ワインの品質を決める重要な役割テロワールとは

ワインの品質を決める重要な役割テロワールとは
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ワインの品質を決める重要な役割テロワールとは

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テロワールとは

ワインが好きになると、いろいろなワイン用語を耳にするようになります。
そのうちの1つでもある「テロワール」という言葉。
きっとワイン好きの方ならよく耳にされますよね。
でも、テロワールを日本語に訳したときにぴったりとあてはまる言葉が実はないんです。
そこで、本日はワインの世界でとっても重要なテロワールについてお話します。

テロワールとは

テロワールを訳したときにぴったりとあてはまる言葉がないとお話しましたが、
テロワールとは、フランス語で「terroir」と書き、
フランス特有のブドウ栽培の概念と言えます。
具体的にテロワールが何を示しているのかというと、
ブドウ栽培における自然環境のことを総称してテロワールと言っています。
それは、大きく分けて場所、気候、土壌の3つの要素があり、
まずは、ブドウが植わっている産地。標高、方位などの場所です。
次に、その場所に当たる太陽の角度や日照量、気温、降水量や風向きなどの気候。
そして、その場所の地質である土壌のことを総称してテロワールと言います。

ブドウ栽培に欠かせないテロワールの要素

多くの農作物は栽培するテロワールによって、同じ農作物でも味や品質に少しずつ違いが生まれます。
中でもブドウはテロワールの影響を非常に受けやすい農作物で、
たとえ同じ地域で栽培しても、太陽の当たる角度、風向き、水はけなどの
ほんの少しの違いで出来るブドウの味わいが異なります。
また、同じ場所であっても栽培する年(ヴィンテージ)の天候によっても
ブドウの味わいに多少の違いが生まれ、ワインもそのヴィンテージによって味わいが異なります。
ほんの少しの違いでも味に変化のあるブドウですから、
国が違えば、同じブドウ品種であっても味わいは大きく異なり、
フランスとチリでは、同じカベルネ・ソーヴィニョンであっても
まったく異なった味わいのワインが生まれます。
それが、またワインの楽しい奥深さとも言えるでしょう。

ブドウ栽培においては、一般的に水はけが良く、痩せた土地が最適とされています。
また、適度に風通しがよく、降水量も少なめで日照量が長く、
一日の気温差が大きい土地が望ましいとされますが、
ブドウの品種によって条件も多少の違いがあります。
また、ブドウが根を張る地層部分の種類によってワインはさまざまな味わいに変化します。
たとえば、粘土質の地層では、厚みのあるオイリーでタンニンの豊かなワインになり、
石灰質の地層では、爽やかな酸味のあるエレガントなワインになり、
片岩質の地層では、ミネラル豊かなすっきりしたワインになり、
泥灰岩質の地層では力強いパワフルなワインになり、
火山岩質の地層では、スモーキーな香りの余韻の長い深みのあるワインになります。
もちろん、こうしたテロワールの条件は、ワインを造る上での1つの条件であり、
そこから、人の手によっていかにそのテロワールを活かしたブドウ栽培をするかが
ワインの味わいを左右する大きな要因となります。

高品質ワインが造られるテロワール

高品質なワインを生み出すテロワールと言って一番に思い浮かぶのは、
やはりフランスのブルゴーニュではないでしょうか。
ブルゴーニュは、ボルドーと並ぶフランスワインの銘醸地。
位置は、パリから南東方向にいった全長300㎞の縦長の地方で、
北から南に向かって、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌ、
コート・シャロネーズ、マコネという4地区に分かれています。
この4地区から少し離れた最も北にシャブリ地区があります。

比較的冷涼な大陸性気候で、一日の寒暖差があることから、
ピノ・ノワールやシャルドネなどのブドウ品種の栽培に適しており、
赤ワインはほぼすべてがピノ・ノワール。
白ワインは一部地域を除いて、ほぼシャルドネから造られています。
このブルゴーニュで造られるワインの最大の特徴は、
気候も品種も全く同じなのに、隣り合う畑同士で全く異なる味わいのワインが造られることです。
それが、複雑に入り組んだ多様なテロワールの違いによるものなんです。
ブルゴーニュの土壌はパッチワーク状ともいわれ、
まるでつぎはぎの布で作ったパッチワークのように、
隣り合う畑でもまったく異なる土壌で形成されていて、
その土壌の違いからワインの味わいに大きな影響を与えています。

ブルゴーニュの複雑なテロワールの一例をあげると、
コート・ド・ニュイ地区にあるフラジェ・エシェゾー村は、ヴォーヌ・ロマネ村に隣接し、
最上級のブドウを造る特級畑(グラン・クリュ)に格付けされています。
このエシェゾーの地質は、ジュラ紀(1億7500年前)に属し、
グラン・エシェゾーは、傾斜3~4%の丘の上部にあり、
石灰岩盤に粘土石灰質の表土がのった土壌です。
エシェゾーは、中腹で13%とかなり傾斜があり、
上部では表土が70~80cm深く、小石、泥土、黄色の泥灰土など含む表土で
日当たり、水はけともよく品質の良いぶどうが採れますが、
下部は水はけがあまりよくありません。
そこに11の小区画があるため、標高、傾斜、土壌などさまざまで、
さらに、84のドメーヌがそれぞれの栽培や醸造方法でワイン造りを行っているため、
一口にエシェゾーのワインと言っても味わいは千差万別です。
この中に、グラン・エシェゾーと言われる9.14ヘクタールのクリマがあり、
畑は単一区画で、水はけの良い粘土層が乗った酸化鉄を多く含む土壌が均一になっており、
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社をはじめとする、
12のドメーヌがグラン・エシェゾーを所有し、
ここから、エレガントで深みを感じる高品質なワインが生み出されています。

ワインの味を左右するテロワール

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