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梅雨の晴れ間は一気に気温も上昇して、だんだんと赤ワインよりも白ワインの方が飲みたいと思う日が多くなってきましたね。
こんな時期におすすめなのが、ブルゴーニュのコート・ド・ブランと呼ばれる世界屈指の白ワインの名醸地の1つであるシャサーニュ・モンラッシェの白ワイン。
ふくよかで複雑なアロマで肉づきのあるリッチな味わいは、休日にゆっくりと家で味わうのにとてもおすすめです。
そこで、本日はシャサーニュ・モンラッシェのワインについてお話します。
世界屈指の白ワインを造るシャサーニュ・モンラッシェ
シャサーニュ・モンラッシェは、世界屈指の白ワインを造るコート・ド・ボーヌに位置し、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェの3つの村は、「ブルゴーニュのコート・ド・ブラン」と呼ばれることもあるほど、世界最高の白ワインを生み出す産地として有名です。
人口はわずか300人あまりの小さな村でありながら、作付面積の約半分がプルミエ・クリュという恵まれたテロワールをもっており、19のプルミエ・クリュ(約160ヘクタール)と、3つのグラン・クリュ(11ヘクタール)からは、赤ワイン白ワインどちらも生産されています。
白ワインの銘醸地というイメージが強いシャサーニュ・モンラッシェですが、意外にも1980年代頃までは白ワインより赤ワインの生産量のほうが多かったほどで、現在でも生産されるワインの約30%は赤ワインが造られており、ピノ・ノワールに適する土壌を持つ畑も多く、香り豊かでしっかりとしたミネラルのある洗練された赤ワインが多く生み出されています。
しかしながら、白ワインの名醸地としてのイメージが強いため市場からは白ワインを求められることもあり、あえてコート・ド・ボーヌ ヴィラージュに格下げして赤ワインを生産している生産者もおり、赤ワインは高品質でありながら、過小評価されている部分もあるため、あえて、シャサーニュ=モンラッシェの赤ワインを選んでみるのもおすすめです。
シャサーニュ・モンラッシェのテロワール
シャサーニュ・モンラッシェ周辺の気候は他のブルゴーニュの産地同様に大陸性気候で、夏は暖かく乾燥し、冬は厳しい寒さがあり、春はブルゴーニュの北部の中でも早く訪れますが、寒い春の朝は霜害のリスクがあります。
また収穫期には天候が変わりやすく、ブドウの出来が毎年変わります。
標高は220〜325mの東向きの斜面に畑が広がっており、土壌はディジョンからサントネまで続く約45 kmの石灰岩の断崖であるコートドールの斜面は、石灰岩が多く含まれており、褐色の石灰岩、または粘土石灰質の泥灰土と石灰岩が交互になっており、石灰質、泥灰質、砂利質に砂質と多様性に富んでいます。
ただし、シャサーニュ・モンラッシェ村の南にあるブドウ畑と北にあるブドウ畑の土壌には明確な違いがあり、南部では、石灰岩の泥灰土と赤い砂利の濃度が高く、ピノ・ノワールに適した土壌です。
北部は、柔らかい泥灰土に細かい石灰岩の構造になっており、シャルドネの栽培に適しています。
シャサーニュ・モンラッシェのワインについて
前述のとおりシャサーニュ・モンラッシェではシャルドネから造られる白ワインが著名ですが、良質なピノ・ノワールの赤ワインも多く造られており、赤い砂利質土壌の泥灰土の土壌で育つピノ・ノワールは、香り高いアロマのあるフルーティーで肉付きのよい洗練された赤ワインになります。
赤ワインは村名ワインでもしっかりとしたボリュームのある味わいで、価格に対して品質が良いものが多くあります。
また、石灰岩の土壌に植えられたシャルドネから造られる白ワインはヘーゼルナッツなどのふくよかで複雑なアロマに、リッチで豊満なボディがあり、ピュリニー・モンラッシェよりも、シャサーニュ・モンラッシェの方が堅くなく、柔らかさがあり、早く飲み頃が来るとされています。
プルミエ・クリュのワインは15年程の熟成に耐えられますが、グレートヴィンテージのものやグラン・クリュのものはそれ以上の熟成が可能です。
シャサーニュ・モンラッシェのグラン・クリュ
シャサーニュ・モンラッシェには、3つのグラン・クリュがあり、中でも、偉大な畑としてシャサーニュ・モンラッシェを代表するのが、8ヘクタールの広さを持つモンラッシェです。
モンラッシェの畑は、ピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェにまたがっており、シャサーニュ側の区画で造られたワインだけがル・モンラッシェと表記できます。
ル・モンラッシェは丘の上で最高の位置にあり、ブドウの木は南東に完全に傾斜し、豊富な日照量によってブドウはしっかりと熟します。
また、この傾斜と小石や砂利などが優れた排水性をもっており、余分な水をためこまず、ブドウの樹は、地中深く根をはりめぐらせ、
ブドウの果実に豊かなミネラル分を与えます。
2つ目のグラン・クリュであるバタール・モンラッシェは、モンラッシェ同様にピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェにまがっており、グラン・クリュ斜面の最下部に11.97ヘクタールの畑が広がっています。
小石の石灰岩土壌で、粘土の割合が高いため、排水は丘の上ほど効果的ではありませんが、独特なミネラル感のあるリッチで力強いワインが出来上がります。
3つ目のグラン・クリュであるクリオ・バタール・モンラッシェは、シャサーニュ・モンラッシェ村にのみあるグラン・クリュで、広さが1.57ヘクタールしかないため、ほとんど市場に出回らず非常に貴重なグラン・クリュです。
シャサーニュ・モンラッシェのおすすめワイン3選
シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ザンブラゼ メゾン・ルロワ
ブルゴーニュ好きでルロワのワインに憧れを抱かない人はいない、という程の圧倒的存在感を持つマダム・ルロワは、現役のブルゴーニュの伝説的人物。
マダム・ルロワは、『ブルゴーニュの完全主義者』として知られており、自社栽培のブドウはビオディナミで栽培され、驚く程の低収量で造られます。
ルロワのワインはどれをとっても優雅で奥深く、エレガントなドレスのように華やかで薫り高く、熟したベリーを煮詰めたような濃縮感がありながら、きめの細かいボディは他に類を見ないブルゴーニュワインです。
そのマダム・ルロワの経営するネゴシアンブランドが、メゾン・ルロワです。
ブルゴーニュで最も高価なワインの一つとして知られる、ルロワのドメーヌものに対して、ネゴシアンものは、要素がやや控え目ですが比較的リーズナブルと言えます。
今が飲み頃、複雑な味わいを楽しめる熟成ワインです。
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シャサーニュ・モンラッシェ ルージュ ドメーヌ・ヴァンサン・エ・フランソワ・ジョアール
1820 年から200年以上続く歴史あるドメーヌで、現在はら5代目のヴァンサンとフランソワの兄弟がドメーヌを取り仕切っています。
もともと栽培するブドウの多くを著名なネゴシアンに販売していた為、ドメーヌの元詰めワインはほとんど市場に出ることはなく、日本でもあまり知られていない生産者ですが、
シャサーニュ・モンラッシェの中でも素晴らしい土地に畑を所有しており、複数のプルミエ・クリュの他に、グラン・クリュ「バタール・モンラッシェ」を所有しています。
樹齢50年以上の古樹のブドウのみを使用して造られるため、ヴィエイユ・ヴィーニュと記載しています。
生産量のじつに95%が白ワインで5%のみ赤ワインを造っており、このシャサーニュ・モンラッシェ・ルージュは、とても希少で古樹ならではの深い味わいとエレガントさのあるワインです。
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モンラッシェ・グラン・クリュ ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
ワイン愛好家の間でこの名を知らない方はいないのではないでしょうか。
神秘、奇跡とも称される「ロマネ・コンティ」を単独所有する醸造元として知らぬ者のない名門中の名門、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)。
そのDRCが手掛ける最も稀少なワイン、モンラッシェ。
シャサーニュ・モンラッシェ村モンラッシェ畑グラン・クリュ8ha中0.7haを所有。
ワインの生産量だけで言えばD.R.C.で最も希少なワインと言える「モンラッシェ」。
わずか0.7haの畑から造られる年産3000本にも満たないワインは、世界的にも希少なワインと言えます。
光輝く黄金色、押さえきれないほどの豊かなアロマに、圧倒的に広がるボリューム感は、まさに世界最高の白ワインと呼べます。