2000種もの固有品種を持つといわれるブルガリアワインとは

2000種もの固有品種を持つといわれるブルガリアワインとは
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2000種もの固有品種を持つといわれるブルガリアワインとは

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ブルガリアワイン

イタリアのウンブリアやプロヴァンスと同緯度に位置するブルガリアですが、
少しひんやりとした風が吹く冷涼な産地で、
冷涼な産地に適したピノノワールからは高品質なワインが造られています。
また、カベルネソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン
と言った国際品種を多く栽培しているブルガリアですが、
なんと固有品種の数は2000種類と言われ、ブルガリアの土地に根差した
固有品種からは個性的なワインが造られています。
そこで、本日はブルガリアワインについてお話します。

ブルガリアワインの歴史

ブルガリアのワイン造りの歴史は古く古代ギリシア時代とされ、
紀元前からワインが造られていましたが、
現在のようなワイン産業が始まったのは1950年代からで、
1960年代後半にカリフォルニアから醸造設備や技術革新が入り、
1980年代には世界第4位のワイン輸出国となりました。
しかしながら、共産主義政権の崩壊後、産業が一時衰退し、
ワイン産業も縮小していましたが、
1992年に民主化されたことで、国営のワイナリーが民営になり、
小規模なワイナリーも増えたことで、高品質なワイン造りにシフトしていきました。
その後、2007年にEUに加盟し、最新の醸造設備やコンサルタントが入ったことで、
一気にワインの輸出量が増加し、2018年度の統計では世界第21位1億リットルとなりました。

ブルガリアワインの特徴

ブルガリアは、北はル-マニア、南はギリシャ、トルコ、
ユ-ゴスラビア、マケドニア、東は黒海に面しており、
北緯41~43度に位置し、イタリアのウンブリアやプロヴァンスと同緯度ですが、
少しひんやりとした風が吹く冷涼な産地で、
ピノノワールなどの冷涼な産地に適したブドウからは高品質なワインが造られています。
北部の大陸性気候と、南部の地中海性気候に分かれ、
北部は白ワイン、南部は赤ワインが多く造られています。
また、黒ブドウはガムザ、マヴルッド、ルビン、
白ブドウはミスケト・シェルヴァンやムスカト・オットネルといった固有品種が有名で、
ブルガリアの固有品種は約2000種類存在すると言われており、
さまざまな品種から個性的なワインが造られています。

産地・ブドウ品種

ブドウはブルガリア全域で栽培されており、
栽培地域は大きく分けて5つの地域に分類されます。

ドナウ河平原
ブルガリア北部に広がる地域で、ドナウ河の南岸の平野の中央と西に広がっています。
気候は大陸性気候で、夏の平均気温は20~24度と過ごしやすい日が多いですが、
冬は-18度とブドウが凍りそうな日もあります。
造られるブドウは、固有品種のマスカット・オットネル
黒ブドウのガムザパミドなどが栽培されており、
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソ-ヴィニヨン・ブラン、
リ-スリングなどの国際品種も栽培されています。

ストゥルマ・ヴァレ-
ブルガリア南西部のストゥルマ渓谷流域に位置する地区で、
比較的小さい産地ですが、気候は地中海の影響を受け穏やかで、
この地方の固有品種であるシロカ・メルニシカ・ロザという黒ブドウが
もっとも多く栽培されており、ルビー色でフルボディの味わいが特徴です。

バラ・ヴァレ-
バルカン山脈中部の南斜面になるバラ・ヴァレ-地域は、
年間の降水量が約650mlという乾燥地帯で、東部と西部の地区に分けられます。
この地域では白ワインは辛口とやや甘口が造られ、赤は辛口が主流で、
カジュアルなワインを多く生産することで有名な地域です。
ブドウはさまざまな品種が栽培されており、ミスケト、リースリング、ルカチテリ、
カベルネ・ソ-ヴィニヨン、メルロなどがあり、
マブルッドという固有品種から高品質なワインが造られています。
また、ソーヴィニヨンブランの品質も高く、ソーヴィニヨンブラン特有の
柑橘系のフルーティーな芳醇な白ワインが造られています。

トラキア平野
バルカン山脈の南にあるマリツァ川・ヴァレ-は、地中海性の穏やかな気候で、
冬場の雨量が多いながらも暖かく、夏は乾燥しているため、
ブドウ栽培に適した地域です。
7月の平均気温は23~24℃と気温が高くなりすぎないため、
ブドウの糖度が上がり過ぎず、酸を保ったバランスの良いブドウが栽培されています。
とくにマブルッドメルロカベルネ・ソーヴィニヨンなどから
高品質なワインが造られており、ブルガリアの優良産地です。

黒海沿岸
ブルガリアの東部、黒海沿岸の地域で、比較的温暖で穏やかな気候で、
広く栽培されている品種はマスカット・オットネル、ディミャット、シャルドネ、
ユニブラン、トラミネナ-、中でもディミャットの生育に適した産地です。
ディミャットからは、桃のようなフルーティな香りのするワインが造られます。
ここで造られる白ワインは、豊かなフルーティーの香りのやや辛口タイプのものが造られています。

おすすめワイン

オーガニック・マヴルッド テラ・タングラ
テラ・タングラは、数年前にできた若いワイナリーでありながら、
2009年のワインの見本市ヴィネクスポでゴールデントロフィーを受賞した実力派。
ブルガリアの南トラキヤ地方にあるサカル山脈に
300ヘクタールもの巨大な自社ブドウ園を所有し、
最新の醸造設備を用いて高品質なワイン造りに取り組んでいます。
そのテラ・タングラが手掛けるこのワインは、
ブルガリアを代表する固有品種のマヴルットを100%使用したオーガニックワイン。
少しスパイシー感が漂う1,000円台とは思えない仕上がりです。

オーガニック・マヴルッド テラ・タングラ

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