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アメリカワインの生産量は、イタリア、フランス、スペインについで世界第4位。
ニューワールドワインの代表とも言えるワイン大国ですが、アメリカワインのじつに90％はカリフォルニア州で生産されているため、アメリカワイン＝カリフォルニア産のワインがほとんど。
そこで、本日はアメリカ国内でも希少なバージニア州のワインについてお話します。
バージニア州ワインの特徴
バージニア州は、アメリカ合衆国東部、大西洋岸の南部に位置する州で、首都であるワシントンD.C.に隣接しており、広さはアメリカ国内では50州中35位とそれほど広い州ではありませんが、それでも北海道以上の広さがある広大な土地で、自然が豊かな州です。
そして、カルフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州に続き、実はアメリカ国内でも5本の指に入るワイン産地で、約300のワイナリーがあります。
バージニア州のワイン造りの歴史は古く、約400年ほど前にさかのぼり、アメリカワイン発祥の地とされています。
イギリスの植民者がジェームズタウンに最初に定住してから12年後、10本のブドウ樹を植えたのがはじまりで、1762年には、バージニア州でワイン用ブドウを栽培できることが証明され、10年間かけてトーマスジェファーソンがバージニアワインカンパニーの支援を得て、モンティチェロの彼の敷地の近くに2,000エーカーのブドウ畑とワイナリーを作りました。
19世紀に入り、ネイティブアメリカンのブドウから造られたワインが、1873年のウィーン万国博覧会で最高の赤ワインとして受賞し、1889年のパリ万国博覧会でも金メダルを獲得しました。
このことで、バージニア州のワイン産業は大きく発展していきましたが、1920年から13年間におよぶ禁酒法によりワイン産業は一気に停滞期を迎え、1970年代に入り6つの新しいワイナリーが設立され、バージニア州のワイン作業はようやく本格的な復興が始まりました。
1976年、イタリアヴェネトのワイン醸造業家であったジャンニ・ゾニン氏が、ワイン産地としての可能性を見い出し、シャーロッツビル近くでバーボスビルヴィンヤードを設立し、さらに5つのワイナリーが誕生しました。
1995年までには46のワイナリーができ、2005年では107のワイナリーがうまれ、現在、バージニア州には約300のワイナリーがあります。
バージニア州のワインは入手困難
カリフォルニア州とヨーロッパの間に位置するバージニア州のワインは、カリフォルニア州や南半球のニューワールドワインよりも、オールドワールドワインとの共通点が多く、ボルドー系品種の特にカベルネフランから造られる赤ワインや、ローヌ系品種のヴィオニエから造られる白ワインがとても高い評価を得ています。
しかしながら、バージニア州のワインはアメリカ国内でも希少価値の高いワイン。というのも、造られるワインはほぼ地元で飲まれてしまう地産地消のワインのため、週末にワイナリー巡りをしてワインを楽しむというのが、バージニア州のワインの楽しみ方の1つでもあり、日本はおろか、アメリカ国内でも地元に行かないとなかなか飲めない希少価値の高いワインなんです。
バージニア州のワイン産地とブドウ品種
バージニア州のワインの生産地域は、ブルーリッジ、バージニア中部、チェサピーク湾、イースタンショア、ハンプトンロード、アパラチア中心部、バージニア北部、シェナンドー地区、バージニア南部、バージニア山脈の大きく10のエリアに分かれています。
特にワイナリーが集中しているのが、バージニア北部と、バージニア中部で、ワイナリーが密集してるエリアは車で15分間隔でワイナリー巡りができます。
歴史的ワイナリーがあり、アメリカワイン発祥の地とも言われているのが、シェナンドー地区のモンティチェロのワイン生産地域。
ジェファーソンヴィンヤーズとバーボスビルヴィンヤードもこの地域にあり、いずれも優れたワインを生み出しており、この地域のワイン造りの歴史を感じられるワイナリーです。
栽培されているブドウ品種は、アルバリーニョ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャンボルシン、シャルドネ、ゲヴュルツトラミネール、マルベック、メルロ、ネッビオーロ、プチヴェルド、ピノタージュ、ピノ・グリージョ/ピノ・グリ、ピノ・ノワール、リースリング、ルカティテリ、ソーヴィニヨン・ブラン、セイヴァルブラン、シラー/シラーズ、タナト、ヴィオニエなどで、とくにカベルネフランから造られる赤ワインや、ヴィオニエから造られる白ワインがとても高い評価を得ています。
