イースターで活躍!聖なるワインと呼ばれるヴィンサントとは

イースターで活躍!聖なるワインと呼ばれるヴィンサントとは
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イースターで活躍!聖なるワインと呼ばれるヴィンサントとは

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聖なるワインと呼ばれるヴィンサントとは

日本でもこの数年で一気に4月のイベントとしてイースターが意識されるようになりましたが、そのイベントの意味などについて知っている方は多くはありませんよね。
イースターは、十字架にかけられて亡くなったキリストが、その3日目に復活したことを祝う「復活祭」です。
そしてイースターは、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日とされるため、年によって日付が異なり、2023年は4月9日(日)がイースターです。
そんなイースターの時期に、イタリア・トスカーナ州ではデザートワインのヴィンサントが復活祭のお祝いのお酒として、アーモンド風味のビスコッティに合わせて飲まれます。
そこで、本日はイタリアで聖なるワインと呼ばれるヴィンサントについてお話します。

ヴィンサントとは

ヴィンサントは、イタリアのデザートワインの1つで、ヴィンサント (Vin Santo) もしくはヴィーノサント (Vino Santo) と表記され、
「聖なるワイン」と呼ばれるトスカーナ州の代表的な食後酒です。
ヴィンサントは伝統的にイースターの時期に復活祭のお祝いのお酒として、アーモンド風味のビスコッティに合わせて飲まれています。
トスカーナ州が主な産地ですが、イタリアの中北部の各地で造られており、それぞれの製法で造られたヴィンサントがDOCに認定されています。
トスカーナ州とウンブリア州とマルケ州の一部で造られるヴィンサントは、おもにトレッビアーノやマルヴァジーアといった白ブドウ品種から造られる白ワインタイプのヴィンサントが主流ですが、サンジョヴェーゼを使った赤ワインタイプのオッキオ・ディ・ペルニーチェと呼ばれるヴィンサントもあります。
白ワインタイプのヴィンサントは、ヘーゼルナッツ、キャラメル、ハチミツ、トロピカルフルーツ、ドライアプリコットやイチジクといったアロマがあり、赤ワインタイプのヴィン・サントは、ドライフルーツ、カラメル、チョコレート、コーヒー、タバコなどのアロマがあります。

ヴィンサントの歴史

乾燥させたブドウからヴィンサントワインの歴史は、通常のワイン自体の歴史とほぼ同じくらい古くから造られています。
ヴィンサントワインの名称の由来については諸説あり、もっとも古い文献では、14世紀頃フィレンツェの商人たちの販売記録が残っており、そこからローマなどに広まって、イタリアの他地域で生産された同じ製法のワインをまとめてヴィンサントと呼ばれるようになったという説と、サントリーニ島がヴェネツィアの支配下にあった当時、ギリシアから輸入していたギリシア産の甘口ワインがとても人気があり、積み荷にサントリーニ島を意味する「サント (Santo) 」と、ワインを意味する「ヴィン (Vin) 」の表記が使われていたため、「ヴィンサント (Vinsanto) 」という言葉が生まれたとされる説があります。
もともとギリシア産の甘口ワインは、非常に高価なもので庶民が簡単に口にできるものではなかったため、ギリシアの甘口ワインをまねて造り出したのが、イタリアのヴィンサントの始まりだと言われます。

ヴィンサントの製法

ヴィンサントに使用するブドウは、9月から10月の収穫後に風通しの良い場所で、麦わらの上に並べたり、垂木などに吊るして、水分が約70%減少するまで最長6ヶ月間ほど陰干ししてから使用します。
この乾燥によりブドウの果実に含まれる水分がなくなり糖分が凝縮され、糖度が高くなります。
発酵のプロセスは生産者により多少異なりますが、ヴィンサントのもっとも特徴的な生産のプロセスの1つに、マドレ (madre) と呼ばれる酵母を用いることがあり、このマドレは古いヴィンテージのヴィンサントが少量使われ、ワインに複雑さをもたらします。
ワインの醗酵も、糖分がかなり高いために難しく、通常最低3年の熟成期間が必要です。
生産者によっては5年から10年熟成させることも珍しくなく、伝統的な製法の場合は、樽はオークではなく栗やネズ、サクラといったオーク以外の樽を使っているところもあり、異なる樽で熟成されたヴィンサントをブレンドすることもあります。

代表的なヴィンサント

代表的なヴィンサントといえばやはりトスカーナのヴィンサントで、ヴィンサント・デル・キャンティ・クラシコDOC、ヴィンサント・デル・キャンティDOC、ヴィンサント・ディ・モンテプルチャーノDOC、ヴィンサント・ディ・カルミニャーノDOCの4つのDOCが有名です。
ヴィンサントデル・キャンティ・クラッシコ DOC の認定地区は、キャンティ・クラッシコ DOCGのものと重複しており、通常のヴィンサントとオッキオ・ディ・ペルニーチェの2種別が造られています。
いずれも出荷できるようになるまでには約3年以上熟成しなければならず、オッキオ・ディ・ペルニーチェの場合、サンジョヴェーゼを80%以上使用し、残り20%分は、地元のブドウ品種を使用することが義務付けられています。
ヴィンサント・デル・キャンティDOCは、トスカーナ州で生産されるヴィンサントのほぼすべてのタイプが造られています。
ヴィンサント・ディ・モンテプルチャーノDOCは、グレケットを単体もしくは70%以上、またはトレッビアーノ・トスカーノ、マルヴァジーア・ビアンカを使用しなくてはならず、残り30%は、それ以外の地元産の白ブドウ品種を使用します。
ヴィンサント・ディ・カルミニャーノDOCは、マルヴァジーア・ビアンカとトレッビアーノ・トスカーノを単体もしくは75%以上使用しなければならず、残り25%は、地元産の白ブドウ品種を使用します。

ヴィンサントと相性のいい料理

ヴィンサントは、地元のトスカーナ料理であるカントゥッチと呼ばれるアーモンド風味のビスコッティと一緒に合わせて食べられます。
伝統的な食べ方としては、このカントゥッチをヴィンサントに浸して湿らしてから食べ、ヴィンサントを少しずつ口に含み味わいます。
食後に飲まれるデザートワインなので、ビスコッティの代わりにドライフルーツやチーズ、赤ワインタイプのオッキオ・ディ・ペルニーチェであれば、チョコレートと合わせるのもおすすめです。

ヴィンサントと相性のいい料理

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