250年の時を経て落札された!黄色ワイン「ヴァン・ジョーヌ」のお味は?

250年の時を経て落札された!黄色ワイン「ヴァン・ジョーヌ」のお味は?

250年の時を経て落札された!黄色ワイン「ヴァン・ジョーヌ」のお味は?

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2018年5月26日、フランス東部ロンルソーニエで行われた競売で、
ルイ16世時代に造られた1774年産のワインが史上最高額で落札されました。

ワインはジュラ地方の銘酒「黄色ワイン(ヴァン・ジョーヌ)」で、
競売にかけれたのは計3本。
このうちの1本がなんと、10万3,700ユーロ(約1,320万円)
というから驚きです!

残る2本も、7万6250ユーロ(約970万円)と
7万3200ユーロ(約930万円)と、
これまでの記録を上回る価格で落札されました。

250年熟成された黄色ワインヴァン・ジョーヌ

(c)AFP PHOTO / SEBASTIEN BOZON

黄色ワイン「ヴァン・ジョーヌ」とは?

ヴァン・ジョーヌは、フランスのジュラ地方のワイン。
『ジョーヌ』はフランス語で『黄色』という意味で、
言葉の通り黄色い外見が特徴のワインです。

ヴァン・ジョーヌは、サヴァニャンという葡萄品種を使用します。
収穫後、一旦は通常の工程で白ワインを作り、
木樽に詰めて熟成をさせるのですが、
ここから先がヴァン・ジョーヌならではの特殊な造り方になります。

樽熟成を進めていくと、空気が接触することにより、
樽の中のワインが少しずつ気化して目減りしていきます。
通常のワインであれば、ここで過度な酸化を抑えるために、
ウイヤージュ(同じワインを樽に足す作業)をするのですが、
ヴァン・ジョーヌはそれを行いません。

結果、ワインは酸素と接触を続けることになり、
産膜酵母という酸素を好む菌が活発化して、
ワインの表面には『フルール』という皮膜が形成されます。
このフルールこそがワインを徐々に黄色に変化させ、
「黄金の味」と表現されるヴァン・ジョーヌの味わいになるのです。

ヴァン・ジョーヌは、木樽熟成時のフルールがあってのもの。
なので、樽熟成はなんと6年間も熟成させることが義務付けられているのです。
こんな特殊な造り方をするヴァン・ジョーヌ、
長期熟成に向いているワインと言えます。

約250年前の熟成ワイン「ヴァン・ジョーヌ」のお味は?

さて、約250年もの長きにわたって温存されていたヴァン・ジョーヌ
気になるそのお味はどんな感じなのでしょう。

1994年に、今回の市場最高額で落札されたヴァン・ジョーヌと、
同生産者・同世代のヴィンテージのものを
ワイン専門家たちがテイスティングしました。
「クルミやスパイス、カレー、シナモン、バニラ、
そしてドライフルーツの風味がする」と表現し、
10点満点で9.4点を付けたそうです。

なんだか複雑そうな味ってことは分かりますね。
ヴァン・ジョーヌは、日本ではあまり見かけないワイン。
ワインショップソムリエでも、今は残念ながら取扱いがないのですが、
飲む機会があれば是非一度試してみてください。

1,320万円のワインの味の片鱗が味わえるかもしれませんよ。

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