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カリフォルニアワインを代表する銘醸地の1つソノマ。
ロバートモンダヴィワイナリーやオーパスワンワイナリーなど、著名なワイナリーが並ぶナパ・ヴァレーに比べ、まだ日本での知名度は低いですが、
太平洋に面するソノマは、内陸にあるナパ・ヴァレーよりも霧が発生しやすく、冷涼な気候のため、濃厚でパワフルなナパ・ヴァレーのワインに比べ、
エレガントで繊細な味わいのワインが多く造られており、近年はエレガントで繊細な味わいのカリフォルニアワインが好まれる傾向にあり、ソノマのワインに年々注目が集まっています。
ソノマのワインの歴史
ソノマのワイン造りの歴史は、ナパ・ヴァレーよりも古く、カリフォルニアに最初にワインが根付いた地域とも言われています。
1812年にソノマのフォート・ロスに最初のブドウが植えられたのが始まりとされており、スペイン人の神父によってミッションサンフランシスコソラノに数千本のブドウの木が植えられ、その後新しいブドウ園を始めるために北カリフォルニア地域全体にブドウの木が運ばれました。
1920年代には、ソノマに256のワイナリーがあり、22,000エーカー以上の栽培面積がありました。
しかし、禁酒法によって商業的なワイン造りは衰退し、1933年に禁酒法が廃止されたときには、256あったワイナリーは50未満にまで減り、1960年代に入ってもブドウ園は12,000エーカーしかありませんでした。
そこから、徐々にアメリカでのワイン消費量が増加し始め、1999年までにソノマには750以上のワイナリーと180以上の保税ワイナリーが所有する49,000エーカー以上のブドウ園ができ、現在は60,000エーカーまで広がりました。
ソノマのテロワール
ソノマは、18の異なるアペラシオンがあり、各地域で独自の気候と地理があり、造られるワインもそれぞれ異なる多様な味わいのワインを生み出しています。
アレキサンダー・ヴァレー
ガイザービルの中心部にあるアレキサンダー・ヴァレーは、美しい渓谷と牧歌的な小さな町があり、何世代にもわたって古くからブドウ栽培をおこなう生産者や、高級ワイナリーも多く点在するアペラシオンです。
ベネット・ヴァレー
火山性の粘土質土壌と適度に涼しい気候のため、ここで育つブドウはゆっくりとしっかり熟し、フレッシュな美しい酸のある非常に濃厚な味わいのワインになります。
とくにベネット・ヴァレーで造られるメルローが秀逸です。
ロス・カーネロス
ナパ・ヴァレーの一部にまたがっているAVAで、ここで造られるシャルドネとピノ・ノワールからは、驚くほどエレガントな味わいのワインが生まれており、
とくにスパークリングワインが多く生産されています。
チョークヒル
ロシアン・リヴァー・・ヴァレーAVAの北東の角を占めるチョークヒルは、白亜質の石灰土壌にちなんでこの名前がつけられました。
ここでは、ミネラル豊かなシャルドネとソーヴィニヨンブランのワインが造られています。
ドライ・クリーク・ヴァレー
ソノマの中でも温暖な北に位置し、アメリカのブドウ栽培地域としては最小のアペラシオンの1つで、約9,300エーカーのブドウ畑が谷底から丘の中腹に沿って広がり63のワイナリーがあります。
フォート・ロス
フォート・ロスは太平洋に近いソノマ郡の西部に位置します。
1,200フィートを超える急な山岳地帯にブドウ畑が広がっています。
ファウンテングローブ
ソノマ郡東部の500エーカーの丘の中腹に位置し、5つのワイナリーと35以上のブドウ畑からなるAVAは、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフラン、シラー、ジンファンデルなどのボルドー品種が多く栽培されています。
グリーン・ヴァレー
ソノマで最小のアペラシオンの1つで、完璧なピノ・ノワールを育てるのに地理的にも気候的にも非常に恵まれたアペラシオンです。
ナイツ・ヴァレー
ナパの西側の山の山頂に接するナイツ・・ヴァレーは、ブドウ栽培に理想的な栽培条件がそろっており、カリフォルニアワインでも有名なベリンジャー・ファミリー・ワイナリーが最初にカベルネソーヴィニヨンを植えた土地でもあり、現在も高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンが造られています。
ムーンマウンテン
ムーンマウンテン地区はソノマ・ヴァレーAVA内にある17,663エーカーに及ぶアペラシオンで、標高400〜2,200フィートの高地に1,500エーカーのブドウ畑が広がります。
ノーザン・ソノマ
このAVAは、チョークヒル、ナイツ・ヴァレー、アレクサンダー・ヴァレー、ドライ・クリーク・ヴァレー、ロシアン・リヴァー・・ヴァレー、グリーン・ヴァレー、ロックパイルとパインマウンテン-クローバーデールピークの一部を網羅した広大な地域です。
ペタルマ・ギャップ
ペタルマ・ギャップは、ソノマの玄関口ともいえる場所にあり、ゴールデンゲートブリッジからわずか25マイルほどのところに位置しています。
4,000エーカー以上をカバーする80以上のブドウ園があります。
パイン・マウンテン・クロバーディル・ピーク
この地域はアレクサンダー・ヴァレーAVAとノーザン・ソノマAVAの最北端に重なっています。
ロックパイル
ソノマ湖の西からメンドシーノの国境まで広がるロックパイルは、最大1,900フィートの標高の山のおかげで豊富な日照量があり、温暖な気候もかさなりしっかりと熟したブドウから濃厚でバランスの取れた味わいの赤ワインが造られています。
ロシアン・リヴァー・ヴァレー
西側の太平洋からの影響を受けて冷たい霧が定期的にたちこめ、朝晩は冷涼な気候を持ちながらも日中はしっかりと気温が上がるため、ブドウにはしっかりとした酸を持った凝縮感のある味わいになり、高品質なシャルドネとピノ・ノワールの銘醸地としても知られています。
ソノマ・コースト
サンパブロ湾からメンドシーノとの国境まで伸びたこのアペラシオンは、ソノマの他の地域に比べて涼しい気候と、内陸のアペラシオンと比べて年間降雨量が2倍以上高いことで知られています。
ソノマ・マウンテン
ソノマ・ヴァレーAVA内にあるアペラシオンで、ここで造られるカベルネソーヴィニヨンは、パワフルでありながらエレガントな味わいのワインを生み出します。
ソノマ・ヴァレー
ソノマ・ヴァレーAVAは、東のマヤカマス山脈と西のソノマ山脈の2つの山脈に隣接しており、ソノマのワイン造りの歴史の中心的アペラシオンです。
ソノマで栽培されるブドウ品種
カベルネ・ソーヴィニョン、ジンファンデル、ピノ・ノワール、メルロー、カベルネフラン、シラー、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランなど
ソノマワインの味と特徴
冷涼な気候のため、全体的に濃厚でパワフルなナパ・ヴァレーのワインに比べ、エレガントで繊細な味わいのワインが多く造られています。
ソノマ産ワインおすすめ5選
ソノマのテロワールを反映した、素晴らしいボルドースタイルのワイン
リース・ソノマ・ブレンド ジャン・クロード・ボワセ
1981年に、ボルドーワインの熱狂的な信者チップ・リース氏によって、ソノマのアレキサンダーヴァレーに設立されたこのワイナリーは、1991年、フランス・ブルゴーニュ最大のボワセグループの傘下に入り、現在では、カリフォルニアのテロワールを反映した、素晴らしいボルドースタイルのワインを生み出しています。
リース・エステートのワイン造りは、ワイナリーのあるアレキサンダーヴァレーの上質なブドウに加え、カリフォルニア州内の、自然栽培を行う契約農家から届く厳選されたブドウを用いており、アメリカン・オークの樽を主体にフレンチ・オーク、ハンガリアン・オークの3種の樽を組み合わせたアメリカ伝統の樽熟成がおこなわれています。
リース・ソノマ・ブレンドは、アメリカン・オークに由来する、華やかな甘いバニラの優雅な香りで、まさにアメリカの人々が愛した、クラシカルな赤ワインの味わい。
引き締まったエレガンスさ溢れるフレンチ・オーク仕立てのボルドーワインに対し、よりリラックスした雰囲気のゴージャスな味わいが表現されています。
その華やかな味わいの中に、上質なブドウがもたらす酸やタンニンが余韻を引き締め、フォーマルな雰囲気も造り上げています。
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全米NO.1にも輝いた注目度抜群の素晴らしいバランスと余韻を持つソノマのピノ・ノワール
ピノ・ノワール マックドゥーガル・ランチ
ジェイミー・カッチは、もとはウォール・ストリートでトレーダーとして勤務していましたが、コスタ・ブラウンのマイケル・ブラウン氏に師事しワイン造りを学び、2005年にファーストヴィンテージをリリースしました。
当初は、パワフルなスタイルのワインを造っていましたが、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(DRC)を訪問したのを機に、ブルゴーニュの伝統的なワイン造りを取り入れ、ソノマの冷涼な気候と土壌の特徴に生かしたワイン造りにシフトします。
自然の酵母を用いたナチュラルでエレガントなワインはまさにブルゴーニュ・スタイルのピノ・ノワールを彷彿とさせる味わいで、ソノマでは高い評価を得ているピノ・ノワール生産者の1人です。
太平洋に近いソノマ・コーストのマクドゥガル・ランチ、ファルスタッフ、ボーハンなど、多くの生産者が憧れるピノ・ノワールの畑から生み出されるワインは、チェリーやプラムなどの果実の風味が豊かに広がり、透明感のある繊細な味わいの中に、しっかりとした凝縮感のあるブラックチェリーやバニラの風味があり、非常にバランスのとれた長い余韻を楽しめる1本です。
カリフォルニアの至宝と称えられるキスラー・ヴィンヤーズのワインメーカーが手掛ける生産少量の自社ワイン
ピノ・ノワール ハーフマイル
ブルゴーニュのグラン・クリュを凌駕するカリフォルニアの至宝とも称えられるキスラー・ヴィンヤーズのワインメーカーを務めるジェイソン・ケスナーは、ナパで生まれ、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーで畑の管理に携わる義父と、微生物学者の母を持つ生粋の醸造家。
ハドソン・ヴィンヤードで9年間の修行をおこない、2002年に自身のワイナリーであるケスナーを設立。
設立から間もなくして全米一予約の取れない人気レストランとして有名な「フレンチランドリー」に、シャルドネがオンリストされ一気に注目を集めます。
2008年からはキスラー・ヴィンヤーズで醸造に携わり、2014年にワインメーカーに昇進してからは、自社のワイナリーであるケスナーのワイン造りは夜間や週末に限っておこない、少量生産ですがソノマのテロワールを反映した非常にピュアでエレガントな味わいのワインを造っています。
ブドウそのものの甘みが感じられる口当たりで、同時にしっかりとした酸もあり、全体的に非常に優れたバランスがあり、最も印象的なのが新樽と古樽をミックスした樽の風味で、両者の良い特徴を見事に反映した味わいに仕上がっています。
設立間もなくから全米一の大人気レストランにオンリストされ注目を集めたシャルドネ
シャルドネ ロックブレーク マイケル・マラ・ヴィンヤード
2002年にワイナリーを設立した当初リリースしたワインは、1樽分のシャルドネのみでしたが、2003年は天然酵母で造ったシャルドネ3樽がリリースされ、これが全米一予約の取れない人気レストランとして有名な「フレンチランドリー」の最大推奨シャルドネとしてリストされ、それ以降も常にオンリストされたことで、一気に注目を集めました。
ロックブレークの名の通り初めは石だらけの土地から育ったシャルドネを使用、深みと自然な酸味の活力を感じる1本です。
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オバマ大統領主催のランチに採用された実績をもつワイン界の次世代ロック・スター的ワイナリーの濃密な赤ワイン
ブレッド&バター・カベルネ・ソーヴィニョン
カリフォルニアでも屈指のシャルドネとピノ・ノワールの産地として知られているソノマ・カウンティーのカーネロスAVAとモントレー・カウンティー、アロヨセコAVAに畑を有するブレッド&バター。
「俺たちのミッションは、次世代ワイン界のロックスターになるべく、つまみを最大まで回した大音量のアルコールを届けることさ。もし、このワインがやかましく聞こえるようなら、あんたはもう老いぼれさ。」という言葉の通り、2つの畑のブドウを合わせ造られるこのワインは、熟したベリーにスミレ、バニラの芳醇なアロマがあり、わずかに香ばしくスパイシーなニュアンスも感じられ、スムースなタンニンととろけるチョコレートの風味が口の中に広がる、複雑味溢れる優雅なスタイルのワインです。