この記事を読むのに必要な時間は約 17 分です。
料理でワインの味わいは変わってしまうほど、ワインに合わせる料理はとても大切!
相性の良いワインと料理を組み合わせることをペアリングといい、ワインと料理が組み合わさることで生まれる第3の味のことをマリアージュといいます。
こういうお話をすると、「やっぱりワインってむずかしいな…」「合わせる料理まで考えなきゃいけないなんて、もっと気楽に楽しみたい」って思われる方もいらっしゃいますよね。
じつは、ポイントさえつかめばワインと料理のペアリングはとっても簡単なんです。
そこで、本日はおうちワインをもっと楽しくするための、ワインと料理のとってもシンプルなペアリングについてお話します。
ワインと料理のペアリングのポイント
ペアリングでもっとも意識すると良いのが、「料理のソースや味付けの濃さに応じてワインの濃さを合わせること」です。
塩やハーブ、出汁などで味付けした淡い色合いの料理には、色の薄いワインである白ワインや白のスパークリングワインを合わせるのがおすすめです。
白ワインと一口に言っても、じつにさまざまあり、例えば出汁を基調にした料理であれば、味はかなり薄めですよね。
そんな料理に合わせるワインは、白ワインの中でも色調が透明に近い薄いグリーンイエローの甲州の白ワインやミュスカデなどのさっぱりとした味わいの白ワインが合います。
また同じ白ワインでも、樽熟成させたシャルドネのように黄色味が強くゴールドのような色合いのものであれば、ホワイトソースなどの濃厚な味わいの淡い色合いの料理に適しています。
このように、ワインは白ワインでも赤ワインでもロゼワインでもそれぞれに色調が異なり、口に含んだときのボリューム感というものもかなり異なります。
このワインのボリューム感は色調に応じて濃くなるのが一般的なので、料理の色とワインの色を合わせるというのが、とてもシンプルで間違いの少ないペアリングです。
ワインの濃度別に合う料理とおすすめワイン
さて、ワインの色調に応じて料理の味付けの濃さを合わせるのがもっともシンプルなペアリングとお話しましたが、具体的にどんなワインにどんな料理を合わせたらいいのか、ピンとこない方も多いですよね。
そこでここからは、白ワイン赤ワインをそれぞれ淡い色濃い色の2パターンにざっくり分けて、それぞれに合う料理とおすすめのワインをご紹介していきます。
この例を見れば、だいたいどんなワインと料理が合うのかが分かるようになります。
何度も合わせていくうちに、さらにブドウの品種による特徴なども分かってくると思いますので、ぜひこの基本の組み合わせを参考にしてみてください。
ワインと料理のペアリング1:淡い色合いの白ワイン
淡い色合いの白ワインは、言葉通りワインの色調が透明に近いうっすらした黄色から、ライムイエローのような色味で、口に含むとフレッシュな柑橘系の香りと風味で、クセが少なく酸味のしっかりした白ワインのタイプです。
ブドウ品種でいうと、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、ミュスカデ、甲州、トレッビアーノ、アルバリーニョなどのブドウ品種から造られているワインが多いです。
こうした淡い色合いの白ワインは、ブドウ本来のピュアな風味やアロマを残すため、ステンレスタンクで醸造されているものが多く、すっきりとした酸のフレッシュな味わいが特徴なので、合わせる料理も塩や胡椒、出汁といった色合いが淡い味付けの料理がベストです。
例えば、前菜ならカルパッチョ、マリネ、サラダ、メインの洋食ならアクアパッツァ、ブイヤベース、和食なら魚の塩焼き、お寿司、塩ベースのお鍋などです。
おすすめの淡い色合いの白ワイン
カサ・デル・セロ・レゼルヴァ・ソーヴィニョン・ブラン ヴィニャ・マーティ
五大シャトー「ムートン」、カリフォルニアの「オーパス・ワン」、チリを代表するプレミアムワインの「アルマヴィーヴァ」を手掛けた天才醸造家の造る最高のデイリー白ワイン!
「多くの人に飲まれる最も低い価格のワインのクオリティこそが、ワイン造りで最も難しいが、最も大切である」というポリシー通り、デイリーワインながら世界最高峰のとしての技が惜しみなく込められています。
ボルドーやロワールのような、香り、甘味や酸味の調和がとれた食事に合わせやすいスタイルを目指して造られたソーヴィニヨン・ブランは、グレープフルーツやレモンなどの柑橘にハーブのアロマがあり、フレッシュな果実味にシャープな酸が感じられ、バランスのとれた味わいは、フランスの王道スタイルを思わせる1本です。
カサ・デル・セロ・レゼルヴァ・ソーヴィニョン・ブラン ヴィニャ・マーティのご注文はこちら
トルケス・ド・ヴェント・アルバリーニョ ボデガス・マルティン・コダックス
ボデガス・マルティン・コダックスは、スペイン北西部のガリシア地方のリアス・バイシャスにあるワイナリーで、地元のブドウ栽培家グループの「自分たちの町で飲むワインを、自分たち自身が造る」という地元の人々のためのワイナリーというコンセプトからはじまりました。
リアス・バイシャスのアルバリーニョから造られる白ワインは、海の潮風や土壌によってミネラルをブドウが吸収するため「海のワイン」と呼ばれるほど、豊富なミネラルがあり、ほんのりと潮風のような塩気を感じます。
ボデガス・マルティン・コダックスのアルバリーニョ100%のワインは、青リンゴ、白桃、メロンなどのジューシーな果実のアロマに、キンモクセイのような華やかなフローラルなアロマがあり、味わいは香りと同じく甘く華やかで、フレッシュな酸味が輪郭を引き締めます。
アルバリーニョらしく、ミネラリーな余韻が長く続き、華やかな甘さの印象が強く、ミネラル感も強いため、酸味のあるソースや塩ベースの海鮮料理とあわせたい1本です。
トルケス・ド・ヴェント・アルバリーニョ ボデガス・マルティン・コダックスのご注文はこちら
ワインと料理のペアリング2:濃い色合いの白ワイン
濃い色合いの白ワインは、ゴールドの色調から琥珀に近い色合いのもので、樽で熟成した白ワインが多く、ブドウの品種はシャルドネ、ヴィオニエ、ピノ・グリでとくにカリフォルニアのシャルドネは樽熟成されたものが多く見られます。
濃い色合いの白ワインと合う料理は、先ほどの淡い色合いの白ワインよりも濃厚な味付けのものが合うので、例えばクリームシチュー、グラタンといったホワイトソースの料理や、たっぷりとバターを使ったソースをかけた魚のムニエルなどがおすすめです。
また、白ワインというと魚のイメージが強いですが、グリルしたチキンやポークなどにクリームソースをかけた濃厚な料理とも相性がばっちりです。
樽熟成されたシャルドネは、バターやチーズ、ヘーゼルナッツのような香りがあり、酸味がまろやかでこってりとした味わいになるので、クリーミーな味付けの料理によく合います。
おすすめの濃い色合いの白ワイン
フォグ・マウンテン・シャルドネ ジャン・クロード・ボワセ
ブルゴーニュのワイン界の代表的な生産者でもあるボワセ・グループが、カリフォルニアで立ち上げた新ブランド「フォグ・マウンテン」。
所有するすべてのワイナリーがオーガニック栽培とビオディナミ栽培を実践。
ネイティブアメリカンに伝わる「大地は借り物である」という言葉に感銘を受け、サスティナブルなワイン造りをアメリカで実践したいと思い、フランス・ブルゴーニュの技術とカリフォルニアのテロワールが生み出す極上ワイン。
トロピカルフルーツのアロマ、レモンなどの柑橘類、完熟したリンゴ、アーモンドなどナッツを思わせる香ばしい香りも後から感じられ、口に含むと、アロマ同様に華やかなパイナップルなどの果実味にナッツの香ばしいニュアンス、そして滑らかな質感が感じられます。
フォグ・マウンテン・シャルドネ ジャン・クロード・ボワセのご注文はこちら
マリポーザ・アレグレ・グラン・リゼルヴァ・シャルドネ ヴィニャ・マーティ
「Mariposa Alegre(マリポーザ・アレグレ)」は陽気に飛び回る蝶のこと。
チリの雄大なテロワールで育まれたブドウと、フランスの伝統的な技術の融合によって生まれたこのワインは、甘く時にほろ苦く複雑な妙味を感じさせるワインです。
また、伝統的な手作業によってつくられたワインは複雑さや凝縮味があり、白桃やネクタリン、マンゴーなどトロピカルフルーツのアロマに、樽熟成に由来するバニラ香が感じ取れ、果実味とともに引き締まった酸味、果実のボリュームある風味と樽香がバランスよくまとまりのある1本です。
マリポーザ・アレグレ・グラン・リゼルヴァ・シャルドネ ヴィニャ・マーティのご注文はこちら
ワインと料理のペアリング3:淡い色合いの赤ワイン
淡い色合いの赤ワインは、透明感のあるチェリーのような色調をもったワインで、一般的にタンニンが少ないため、渋みが少なくフルーティーでフレッシュな味わいの飲みやすい赤ワインです。
赤ワインにはアルコール度数やタンニンの量を人の体「ボディ」に例えて表現する言い方があり、淡い色合いの赤ワインは、アルコール度数もタンニンの量も少ないライトボディの赤ワインを指します。
ブドウの品種を挙げると、ピノ・ノワール、ガメイ、また一部サンジョヴェーゼから造られるワインにライトボディのワインが多くみられます。
ピノ・ノワールはブルゴーニュ地方の代表的な品種で、ブルゴーニュ地方で造られる赤ワインは基本的にこのピノ・ノワール単一で造られ、イチゴやチェリーといった赤い果実のフレッシュなアロマと風味があり、美しい酸をもつ非常に繊細でエレガントなワインが多く造られています。
ガメイはボジョレー・ヌーヴォーに使用される品種で、新酒なのでフレッシュでフルーティーな味わいを楽しめます。
サンジョヴェーゼは長期熟成型のワインも多く造られていますが、トスカーナ州の代表的なワインであるキャンティは、サンジョヴェーゼ 最低70%以上に、白ブドウ10%までブレンドして造られることもありとても軽快な飲み心地で、中でもキャンティ・クラシコは一番フレッシュで親しみやすい味わいです。
そんなライトボディの淡い色合いの赤ワインには、合わせる料理のソースもさっぱりとした色合いも淡いものがおすすめです。
豚肉のしゃぶしゃぶを塩だれにしたり、鶏むね肉のローストをレモンバターソースにしたり、レモンをかけた唐揚げなどさっぱりとした味わいの肉料理がよく合います。
また、ほどよい酸味のあるトマトベースの料理もよく合いますので、ピザ、ミートソースパスタ、ラザニアなどもおすすめです。
おすすめの淡い色合いの赤ワイン
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール ヴィニュロン・デ・テル・スクレット
Terres Secretes は、秘密の土地、隠されていた土地、という意味があり、その名の通りブルゴーニュ地方でありながら、まだあまり知られていない宝物のようなこの地域をもっと発展させたいと願う、情熱溢れるブドウ栽培家たちが集まって生まれた協同組合です。
ヴィニュロン・デ・テル・スクレットが手掛けるピノ・ノワールは、フランボワーズ、チェリーといったフレッシュな赤系果実のアロマに、スミレなどのエレガントなフローラルなアロマがあり、口に含むと穏やかな酸味、リコリスを思わせる穏やかな甘みがあり、僅かな渋みも感じられる適度なコクとフレッシュなエレガントさのある非常にバランスのとれた味わいです。
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール ヴィニュロン・デ・テル・スクレットのご注文はこちら
キャンティ マレンキーニ
マレンキーニは、100年以上も続く歴史あるワイナリーで、「サンジョベーゼを扱わせたら 右に出るものはいない」と言われた天才醸造家の今は亡き巨匠ジュリオ・ガンベッリ氏が築きました。
そんなマレンキーニが手掛けるキャンティは、比較的新しい畑から収穫されるサンジョベーゼを使用し、ヴィンテージによりメルローをブレンドすることもあるというスタンダードクラスながらハイクオリティのキャンティです。
赤いベリー系の果実の香りが若々しく、味わいにも好印象のかわいらしい果実味を感じます。
それでいてボリューム感も程よくあり今飲んでおいしいコスパ高なキャンティです。
ワインと料理のペアリング4:濃い色合いの赤ワイン
濃い色合いの赤ワインは、タンニンが豊富なしっかりとした骨格を感じられるフルボディタイプの赤ワインで、ブドウ品種で挙げるとカベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、ジンファンデル、シラー、テンプラニーリョなどから造られるワインに多く見られます。
中でもボルドーワインはしっかりとした骨格のあるフルボディタイプのワインが多く、ニューワールドでは、アメリカのジンファンデルや、オーストラリアのシラーズなどからパワフルな味わいのフルボディタイプのワインが造られています。
フルボディは、タンニンが豊富でしっかりとしたコクのある味わいのワインなので、ソースや味付けも色が濃い、すきやき、ビーフシチュー、ハンバーグ、ステーキなど脂がしっかりある肉料理とデミグラスなどの濃い色のソースで仕上げた料理が合います。
おすすめの濃い色合いの赤ワイン
ラ・クロワ・デ・ゾブレ
ボルドーの格付けシャトーのファーストラベルに選ばれるのワインはほんの一部で、生まれたワインの中には、ファーストラベルにも、セカンドラベルにもならないワインがあります。
それらはアッサンブラージュの過程で惜しくも選ばれなかった樽のものだったり、あるいは樹齢が基準に満たない区画のものだったりと理由は様々です。
そのような余ったワインを、彼らは「ヴァン・デクラッセ」つまり、敢えて格下げしたワインとして、樽ごと馴染みのネゴシアンだけにこっそり販売することがあります。
この「ラ・クロワ・デ・ゾブレ」は、まさしくこの掘り出しもののヴァン・デクラッセ。どこのシャトーであるかは明かされませんが、ポイヤックの2級格付けシャトーであることだけは、公表しても差し支えないとの事で、教えてもらうことができました。
ポイヤックの2級と言えば、「ポイヤックの貴婦人」と評されるシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドか、もしくはメドックで最も荘厳なワインの一つと言われるシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンしかありませんので、どちらにしても期待せずにはいられない、掘り出し物のポイヤックです。
ブラックベリー、ブラックチェリー、カシスのような果実の香りと僅かに杉と、華やかなスミレのような香りと、かすかな鉱物のニュアンスの複雑なアロマがあり、口に含むと、サラサラとしてきめの細かいタンニンと共に芳醇な果実味が広がります。
伸びやかな酸と、エレガントな余韻が長く続く、まさに掘り出し物のポイヤックです。
ラピス・ルナ・ジンファンデル
青い月に天使が描かれた神秘的なラベルが印象的なこのワインは、Once in a Blue Moonという「ごく稀なこと」「滅多に起こらないこと」を 意味する青い月に向かって、どの国、どの時代でも、人も天使でさえも、もがきながらも自分だけの 青い月(憧れ、理想、チャンス)を手に入れようと手を延ばす人物たちが描かれており、ラピス・ルナのワインシリーズは、7つのストーリーで構成されています。
ジンファンデルは、ブルーベリーの豊潤な果実味にダークプラム、ブラックベリーを煮詰めた香り、ベリーのタルトを思わせる濃密でリッチな味わいがあり、とても滑らかな質感で、長い余韻にスパイスを感じさせる1本です。