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ワインが飲みたいなと思ったときに、おつまみに迷うことありませんか?
それほどお腹がすいていないときなど、しっかりとしたおつまみはいらないけど、ワインだけは物足りない。
そんなときにおすすめなのが、ドライフルーツです。
スーパーでもコンビニでも手軽に手に入れることができ、保存期間も長いのでストックができて、ちょっとワインが飲みたいと思ったときに、すぐにワインと一緒に楽しめます。
そこで本日は、ドライフルーツに合うワインをご紹介します。
ぜひ、ドライフルーツとワインのペアリングをお楽しみください。
ドライフルーツとは
ドライフルーツは、果物の水分量をとばして乾燥させたもので、その歴史は古く紀元前からつくられてきました。
生の果物の水分量はおよそ80~90%で、水分量が高いほどカビなどが発生しやすく、冷蔵庫などの貯蔵技術がなかった時代、天日干しによって水分をとばすことで、カビなどの微生物の活動をおさえ、保存性を高めることを目的につくられていました。
また、ドライフルーツは単に保存性が高いだけでなく、水分がなくなることで、栄養成分が凝縮され効率よく栄養素を摂取することができます。
天日干しによって加工されたドライフルーツは、さらに栄養価が高まるものもあり、健康の面からみても普段果物を摂取する機会が少ない方にはおすすめの食材です。
ドライフルーツとワインはなぜ合うのか?
ドライフルーツがワインのおつまみとして最適なのは、ワインの風味やアロマを表す言葉にドライイチジクやレーズンといった言葉があることからも分かります。
ワインはブドウのみから造られているのに、不思議な事にブドウ以外のフルーツの香りや風味を感じます。
例えば、白ワインであれば、グレープフルーツやレモン、ライムといった柑橘類や、リンゴ、洋ナシ、マルメロ、白桃、バナナ、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツなど、また赤ワインであれば、イチゴやラズベリー、チェリーや、ブラックベリー、ブルーベリー、カシス、プラム、アプリコット、イチジクなど、さまざまなフルーツに例えられることがあります。
そして、このフルーツのほとんどがドライフルーツになっており、凝縮された風味がワインを飲んだ時に感じるフレーバーととても似ています。
このことからドライフルーツとワインの相性が良いのが分かります。
また、フルーツも生で食べるときよりも、乾燥させてドライフルーツにすることでミネラルやポリフェノールなどのフィトケミカルが増えます。
ワインももともとはブドウですが、酵母がブドウの糖分をアルコールに変えることによってワインになります。
その際、タンニンなどのポリフェノールが増え、適量であればブドウをそのまま食べるよりもワインを飲む方が多くのポリフェノールを摂取することができます。
こうした健康面からも、似たような特性があります。
ドライフルーツとワインの合わせ方
よりドライフルーツとワインの相性が良い組み合わせをご紹介しましょう。
そのヒントとなるのが、ワインのアロマです。
前述のとおり、ワインの香りにはさまざまなフルーツがたとえられます。
それぞれのワインが持つ香りに合わせてドライフルーツを選ぶとお互いの風味がより高まる組み合わせになります。
白ワインであれば、グレープフルーツ、レモン、オレンジ、パイナップル、パッションフルーツ、ライチ、マンゴー、白桃、リンゴといったアロマがあるので、こうしたアロマとおなじドライフルーツはとても相性がいいです。
赤ワインであれば、ベリー系のアロマに例えられることが多いので、イチゴ、ブルーベリー、クランベリー、プルーン、アプリコット、いちじくなどのドライフルーツがおすすめです。
また、ワインの色合いとドライフルーツの色を合わせるのも分かりやすい組み合わせ方法です。
白ワインの色合いは、透き通ったライムイエローのような淡い色合いから、レモンイエロー、ゴールドのようなイエロー、オレンジがかったイエロー、アンバーと言われる琥珀色までじつにさまざま。
こうしたイエロー主体の白ワインには、イエローの色味をもつドライフルーツと相性がよいので、イエロー系のドライフルーツは白ワインというざっくりした合わせ方でもOKです。
赤ワインは、ピンクがかったレッドから、紫がかったレッド、オレンジがかったレッドと、レッドが主体の濃い色合いなので、こちらも同じくレッド主体の濃い色合いのドライフルーツと相性がいいです。
ドライフルーツとワインのペアリング10選
ここからは、実際にドライフルーツとワインのおすすめのペアリングについてご紹介していきます。
ブドウの旨味がつまったレーズンと凝縮感のある赤ワイン
ドライフルーツとワインのペアリングで一番にご紹介したいのが、やはりレーズン。
ワインの原料ともなるブドウを干したレーズンは、どのドライフルーツよりもワインとの相性が抜群です。
レーズンに合わせるワインは、凝縮感のある赤ワインがおすすめ。
レーズンの濃厚な甘味と旨みと凝縮感のある赤ワインのアロマと複雑味が合わさり、よりワインの風味を引きたててくれます。
おすすめのワイン
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ テヌータ・ウリッセ
ルカ・マローニ高評価の実力派ワイナリーのテヌータ・ウリッセが手掛けるモンテプルチャーノ100%のこのワインは、鮮やかなルビーレッドの色調で、チェリーやブラックベリー、完熟した赤い果実を思わせる華やかなアロマがあり、しっかりしたボディとタンニンのバランスが見事なワインです。
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プレシーソ・プリミティーヴォ・アパッシメント ワイン・ピープル
イタリア人で唯一、パーカーポイント100点を2回獲得した醸造家ステファノ・キオッチョリ氏の手掛けるイタリアワインらしさが120%感じられるデイリーワイン。
この「プレシーソ」シリーズは、ただのお値打ちワインというだけではありません。
ブドウは栽培家でもあるキオッチョリが、それぞれの品種に合った土地から選んでブドウを作るこだわりよう。
ブドウ畑はプーリア州南部のサーヴァにあり、8月中旬ごろブドウが完熟してきたタイミングでブドウの房を捻り、茎の部分を折った状態でそのまま畑に残し、ブドウの果実の水分を飛ばします。
約12日間天日で乾かし、ブドウの水分が25~30%失われた状態で収穫します。
チェリー、ラズベリー、スグリなど赤いベリーの香りが豊かに広がり、シナモンやナツメグなどスパイスの香り、トーストしたような香ばしいアロマも感じられ、味わいはレーズンやプルーン等ドライフルーツを思わせる濃密な風味があり、ハーブやスパイスの風味も徐々に表れます。
リッチで芳醇な果実の甘みをたっぷり堪能できる華やかな余韻が続き、酸味や渋みとの調和が見事な1本です。
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ほどよい甘酸っぱさのあるドライクランベリーとチャーミングで軽やかな赤ワイン
ベリー系のドライフルーツの中でも人気のクランベリー。
凝縮感のある甘さのなかにもほどよい酸味があって、とってもチャーミングな味わい。
そんなクランベリーには、フランボワーズやチェリーといった赤系果実のチャーミングなアロマと味わいのあるピノ・ノワールがおすすめ。
ピノ・ノワールの芳醇なアロマをより引き出してくれます。
おすすめのワイン
クロワ・サン・タデール ピノノワール
アルマ・セルシウスは南仏でワイン生産の町として有名なベジエの近郊、ヴィルヌーヴ・レ・ベジエ、セール、ポルティラーニュという3つの村で1200ヘクタールの畑を所有しており、数年前から一貫してブドウ品種ごとの特徴を生かしたワイン造りに取り組んでいます。
ブドウ畑には全部で24の品種が植えられており、モザイク模様のようにその土壌に合わせて様々なブドウを栽培しています。
テロワールを反映したこだわりの自然派栽培によって、毎年安定した高品質なワインを造り続けており、コンクールでは毎年金メダルを取得する実力派ワイナリー。
そんなアルマ・セルシウスが手掛けるピノ・ノワールは、ラズベリーやスグリ、ブラックベリー、といった果実の香りにタイムやミントを思わせる甘く清涼感のある香り。
徐々にサンダルウッドのような、エキゾチックな香りが漂います。飲み口はとても柔らかく、優しい渋みと酸味が感じられます。南フランスのピノ・ノワールだけあり、優しい印象でボリューム感と穏やかな酸味の飲みやすいタイプ。
軽く冷やして飲むと、引き締まった上品な味わいが楽しめてお勧めです。
爽やかな甘さのドライアプリコットと透明感のある白ワイン
しっかりとした肉厚の果肉で、ほんのり酸味と爽やかな甘さが感じられるドライアプリコットには、ミネラル感のあるクリーンな味わいの白ワインがおすすめ。
おすすめのワイン
ヴィンヤード・コレクション・シュナン・ブラン
Paarl(パール)地区にある樹齢30~40年のブッシュヴァイのブドウを使用。
ブドウは完全徐梗し、数時間スキンコンタクトさせてからジュースを絞ります。
ブドウ品種が持つピュアな果実味を表現するため、フリーランジュースのみ使用し、発酵が始まる前にそのジュースに不純物が入らないよう、細心の注意を払って造られます。
リンゴ、カリン、柑橘を思わせる果実香、ハチミツ、石灰・貝殻のニュアンスがあり、穏やかな酸とミネラルの中から、しっかりとした果実味が現れる印象で、ボリュームがあり後味に苦みが残ります。
ミネラルに富んだ若々しいフレッシュな味わいで、シーフードや鶏肉料理全般によく合います。
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濃厚な甘味と鉄分のあるドライプルーンと骨格のしっかりしたパワフル赤ワイン
ドライフルーツの中でも少し好き嫌いが分かれるドライプルーンですが、濃厚な甘味と凝縮感の中にある鉄分を感じる味わいは、しっかりとした骨格のあるカベルネ・ソーヴィニョンなどのタンニン豊富なフルボディワインと相性がとても良いです。
タンニンに含まれる渋みとドライプルーンの鉄っぽい味わいが非常にマッチして、ワインの味わいを引き立ててくれます。
おすすめのワイン
パチャ・カベルネ・ソーヴィニョン ヴィニャ・マーティ
「Pacha(パチャ)」とは、南アメリカ大陸の先住民族の信仰した大地母神「パチャ・ママ」のこと。
新世界の土地で育ったブドウと旧世界の伝統的醸造法のハイブリッド、それがこのパチャシリーズの特徴です。
アンデス山脈の裾野に広がる、厳しくも美しいチリのテロワールに畏敬の念を込め、このワインに「パチャ」の名を冠しました。
このシリーズのために厳選されたブドウ畑のカベルネ・ソーヴィニョンを使用したこのワインは、カシスや、ミントのような清涼感のあるハーブの香りと、樽熟成によってもたらされるバニラやカカオのニュアンスがあり、果実味と酸味、滑らかなタンニンが一体となって喉を通り抜けてゆき、長い余韻が感じられる凝縮感のある非常にバランスのよい1本です。
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栄養価の高いドライイチジクと爽快感のある発泡白とフルボディキャンティ
非常に栄養価の高いイチジクは、昔から不老長寿の果物とも言われ日本でも好んで食されてきました。
一口かむと、まるでシナモンのような温かみのある風味で、どこかオリエンタルな雰囲気を感じるドライイチジクには、エレガントな複雑味を持つスパークリングワインや、赤ワインなら、まさにドライフルーツのような凝縮感のある果実味を持つフルボディがおすすめです。
おすすめのワイン
クレマン・ド・ジュラ ヴィニコール・ダルボワ
ジュラ地方で、100年以上の歴史をもつフランスで最古の生産者協同組合の1つでもあるフリュイティエール・ヴィニコール・ダルボワが手掛けるシャルドネ100%の自然派白ワイン。
シャルドネはジュラ地方のブドウ栽培において、全体の42%と最も広範囲に植えられているブドウ品種。
日照量が多く、太陽が照る日中はとても暑くなりますが、標高が高いため夜はぐっと冷え込み寒くなるため、凝縮感のある素晴らしい高品質なシャルドネが育ちます。
淡い黄金色。爽やかな柑橘系果実の香り。ナッティーなニュアンス。酸は穏やかで、軽快なボディ。ミネラルが特徴的で冷涼感あふれたクレマンです。
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キャンティ マレンキーニ
マレンキーニは、100年以上も続く歴史あるワイナリーで、「サンジョベーゼを扱わせたら 右に出るものはいない」と言われた天才醸造家の今は亡き巨匠ジュリオ・ガンベッリ氏が築きました。
そんなマレンキーニが手掛けるキャンティは、比較的新しい畑から収穫されるサンジョベーゼを使用し、ヴィンテージによりメルローをブレンドすることもあるというスタンダードクラスながらハイクオリティのキャンティです。
赤いベリー系の果実の香りが若々しく、味わいにも好印象のかわいらしい果実味を感じます。
それでいてボリューム感も程よくあり今飲んでおいしいコスパ高なキャンティです。
トロピカルな風味が凝縮されたドライマンゴーと芳醇なアロマをもつコクのある白ワイン
南国の代表的な果物でもあるマンゴーはみずみずしく凝縮感のある甘味に、しっかりとした繊維があり、鼻に抜ける風味がまさに南国を彷彿とさせます。
そんなマンゴーの水分を抜いて、より凝縮感のある甘味と風味を閉じ込めたドライマンゴーには、この香りと風味に負けない芳醇なアロマとコクのある白ワインがぴったり!
おすすめのワイン
クラシック・ブラン シャトー・リヴィエール・ル・オー
ラングドック最上位のテロワールの1つとされる「ラ・クラープ」は、飛びぬけて優れたワインを生み出すポテンシャルをもっており、安旨ワインの産地というラングドックのワインのイメージを変えるほど。
そんなラ・クラープで、シャトー・ラフィット・ロートシルトの元醸造責任者が造るワンランク上のスタンダードワインは、春に咲く花を束ねたようなエレガントなブーケ、アカシアの花、そしてアニスやフェンネルを思わせるスパイスのアロマがあり、白桃を思わせる柔らかい風味とミネラル感、滑らかな質感で、非常にリッチでバランスのとれた味わいと長い余韻が楽しめます。
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ほどよい酸味のあるドライレモンとすっきり爽快感のある白ワイン
ドライレモンは、レモンの皮のアロマを残しつつも、酸味が穏やかでほんのりと甘く、ほろ苦さも感じられるさっぱりとしたドライフルーツ。
そんなドライレモンには、ミネラルがたっぷり感じられるすっきりとした白ワインがおすすめ。
おすすめのワイン
チャコリ・アレチャガ ボデガス・ビルヘン・デ・ロレア
チャコリは美食の中心地スペイン・バスク地方の地酒として家庭やバルで親しまれているワインです。
ボデガス・ビルヘン・デ・ロレアは、17世紀からの歴史を持つワイナリーで、さらに地元の栽培農家とも提携して高品質なビスカイコ・チャコリーナ(チャコリ・デ・ビスカヤ)を生産しています。
その畑は‘チャコリ’を製造する単一畑としては世界最大規模を誇り、全体のおよそ10%を占めています。
ボデガス・ビルヘン・デ・ロレアの手掛けるチャコリは、ライムや洋梨、リンゴ、ハーブを思わせるフレッシュかつフルーティーなアロマ。
チャコリ特有の力強い酸と、豊富なミネラルと、わずかな塩味。透明感がありながらもエレガント、バランスの取れた味わいです。
チャコリ・アレチャガ ボデガス・ビルヘン・デ・ロレアのご注文はこちら
甘味がぎゅっとつまったドライパイナップルとトロピカルフルーツのような白ワイン
乾燥させたパイナップルは、生のパイナップルで感じられるわずかな酸味もなくなるので、とにかく濃厚な甘味!
そんなドライパイナップルと合うのが、こちらも南国を彷彿とさせるニュージーランドのソーヴィニョン・ブラン。
パッションフルーツなどのトロピカルなアロマがドライパイナップルとぴったり!
おすすめのワイン
エステート・ソーヴィニョン・ブラン ミスティ・コーヴ
ニュージーランドの白ワインといったら、ソーヴィニョン・ブラン!
このミスティ・コーヴは、2008年の創業からわずか数年で世界の名だたる賞を次々と受賞し、多くの評論家から絶賛されるニュージーランドワインの新星。
エステートシリーズは、ミスティ・コーヴのワインの入り口ともなる、最もスタンダードなシリーズ。このソーヴィニョン・ブランは、透明感のある淡いイエローにやや緑を含んだ色合いで、青い草原を駆け抜けるような青く爽やかなアロマの中にスパイシーでいてハーバルなニュアンスも感じられます。
香りとは裏腹にしっかりとした酸味、採れたてのパッションフルーツが口の中で弾けるようなインパクトがあり、余韻の長さにも驚きます。