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春というと、どんな食材が思い浮かびますか?
私は、春という言葉から一番に浮かぶのが菜の花。
スーパーに菜の花が並ぶと毎年必ずお浸しやペペロンチーノにしていただきます。
そして、菜の花のほのかな苦みや青い風味と合わせたくなるのがすっきりとした酸味のあるソーヴィニョン・ブランの白ワイン。
この組み合わせを食べると「春が来たな~」と感じます。
そこで、本日は春の食材とワインのペアリングについてお話します。
春が旬の食材
旬の食材を食べると免疫力が上がるなんて言葉を聞いたことがありませんか?
ハウス栽培や養殖などで、年中いつでも食べられる食材が増えてきたため、旬というものが分かりづらくなってきていますが、それでもスーパーなどでは店頭にその季節を感じる食材が並びますよね。
野菜によっては旬を過ぎると旬の時期の半分にまで栄養価が落ちるものもあるんです。
野菜は本来、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノールを多く含んでおり、その栄養素が一番豊富に含まれている時期がその野菜の旬の時期なんです。
ですので、旬を意識して食事をするだけで、いつも以上に栄養素を効率よく摂取することができます。
さて、春が旬の食材というとどんなものが思い浮かぶでしょうか。
冒頭にも挙げた菜の花をはじめ、ふきのとう、ぜんまいといった山菜に、アスパラガス、春キャベツ、せり、かぶ、たけのこなどの野菜、魚介類でいうと、さより、鰆、鯛、しらす、はまぐり、ホタルイカなどがあります。
みなさんもお好きな食材ありますか?
それでは、ここから春の食材を使った料理とそれに合うワインのペアリングをご紹介していきます。
山菜の天ぷら×グリューナー・ヴェルトリーナー
ふきのとうなどの山菜は、さくさくっとした天ぷらにすると、ボリュームのある味わいの中にほんのりとした苦みが感じられて、非常に繊細な複雑味がありますよね。
そんな山菜の天ぷらにおすすめのワインがグリューナー・ヴェルトリーナーです。
グリューナー・ヴェルトリーナーは、オーストリアで最も生産量の多い固有品種で、産地により味わいが多少異なりますが、ホワイトペッパーのようなスパイス香を感じられるものが多いのが特徴です。
ソーヴィニョン・ブランのようなレモンやライムなどの柑橘系のアロマに、トロピカルフルーツやハーブを思わせるフレッシュで清涼感のある果実味を感じられ、キレのある酸味と強いミネラル感にほのかにスパイシーさが加わります。
軽やかで生き生きとしたフレッシュな酸が味わえる早飲みのワインから、熟度の高いプレディカーツヴァインまで造られています。
このキレのある酸とホワイトペッパーのようなスパイシーさが、ほんのりとした苦みが感じられる山菜の天ぷらにベストマッチします。
天ぷらは天つゆではなく、塩とレモンでさっぱり食べるのがおすすめのペアリングです。
山菜が苦手という方は、春が旬のアスパラガスの天ぷらもおすすめですよ。
おすすめのワイン
ランドマーク・グリューナー・ヴェルトリーナー ミスティ・コーヴ
「ソーヴィニヨン・ブランの聖地」と言われるニュージーランドのマールボロのランドマーク的存在ともなっている「マールボロ・サウンド」。
昼間の太陽の熱で海水が蒸発し、この地は霧に包まれるため、ミスティ・コーヴ(霧の入江)という名前は、このマールボロ・サウンドの風景から生まれました。
ここで造られるグリューナー・フェルトリーナーのワインは、柑橘やハーブを思わせる爽やかなアロマに、アカシアのフローラルなアロマ、白コショウを思わせるスパイシーなニュアンスが感じられ、キリっとしたシャープな酸に、しっかりとした果実味と、ほどよいコクのある味わいのワインです。
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菜の花のペペロンチーノとサンセールの白ワイン
冒頭でもお話したとおり、私が一押しのペアリングがこちら。
菜の花のペペロンチーノとサンセールで造られるすっきりとした酸とミネラルたっぷりのソーヴィニョン・ブランの白ワイン。
菜の花を熱湯でさっと茹で、冷水にとって冷まして水気をとり、オリーブオイルを引いたフライパンでにんにくと唐辛子といっしょに炒めて、塩コショウで味付けしたらできあがり!
この簡単な菜の花の料理と驚くほど相性がいいのが、サンセールの白ワインなんです。
サンセールは、シャブリと並ぶフランスの白ワインの銘醸地で、ロワール地方にある産地です。
シャブリから続く「キンメリジャン」と呼ばれる石灰質土壌が広がっており、ここではソーヴィニヨン・ブランから造られる白ワインが全体の85%を占めています。
サンセールでは、完熟したブドウが使われるため、レモンやライム、グレープフルーツといった柑橘系フルーツのみずみずしいフレッシュな果実のアロマが感じられ、キリッと引き締まった酸と、豊富なミネラルを感じるエレガントな味わいのワインになります。
青々とした菜の花の風味がソーヴィニョン・ブランのハーブを感じる清涼感と見事にマッチします。
もし、菜の花が苦手という方は、春が旬の春キャベツのペペロンチーノもおすすめです。
柔らかい春キャベツの葉は生で食べてもおいしいので炒めるのは本当にさっとでOKです。
おすすめのワイン
サンセール・ブラン ドメーヌ・ランボー
サンセール~プイィ・シュール・ロワールを本拠地として3世代続く家族経営の小さな生産者です。
そんなドメーヌ・ランボー・ピノーが手掛けるサンセール・ブランは、レモン、グレープフルーツといった柑橘に、ハーブなどのソーヴィニョン・ブランの特徴的なアロマがあり、
しっかりとしたボディとミネラル感、切れのある酸が味わいを引き締めます。
ハマグリの酒蒸しバターソースとシャブリワイン
春の一大イベントでもあるお雛様の食卓にも欠かせない食材のハマグリ。
ハマグリは3月が旬で、うま味成分であるグルタミン酸をはじめとするアミノ酸が豊富に含まれています。
そのため、シンプルな味付けほどハマグリのおいしさを感じられるので、酒蒸しはとてもおすすめです。
ハマグリ8個に対して、白ワイン100mlと水50ml加えて鍋で蒸します。
貝の口が開いて十分に火が通ったら火を止め、バターを15g加えて余熱で溶かし、塩で味を整えたら完成です。
このハマグリの酒蒸しに合うのが、ミネラルたっぷりのシャープな辛口白ワインのシャブリ!
シャブリというと生牡蠣とのペアリングが王道ですが、牡蠣よりもクセの少ないハマグリは甘味と旨みがダイレクトに感じられて、シャブリのコクとミネラル感がよく合います。
仕上げにバターを入れることで、さらにリッチで旨みのあるスープになっているので、ガーリックトーストなどを浸して食べるとなおおいしいです。
ハマグリが手に入らないときは、アサリでももちろん合いますよ。
おすすめのワイン
プティ・シャブリ ドメーヌ・ジョルジュ
シャブリの中でも南寄りのクルジ村で、元々ブドウ栽培農家として協同組合にブドウを販売していたドメーヌ・ジョルジュ。
2004年に自家元詰めを本格的に開始した若いドメーヌですが、もともとブドウ栽培農家として長い歴史を持っており、栽培はリュット・レゾネで、化学肥料や除草剤を一切止め、自然に近い栽培で、ブドウ樹と自然環境に配慮した、ブドウ栽培をおこなっています。
醸造は、ブドウ本来が持つ繊細さ、複雑さ、そしてピュアな風味やアロマを残すため、全てステンレスタンクで造られます。
そのため、ミネラルとフレッシュな果実味に溢れるシャブリ本来の個性が際立っています。
ドメーヌ・ジョルジュが造るシャブリは、柑橘と青りんごのアロマに、キレのあるシャープな酸と、ほどよいコクのあるミネラル豊富な味わいです。
プティ・シャブリという呼称は、1944年に作られました。
シャブリの中でもより広域の区画を指すものですが、主に「シャブリ」は斜面・丘陵にあるのに対し、プティ・シャブリは平地と丘陵地の上の部分を占めます。
ドメーヌ・ジョルジュのプティ・シャブリは、家族経営ならではのこだわりで、他の畑(シャブリや1級畑)と同じように丁寧に作られています!