ブレンドで使われることが多いカベルネ・フランの特徴とは

ブレンドで使われることが多いカベルネ・フランの特徴とは

ブレンドで使われることが多いカベルネ・フランの特徴とは

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カベルネ・フラン

ボルドーでは、カベルネソーヴィニヨンやメルローなどと一緒に
補助品種としてブレンドされることが多いカベルネ・フランですが、
ブレンドすることで、メルローを長期熟成に耐えうるワインに仕上げ、
カベルネソーヴィニヨンの出来が悪いときには、その味わいを補うなど、
無くてはならない大切な品種。
そんな控えめな印象のカベルネ・フランですが、サンテミリオンで
造られるカベルネ・フランが主役のワインは、とても上質なワインです。
そこで本日は、カベルネ・フランについてお話します。

カベルネ・フラン特徴・作られるワインの特徴

カベルネ・フラン(Cabernet Franc)とは、
フランス南西部のボルドー地方原産の赤ワイン用の国際品種です。
一般的にはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローとブレンドされることが多く、
ボルドーの赤ワインのブレンドに欠かせない品種で、
その他、アイスワインや、スパークリングワインに
白ブドウと一緒にブレンドされることも多くあります。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、カルメネールなどの原種であり、
17世紀にフランス南西のボルドー地方に根付いたとされています。
主要産地は、フランスのボルドー、ロワールで、
フランスが全世界の70%近くを占めています。

カベルネ・フランの特徴は、粒は比較的小粒で、温和な気候が栽培に適していますが、
多少冷涼な地域でも栽培が可能なため、アイスワインにも使用されます。
カベルネ・ソーヴィニヨンより早く熟しますが、
収穫時期が早すぎるとピーマンの香りがかすかに表れることもあります。
カベルネ・フランから造られるワインは、明るめの色調で、
程よくしなやかな渋味と酸味を合わせ持ったシルキーな味わいが特徴的です。
他の品種に比べると控えめな印象ですが、ロワール地方では単一品種で
造られるワインもあり、ブルーベリーやカシス、
さくらんぼや木イチゴといった果実香、野菜系の青い香りや煙草の香りも感じられます。
軽めから中くらいのボディのものが多いですが、
テロワールによっては、しっかりと重みのあるワインも造られます。
カベルネソーヴィニヨンやメルロなどの力強いブドウと合わせることで
カベルネ・フランの芳香も引き立ちます。

生産地域による特徴

カベルネ・フランは、世界各地で生産されている国際品種で、
イタリアでは近年カベルネ・フランに再び注目が集まっています。
生産地は、ヨーロッパ各地の他にアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、
南アフリカ、南米など世界中で広く栽培されていおり、
日本でも山梨県を中心にこの品種を導入しているワイナリーがいくつかあります。
前述したとおり、カベルネ・フランの主要産地はフランスが70%を占めているため、
ここでは、フランスの3つの産地の特徴をご紹介します。

・ロワール地方
フランス国内の中でも最も栽培面積が大きいのがロワール地方です。
カベルネ・フラン100%の単一で造られるワインが有名で、
ロワール地方の黒ぶどう品種の中ではカベルネ・フランが最も多く栽培される品種です。
中部のAOCアンジュ、AOCシノン等では、カベルネ・フランは引き立て役ではなく、
カベルネ・フラン100%の単一品種でワインが造られています。
また、赤ワインの他に、ロゼワインやスパークリングワインにも使われます。
ロワール地方で造られるカベルネ・フランは、軽やかな酸味と軽やかなボディで、
エレガントさを感じさせる味わいのものが多いです。
・ボルドー地方
赤ワインの産地として名高いボルドーでは、
カベルネ・フランは主に補助品種としてブレンド用に栽培されており、
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどとブレンドされます。
右岸エリアではメルロとブレンドされて骨格をつくる役割を持ち、
左岸エリアではブレンドの素材として10%程度の割合で栽培されています。
ボルドーの中でもカベルネ・フランを多く使うのはサンテミリオン地区で、
有名なワインがシャトー・シュヴァル・ブランです。
こちらは、カベルネ・フランを主役にした非常に上質なワインを造ります。
ボルドーではロワールよりも温暖なことと、ブレンドされることもあり、
ボディのしっかりした味わいのワインになります。
・ラングドック地方
ラングドック地方はフランス最大のワイン産地で、
カベルネ・フランの赤ワインも多く造られています。
ラングドック地方ではカベルネ・フランのワインは単一品種で造られることもあり、
グルナッシュやカリニャンなどの品種とブレンドされることもあります。
ラングドック地方では、温暖で乾燥した気候から果実味豊かな
カベルネ・フランがに育ちます。

カベルネ・フランから造られるおすすめワイン

シノン キュヴェ・デ・ クロゾー
1995年に家業のドメーヌを継承して、本格的に自社ビン詰めを開始したシノンの新世代、
ティエリー・ランドリ。
このドメーヌのワインは、シノンでは珍しく斜面畑の粘土石灰質土壌の
樹齢30年のドメーヌ近郊の区画“クロゾー”と言うリューディーの
ブドウをすべて手摘みしたカベルネ・フランを100%使用。
また、無農薬栽培、完全除梗、天然酵母のみによる発酵など、
手間と時間をかけて丁寧に造られたワインです。
そのため、洗練された花の香りや果実味と艶やかなタンニンが、
まろやかで洗練された味わいに仕上がっています。
産地:フランス・ロワール
タイプ:ミディアムボディ

デキャゴン カベルネフラン
フランス、ローヌ地方の南、ニームを含んだガールという地域のヴァン・ド・ペイ。
コニャック樽で5ヶ月、オーク樽で5ヶ月熟成。
カベルネ・フランの軽やかなタンニンと赤いベリー系の果実味に、
熟したプラムやチェリーの香りを感じます。
コニャック特有のドライフルーツの凝縮された香りが余韻に感じられる
新感覚のワインです。
ラベルは木の皮を使用しており1本1本異なる木目のラベルになっている
のもおしゃれです。
産地:フランス・ラングドック
タイプ:ミディアムボディ

ワーウィック ワーウィック・カベルネフラン
1964年に、ステレンボシュ・シモンズバーグにて、ワーウィックを購入し、
現在まで3代に渡って家族経営のワイナリーを行っています。
深いガーネット色。サワーチェリーや熟したチェリー、カシス、
コーヒーやカカオなど豊かな香りに、オークやタバコなどの
複雑さも感じます。
優しく包み込まれるような舌触りに、
程よい酸とダークチェリーやブラックオリーブの風味が交わり、
上品にまとまった仕上がりです。
産地:南アフリカ・ステレンボシュ
タイプ:フルボディ

アイアンストーン カベルネ・フラン
温暖で日照量の豊かなロダイ地区で、
コストパフォーマンス抜群のワインを生み出しているのが、
「アイアンストーン・ヴィンヤーズ」です。
「最優秀栽培農家賞」をカリフォルニアで受賞する生産者で、
ブドウは環境に優しいサステイナブル農法で栽培しています。
軽快なミディアムタイプのワインで、
ブラックチェリーを想わせる甘い果実風味が特徴。
タンニンも程よく、口当たりもなめらかで心地よい余韻が楽しめます。
産地:アメリカ・カリフォルニア
タイプ:ミディアムボディ

おすすめワインに合う料理・おつまみ

カベルネ・フランは軽やかな赤ワインが多いので、
牛肉や仔羊肉など、しっかりと噛む赤身肉と好相性です。
調理法はローストやステーキなどで、シンプルな味付けがベースが合います。
また、冷涼な気候の中で育つカベルネ・フランは、ピーマンなどの特有の青っぽい
香りも少し感じられるため、グリーンオリーヴやピーマンの肉詰めなど
と合わせてもおいしいです。
また、熟成すると腐葉土などの土の風味を感じられるので、
キノコ類も相性が良いです。焼きがオススメです。

サンテミリオン

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