な醸造法である大樽で熟成される
サンジョヴェーゼを使用して造られる「キャンティ・コッリ・フィオレンティーニ」が有名。
そんなマレンキーニが手掛けるキャンティは、
比較的新しい畑から収穫されるサンジョベーゼを使用し、
温度管理機能のついたステンレスタンクを使用、
12日間スキンコンタクトを行いながら発酵します。
ヴィンテージによりメルローをブレンドすることもあるという
スタンダードクラスながらハイクオリティのキャンティです。
赤いベリー系の果実の香りが若々しく、
味わいにも好印象のかわいらしい果実味を感じます。
それでいてボリューム感も程よくあり今飲んでおいしいコスパ高なキャンティです。

キャンティ マレンキーニ

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