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地中海に接し中東の中で唯一砂漠のない国レバノン。
首都のベイルートは「中東のパリ」と謳われるほど、ヨーロッパを思わせる美しい街並みが広がり、フランス統治領時代にフランスの影響を強く受けたことで、フランス語が準公用語のようになっています。
そんなフランスの影響はもちろんワイン文化としても強く残っており、カベルネソーヴィニヨン、シラーといったフランスでよく使われる品種が中心に栽培されてます。
また、大きな山脈2つに挟まれた特有の地形で、乾燥した気候ながら、豊富な地下水がありブドウ栽培に最適な環境が揃っており、有機栽培の良質なワインが生み出されています。
そこで、本日はレバノンワインについてお話します。
レバノンワインの歴史
レバノンのワイン造りの歴史は、紀元前7000年までさかのぼります。
この頃には、すでにワインが造られていたと言われ、世界最古のワイン造りの産地の1つと言えます。
紀元前3000年になると、当時フェニキア人と呼ばれていた現在のレバノン人が、エジプトからスペインといった地中海沿岸にワインを輸出し、ヨーロッパワインの先駆けとなる重要な役割を果たしました。
しかし、16世紀に入りオスマン帝国によるイスラム教支配によりレバノンのワイン文化は途絶えてしまいました。
そんなレバノンワインに大きな転機が訪れたのが、1918年、レバノンがフランス統治領となり、1943年までのフランス統治領時代に、
フランスワインの影響を強く受けるようになり、カベルネ・ソーヴィニヨンといったフランスでよく使われる品種が使われ、また、レバノンの地質がシャブリやシャンパーニュやロワールといったフランスワインの銘醸地の地質と似ており、気候もそれぞれの産地に似ていることから、フランスのニュアンスを持ったワインが造られています。
現在、レバノンには40を超えるワイナリーがあり、レバノンは限りない可能性を秘めた産地として注目が集まっています。
レバノンワインの特徴
レバノンは、北と東にシリア、南にイスラエルと隣接しており、西側はすべて地中海に面した南北に長い地形をしています。
フランス統治領時代があったため、フランスの影響が強く、フランス語は準公用語として使われています。
中東というと、乾燥した砂漠地帯がイメージとして浮かびやすいですが、レバノンは、レバノン山脈と、シリア側にあるアンチレバノン山脈の2つの山脈に挟まれたベカー高原があり、非常に豊かな自然に恵まれた土壌で、ほぼ全土が穏やかな地中海性気候でワインの産地としては理想的な環境です。
山の雪解け水が豊富な地下水となり、ブドウ栽培に重要な役割を果たしています。
産地・ブドウ品種
レバノンの主なワイン産地は、ベカー高原で、東西を3,000メートル級の山脈で遮られた海抜900メートルの高地のため、地中海から湿った風が流れ込むことなく気候は乾燥しており、ベカー高原の中心都市の1つチュタウラの年間平均気温は15.4度と冷涼な気候です。
しかし、夏の日中には気温が40度を超えることもありますが、夜になると冷え込み、冬にはブドウ畑に雪が降り積もることさえあるという、非常に気温差の高い気候のため、ブドウはしっかりと糖度が上がりながらも、酸も保てて、凝縮感のあるブドウが造られます。
また、年間の降水量は701mmで、降水のほとんどは晩秋から春にかけてあり、夏のあいだはほとんど雨が降らず乾燥しているため、ベトカビ病のような病害も虫害もほとんどなく有機栽培が可能なのです。
レバノンで主に造られている品種は、黒ブドウではカベルネソーヴィニヨン、シラー、ピノノワール、白ブドウでは、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、ヴィオニエ、ミュスカといった、やはりフランスで主に栽培されている品種が中心ですが、19世紀に、イエスズ会の修道士たちによって栽培されていた、マカブー、カリニャン、サンソーといった伝統品種と、古代品種のオベイディも最近注目されるようになり、ヨーロッパ系品種とのブレンドワインも増えてきました。
メッサーシ、サッバギーエ、メルワなどレバノンの固有品種もあり、ヨーロッパ系品種とブレンドされて、個性的なワインが造られています。
おすすめワイン
シャトー・クサラ ロブセルヴァトワール
シャトー・クサラは、標高1,000mを超すレバノンワインの名産地ベッカー高原で1857年からワインを造り続ける老舗ワイナリーです。
レバノンワインの歴史をそのまま映しだすようなワインは、世界的にも高い評価を受けています。
蒸留酒アラックの原料でもある古代品種のオベイディが30%入っており、その他ミュスカ30%、クレレット30%、ソーヴィニヨン・ブラン10%といったヨーロッパ系品種がブレンドされたワインで、花やすみれのフローラルなアロマが印象的で、口当たりはフレッシュかつフルーティーな柑橘系の皮の渋みが少し感じられ、味わいを引き締めています。
余韻に残る、ミネラル感とシトラスのような風味が特徴です。
爽やかさがありながらも、濃厚なボディを持つ白ワインです。

シャトー・ミュザール 2009
シャトー・ミュザールは1930年にガストン・ホシャールによってレバノンのベカー高原に設立されたワイナリーです。
シャトー・ミュザールはレバノンで初めてオーガニック栽培の認証を取り、醸造ではできる限り介入を抑え、自然のままのワイン造りを心がけています。
カベルネ・ソーヴィニョン、サンソー、カリニャンといったヨーロッパ系品種がブレンドされたこのワインは、9ヶ月間セメント・タクにて発酵・熟成し、その後一年間フレンチ・オークで熟成、ブレンド後、9ヶ月タンクで熟成させてからボトリング、さらに3~4年瓶熟させ、収穫から7年後にリリースされています。
スモーキーでスパイシーな香りはブラック・フルーツ、トースト、ダーク・チョコレートの香りが印象的で、味わいは骨格がしっかりとしていて豊かな果実味に加え、フィニッシュは長く、上質で滑らかなタンニンが味わえます。

プリウレ・クサラ
白ワインのシャトー・クサラ ロブセルヴァトワールと同じシャトー・クサラが手掛けるコストパフォーマンスの高い赤ワイン。
高い醸造技術をもつレバノンのトップメーカーが技術が余すところなく発揮し、南仏でもよく用いられる品種、カベルネ・ソーヴィニヨン、サンソー、ムールヴェードルを絶妙なバランスでブレンド!
カベルネソーヴィニヨンならではの重厚感のある味わいに、ブラックベリーやプラムの濃厚な香りと、土や獣臭、ピーマンなど複雑なアロマが絡み合って、スパイシーでコクのあるニュアンスが備わった華やかな果実感と厚みのあるボディは飲みごたえ抜群のワインです。

クロ・ド・カナ ジャルダン・サクレ
クロ・ド・カナは、ベッカー高原にあるワイナリーで、新興ワイナリーながら少量生産の一本一本丁寧なワイン造りで、世界コンクールで数々の受賞をしている実力派です。
そんなクロ・ド・カナが手掛けるこのワインは、レバノンの超希少品種サッバギーエを100%使用!
収穫量はわずかですが、その中でも更に選りすぐられた良質な果実だけを摘み取り醸造されています。
サッバギーエは、「秘密の花園」を意味するブドウ品種で、その名の通り、神秘的な深紅の色合いをしており、クロスグリやリコリスのエキゾチックなアロマが特徴です。
溢れんばかりのベリー感じるフルーティーな味わいで、ほのかに香るスパイスとやわらかな酸、滑らかな口当たりが心地よく、エレガントさとエキゾチックさを兼ね備えた魅力的なワインです。











