ワインに入っている酸化防止剤って何?二日酔いの原因になる?頭痛を引き起こすって本当?

ワインに入っている酸化防止剤って何?二日酔いの原因になる?頭痛を引き起こすって本当?
→数年ぶりにリアルイベント開催!お得な前売券販売中

ワインに入っている酸化防止剤って何?二日酔いの原因になる?頭痛を引き起こすって本当?

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

ワインの酸化防止剤は頭痛を引き起こすって本当?

「ワインに入っている酸化防止剤は二日酔いの原因」
「ワインの酸化防止剤が頭痛を引き起こす」なんて、
ワイン好きの方なら一度を耳にされたことがあるのではないでしょうか。
ワインに入っているこの酸化防止剤ってどんな物質で、
どんなメリットがあって入れているのか。
本日は、ワインの酸化防止剤についてお話したいと思います。

ワインに入っている酸化防止剤とは?

市場に出回っているほとんどのワインに使用されている酸化防止剤は、
二酸化硫黄と呼ばれるもので、ボトルの裏に貼られているラベルには
「亜硫酸塩」と記載されています。
二酸化硫黄とは、硫黄が酸化した状態で火山活動でも発生する自然界に存在する物質です。
この二酸化硫黄は、ワインの酸化を防止するだけでなく、ドライフルーツや甘納豆、
かんぴょうなどの食べ物を漂白する漂白剤としても使われています。

なぜ酸化防止剤を入れるの? その効果・役割とは

それでは、なぜワインにこの酸化防止剤を入れる必要があるのか。
二酸化硫黄(亜硫酸)を使うことのメリットは、
「酸化防止」と「殺菌効果」の2つがあります。

ワインの中のアルコールは酸素と触れ合うことで酢酸が生成されます。
酸化が進みすぎるとワインは酸味が強くなり、味わいが変わってしまいます。
そんなワインの酸化を防ぐため、酸化しやすい性質を持っている二酸化硫黄を入れることで、
ワインのアルコールよりも先に酸素と結合してワインの酸化を防いでくれます。
さらに、二酸化硫黄はアルコールが酸化した結果うまれるアセトアルデヒドと結合し、
すでに酸化した状態からも回復してくれます。

また、収穫したブドウは果皮に雑菌がついているため殺菌が必要です。
さらに、樽などの醸造器具の殺菌効果もあり、殺菌することによって
雑菌から生まれる不快なニオイの生成を抑制し、
ワインの味わいや香りに悪影響を及ぼすし悪玉酵母や雑菌の繁殖を防ぎます。

頭痛の原因は酸化防止剤のせい? 体に悪くないの?

冒頭でも触れた「ワインに入っている酸化防止剤のせいで頭痛が起きる」というのは、
本当なのでしょうか。
まず、二酸化硫黄を大量に摂取すれば人体に有害であることは間違いありません。
しかし、ワインに含まれる二酸化硫黄は他の食品と比較しても低濃度で、
人体に影響が出るレベルではありません。
先ほどもお話したとおり、ワインに限らず二酸化硫黄は食品の漂白剤としても
使用されており、他の食品の含有量と比べてもかなりの低濃度なのです。

最近は、ワインを飲んで頭痛が起こる原因は二酸化硫黄ではなく、
「ヒスタミン」や「チラミン」という物質が頭痛を引き起こす
という説が有力になっています。
これは、マロラクティック発酵という工程で発生する物質で、
主に赤ワインに含まれています。
それぞれの物質が持つ血管の拡張と収縮の作用が頭痛の原因となることがあるのです。

酸化防止剤無添加ワインは不自然ワイン!?

ここまで読むと、ワインの酸化防止剤に対する見方が少し変わってきたのではないでしょうか。
それでも、まだ酸化防止剤に対してやっぱり違和感を感じると思われる方に
「酸化防止剤無添加ワイン」と謳っているワインについて。
酸化防止剤を使用しないでワインが造れるなら、それに越したことはないなんじゃないか。
そう思われる方も多いと思います。
確かに、添加物が多い食品よりも少ない食品の方がより自然で体に良い感じがしますよね。

酸化防止剤無添加ワインの製法はメーカーにより異なりますが、
「アセトアルデヒドの生成量を抑えること」
「極力酸化させないことに気をつけて造る」というのが特徴です。
そのためには、アセトアルデヒドの発生を抑制する酵母を使用したり、
腐敗酵母を一切通さないような目の細かい強力なフィルター使用したり、
発酵によって生じるはずの甘みや酸味なども人工的に添加しています。
このようにして、二酸化硫黄の添加を表示基準値以下にして
販売しているのが酸化防止剤無添加ワインです。
酸化防止剤を使わない為には、
いろいろなの科学的な処理がされていることも事実なのです。

酸化防止剤使用ワインと無添加ワインによる味の違い

さて、そんな酸化防止剤無添加ワインと
酸化防止剤が入っているワインの味の違いはというと…
酸化防止剤が入っていても、無添加で造られていても、
味はそのワインによって異なりますというのが正直なところ。
ただ、ヨーロッパから輸入されるワインは日本の厳しい食品基準をクリアするために、
現地で消費するワインよりも酸化防止剤の含有量ははるかに多く添加されるため、
輸入されたワインよりも、現地で飲むワインの方が美味しいといわれることがあります。
しかしながら、それが、酸化防止剤の含有量によるものかは分かりません。
現地の雰囲気を味わいながらのワインという気分的なものも関係しているのかもしれませんね。

酸化防止剤まとめ

安心で美味しいワインを造るためには、
酸化防止剤(二酸化硫黄)を使用することはやむを得ないのが実情です。
またどんな高級ワインにも酸化防止剤は入っているのも事実です。
しかしながら、品質の良いワインを生み出す生産者は、
できる限り酸化防止剤の添加を少量に抑えるよう努力し、
安全で美味しいワインを造ることを目指しています。
酸化防止剤=体に害という偏ったイメージを強く持ちすぎず、
ぜひワインをおいしく楽しんでください。

酸化防止剤は安全でおいしいワインには欠かせない

ワインの豆知識カテゴリの最新記事

特集一覧