この記事を読むのに必要な時間は約 16 分です。
ワインを飲むときに合わせる料理はとても重要ですよね。
マリアージュという言葉があるほど、ワインにとって合わせる料理は、ワインの味をより素晴らしいものにしてくれる大事な要素。
本日は、甘いものが大好きな人のためのマリアージュについてお話します。
スイーツ×ワインは大人の楽しみ方
ワインに合わせるおつまみと言ったら、やはりチーズやナッツや生ハムなど、塩気のあるものをイメージしますが、じつはスイーツとワインのマリアージュは、贅沢な大人の楽しみ方と言ってもいいくらい合うんです!
ただ、ワインとスイーツの組み合わせによっては、ワインの渋みや酸を強く感じたりするので、組み合わせ方がとても重要です。
そこで、今回は定番とも言えるスイーツ別に合うワインをそれぞれご紹介します。
ビターなチョコレートケーキや抹茶のケーキには赤ワイン
定番のスイーツと言ったら、やはりケーキですよね。
中でも王道なのが、チョコレートケーキ!
濃厚でリッチなカカオの味わいが楽しめるフォンダンショコラや、ガトーショコラなどはお酒好きには、よく好んで食べる方も多いのではないでしょうか。
そんなチョコレートをベースにしたケーキに合わせたいのはフルボディの赤ワイン。
チョコレートの原料であるカカオにも赤ワインにもポリフェノールが含まれているので、どちらもほのかな苦みや渋みの中に奥深い味わいを感じられる共通点があります。
フルボディの赤ワインの中でも、カベルネソーヴィニヨンを主体としたしっかりとした骨格で丸みのある味わいのワインや、シラーが主体の少しスパイシーな味わいで重みのあるワイン、また、バローロ、バルバレスコの品種でもあるネッビオーロなどは、アロマの中にカカオやチョコレートといった表現も多く用いられるので、ビターな味わいのチョコレートケーキとは相性が良いです。
ポリフェノールという点では、抹茶をベースにしたケーキも同じで、抹茶に含まれるカテキンは、ポリフェノールの一種で、抹茶特有の苦みが赤ワインのタンニンと同じ味わいを感じさせます。
抹茶のケーキに合わせるワインは、ブラックチェリーやカシスなどの果実に、緑茶の風味がほのかに感じられるサンジョベーゼがおすすめです。
チーズケーキやフルーツタルトには白ワイン
チーズケーケーキは、ケーキの中でも一番ワインに合わせやすいイメージがあるスイーツではないでしょうか。
美食の街として有名なスペインのバスク地方のサン・セバスチャンでは、ミシュランで星を獲得しているレストランが密集していて、旧市街の路地には100軒ものバルがあり、中にチーズケーキで有名なラ・ビーニャというバルがあります。
最近日本でもブームになったバスクチーズケーキの発祥のお店です。
こちらのラ・ビーニャでは、ワインを片手にバスクチーズケーキを楽しむことができます。
現地ではアルコール度数が低い微発泡の辛口白ワインのチャコリが人気。
甘いチーズケーキに合わせるワインは、やや甘めの微発泡ワインがおすすめです。
イタリアのモスカートから造られるダスティは、芳醇なマスカットの香りが口いっぱいに広がり、フルーティーな味わいが甘めのチーズケーキと相性ぴったり。
また、フルーツがたっぷりのタルトにも白ワインがおすすめです。
とくにカスタードをたっぷりと使ったバニラ風味のタルトには、樽熟成したカリフォルニアのシャルドネがよく合います。
シュークリームやアップルパイにはスパークリングワイン
シュークリームやアップルパイなど、生地にバターを使ったさくっと軽めの食感のスイーツには、スパークリングワインがおすすめです。
とくにアップルパイなどのパイ生地には、たっぷりのバターが練りこまれているので、バターのリッチな味わいとスパークリングワインの弾ける泡とキリっとした酸が非常に良く合います。
大人のスイーツタイムを楽しむワインおすすめ10選
ビターなチョコレートケーキに合わせるワイン
ピルカ・カルメネール ヴィニャ・マーティ
5大シャトー「ムートン」、カリフォルニアの「オーパス・ワン」の後に、チリを代表するプレミアムワインの「アルマヴィーヴァ」を
手掛けたパスカル・マーティ氏がフランス式伝統製法と、チリの優れたテロワールを結びつけたピルカは、まさにハンドクラフト的なワイン。
ピルカシリーズのコンセプトは、土壌・ブドウ品種の個性を引き出す伝統的なワイン造り。
ピルカ・カルメネールは、手摘み収穫した果実をさらに選果し、ステンレスタンクで醸造。伝統的な醸し~発酵のプロセスは24~26度の温度帯で進行します。
その後8か月間フレンチオーク樽で熟成。(新樽は使用しません)
スパイスを思わせる刺激的な香りに、プルーンやダークチェリーといった黒系果実のボリュームのある香り、さらに黒コショウやチョコレートの香りも感じます。
イチジクやプルーンのボリュームある果実味と共にスパイシーなアロマが口に広がり、甘味、酸味、シルキーなタンニン、樽からくるバニラやチョコレートの風味が続き、とても典型的なチリのカルメネールの特徴をよく表現したワインです。
バローロ カゼッタ
カーサ・ヴィニコーラ・カゼッタはロエロ地区の中心ヴェッツァ・ダルバにて18世紀から居を構え、1924年からブドウ栽培とワイン造りをしています。
畑は標高200~400m、南向きの斜面に広がる素晴らしい条件を備えており、オーガニックの認定を受けた有機肥料のみを使用し、草刈から剪定・摘芯・グリーンハーベスト・収穫まですべて手作業で行います。
カゼッタのワイン造りは、伝統を大切にしつつ先進的な考えも併せ持ち、品質のために考え抜かれたプロセスを構築しています。
伝統的なオークの大樽で3年熟成して造られるバローロは、チェリーや熟したプラムやベリーなどの芳醇な果実のアロマに、時間とともにトリュフのような複雑なアロマも加わり、非常に濃密で凝縮感と複雑味のある1本です。
キャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ キオッチョリ・アルタドンナ
ステファノ・キオッチョリ氏が手掛けた「レディガフィ」は、「ワインアドヴォケイト」「ワインスペクテーター」両誌で100点満点を叩き出しており、現在2人の息子、そして妻と娘と共に、家族一丸となって最上のワインを生み出しています。
ステファノ・キオッチョリ氏がコンサルタントしたワインは、100以上の銘柄がトレ・ビッキエリを獲得しており、まさに伝説の醸造家として世界に広く知られています。
そんなステファノ・キオッチョリ氏が手掛けるキャンティは、ダークチェリーやプラムを思わせる果実の香り、徐々にスパイスやイチジク、完熟したプルーンの豊潤な風味に、フローラルな香りが混じりあいます。
凝縮した果実味と穏やかな酸味滑らかなタンニンが特徴的なフルボディで、渋みと余韻の綺麗な酸味が味わいを引き締めるように感じられるプレミアムワイです。
キャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ キオッチョリ・アルタドンナのご注文はこちら
甘めのチーズケーキに合わせるワイン
モスカート・ダスティ ヴェッキア・ストーリア
イタリアワインのすばらしさを世界に広めるため、1968年にワイン醸造のエキスパートとマーケティングのエキスパートたちが設立したI.E.I(インスティテュート・エノロジコ・イタリアーノ)は、イタリアのソアヴェ(ヴェローナ)に本拠地を構え、北はピエモンテ、アルト・アディジェから、トスカーナに プーリア、モリーゼ、そしてシチリアにサルデーニャとイタリア全土でファインワインを生産しています。
そんなI.E.Iが手掛けるピエモンテの甘口微発泡ワインのモスカート・ダスティは、マスカット、パイナップルや桃のコンポートなどの甘い芳醇な香りで、飲むと心地よい甘味があり香りと同様の果実味に溢れています!
微発泡の小粒の泡も心地よくスイスイ飲んでしまう白ワイン!
モスカート・ダスティ ヴェッキア・ストーリアのご注文はこちら
チャコリ・アレチャガ ボデガス・ビルヘン・デ・ロレア
チャコリは美食の中心地スペイン・バスク地方の地酒として家庭やバルで親しまれているワインです。
ボデガス・ビルヘン・デ・ロレアは、17世紀からの歴史を持つワイナリーで、さらに地元の栽培農家とも提携して高品質なビスカイコ・チャコリーナ(チャコリ・デ・ビスカヤ)を生産しています。
その畑は‘チャコリ’を製造する単一畑としては世界最大規模を誇り、全体のおよそ10%を占めています。
ボデガス・ビルヘン・デ・ロレアの手掛けるチャコリは、ライムや洋梨、リンゴ、ハーブを思わせるフレッシュかつフルーティーなアロマ。
チャコリ特有の力強い酸と、豊富なミネラルと、わずかな塩味。透明感がありながらもエレガント、バランスの取れた味わいです。
チャコリ・アレチャガ ボデガス・ビルヘン・デ・ロレアのご注文はこちら
ラピス・ルナ・シャルドネ
神秘的なラベルが印象的なこのワインは、Once in a Blue Moonという「ごく稀なこと」「滅多に起こらないこと」を 意味する青い月(憧れ、理想、チャンス)を手に入れようと手を延ばす人物たちが描かれており、ラピス・ルナのワインシリーズは、7つのストーリーで構成されています。
ラピス・ルナ・ワインズのワインは、カリフォルニア州メンドシーノにあるUkiah(ユカイア)にてワイン造りがおこなわれており、ラピス・ルナシリーズのワインメーカーはDave Rosenthal氏が務めています。
彼はロバート・モンダヴィや、スタッグス・リープ・ワインセラーズをはじめ、多くの著名な醸造家やワイナリーが師と仰ぐAndre Tchelistcheff氏のチームで働いたという特筆すべきキャリアを持つカリフォルニアワインを表現する術を身に着けた優れた醸造家です。
ラピス・ルナのシャルドネは、オレンジゼストや完熟パイナップルを思わせる華やかな果実味に続いてトーストやバニラの香ばしい樽香が感じられ、完熟リンゴや白桃を思わせるフレッシュで活き活きとした果実味に、僅かにアクセントを添える風味の良いバターのような余韻があり、厚みのあるしっかりとしたコクの奥深い味わいのワインです。
シュークリームやアップルパイに合わせるワイン
ブリュット・キュヴェ・デ・ザンジュ カーヴ・ド・モンルイ NV
ロバート・パーカー氏が「フランスの掘り出し物の花園」と呼ぶロワール地方のカーヴ・ド・モンルイが造る自然派スパークリングワイン。
通常、ロワール地方では、タンク内で大量のワインを一気に二次発酵させるシャルマ方式でスパークリングワインの造るのが主流ですが、このスパークリングワインは、シャンパンと同じ方式で造られるシャンパーニュ製法で造られ、石灰質の天然の地下熟成庫でゆっくり熟成されるため、きめ細かでエレガントなスパークリングワインに仕上がっています。
活き活きとした酸味と、凝縮した蜂蜜の香りに果実味のコクと旨味が特徴のシュナンブランを100%使用しています。
ブリュット・キュヴェ・デ・ザンジュ カーヴ・ド・モンルイ NVのご注文はこちら
ラ・エスカパーダ ロング・ワインズ NV
スペインのカタルーニャ州バルセロナで造られるこのエスカパーダは、地中海性気候と250mの高い標高に、シャンパーニュ地方と同じ石灰質土壌という恵まれたテロワールを持つことから、フレッシュな果実味と酸味とミネラル分の強いブドウが育つため、シャープな切れ味と複雑性をもった格調高いワインが生まれます。
栽培醸造家であるダミア・ディアスの哲学は「この地の持つテロワールを反映したワインを造ること」。
15か月というシャンパーニュの規定にも劣らない熟成期間を経て生み出されるこのカヴァは、安定した細やかな勢いのある泡立ちに、ブリオッシュや蜂蜜の複雑な香りが、グラスから溢れ出し、きれいな酸味と果実味とのバランスが素晴らしい1本です。
マジア・J・スパークリング アルケミー・ワインズ
アルケミー・ワインズは、フランス・ボルドーとのつながりが長く、ワインの教育・普及に最も力を入れている国イギリスに資本をおく会社で、実際にマジアJを作るのは、1850年からの歴史あるワイン生産者、ボデガス・フェルナンド・カストロです。
ボデガス・フェルナンド・カストロは、サンタ・クルス・デ・ムデーラという地で、代々ブドウ栽培からワイン造りまでを手掛ける伝統的な作り手で、一番に品質を重んじており、独自の醸造ラボ(研究所)を作り、醸造の全プロセスを通じて、完成度の高いワイン造りを目指しています。
この地域は、日照時間が長く、また標高が高く寒暖の差が大きいため自然とブドウがしっかり熟し、多くの動植物にとっては過酷な環境ですが、その分虫や病害も少なく、自然に任せたブドウ栽培を行うことができます。
そして収穫されるブドウは品種の特性をしっかり表現した、凝縮感のある素晴らしい品質のワインになります。
アイレン100%で造られるこのブラン・ド・ブランは、スッキリとした、ライムや青リンゴ、杏のようなアロマに、イースト由来のパンのようなアロマと、ハーブを思わせるドライな香りが感じられ、フレッシュな果実味にキリっとした辛口の軽快なスパークリングワインです。
マジア・J・スパークリング アルケミー・ワインズのご注文はこちら
ルイ・ル・グラン・ブラン・ド・ブラン
ドメーヌ・ピエール・シャヴァンは、南フランスで古くから栄えたワイン産地、ベジエという町の近郊にあり、若手醸造家として今フランスで注目を集めるファビアン・グロス氏が設立した新しいワイナリーです。
フランスでも最大手のワイン生産会社の一つ、「グラン・シェ」で醸造家として、若くして頭角を現したグロス氏は、ボルドーや南仏をはじめいくつかのブドウ畑を見て回り、このベジエ近郊のポテンシャルの高さに注目し、ワイナリーを設立しました。
ドメーヌ名の「ピエール」は、「石」を意味しており、ベジエのブドウ畑の特徴で、ごろごろと石が表面を覆っている、痩せた土地を表現しています。
畑の石は、昼間は太陽の光を照り返し、夜はブドウ畑の熱を保ち、ブドウの完熟を助けてくれます。
そんな、ドメーヌ・ピエールが手掛けるブラン・ド・ブランは、ライム、青リンゴ、ネクタリン、洋梨を思わせる香りが華やかに香ります。
さっぱりとしてクセがなく飲みやすいタイプなので、いろんな場面で重宝する1本です。