ワイン好き必見!ワインの起源と世界にワインが広がった理由

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ワイン好き必見!ワインの起源と世界にワインが広がった理由

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ワインの起源

以前このソムリエ手帳で、ワイン発祥の地はどこかについてお話したことがありました。
ワイン発祥の地は、ロシアやトルコなどに隣接しているシルクロードの要所として栄えた
東欧の南コーカサス地方の小国ジョージア(グルジア)で、
紀元前6000年前からワインが造られていたと言われています。
そこで、本日はワインの起源とワインが世界にどのようにして広まったのかについてお話します。

ワインの起原はいつ・どこから

前述の通り、近年「ワイン発祥の地」として世界から注目を集めているジョージア
ここでは、「クヴェヴリ」という素焼きの土壺による独自の醸造法でワインが造られており、
地中のバクテリアの侵入を防ぐために壺の内側を蜜蝋でコーティングした
クヴェヴリを地面より20cmほど下になるように地中へ埋め、
そのクヴェヴリの中へつぶしたブドウを投入します。
厚手のガラス板または木の板で蓋をし、
その周りに粘土を一周させ、地表の高さまで粘土で密封し、
その上に砂が盛って、土の中で5〜6ヶ月寝かせ、
その後、ワインを別のクヴェヴリに移すことで自然濾過を施し、
ワインをさらに熟成させるという独自の醸造法が用いられています。
このジョージアに隣接するアルメニアでは、
2007年に首都エレバンから約100km南東のヴァヨッツゾール地方のアレニ村の洞窟で、
6100年前のワイン醸造の遺跡が見つかりました。
ワインを醸造していたと思われる区画には、クヴェヴリ製法で使われる土壺と同じの
カラス(KARAS)と呼ばれる壺があり、
成分分析の結果、カラスと呼ばれる壺内に残っていたブドウの成分がワインだったことがわかりました。
このアレニ村のワイン醸造の遺跡が現在発見されている世界最古のワイナリーということになります。
文献上では、ワインの醸造が記されている最も古い記録が、
紀元前5000年ごろにシュメール人によって書かれたメソポタミア文明最古の文学作品
「ギルガメッシュ叙事詩」で、ワインが振る舞われた文面が記されています。
しかしながら、ワインがいつ、どのようにして生まれたのかについては、
ジョージアでもアルメニアでも見つけることはできず、
完全なるワインの起源については、まだ解明できていないというのが事実。
そもそも、ワインを生み出すブドウ自体は、人間が生まれるはるか昔から存在しており、
ヨーロッパでは、化石調査で約6500万年前から約5500万年前の地層から
多数のブドウの化石が発見されています。
人類の祖先であるホモ・サピエンスが約20万年前に生まれたとされるので、
ブドウをワインに変えたのはずっと後のことですが、
もしかすると、つぶれたブドウの果実が酵母によって自然に発酵し、
ワインの原型ともいえる飲み物を飲んでいた人類がいるかもしれませんね。

ワインが世界に広がったのは何故?

さて、ジョージアで造られるようになったワインは、その後どのようにして世界に広まっていったか、
じつは、ジョージアがワイン発祥の地という説と、
エジプトが現在のワインの発祥の地とされる説があります。
ジョージアで造られたワインは、かなり原始的なワインのような液体で、
現在のようなワインが造られるようになったのは、紀元前3000年から始まった古代エジプトとされる説で、
そこでは、棚仕立てに栽培されるブドウや、収穫したブドウを足でつぶして果汁にし、
果汁を発酵させるためのアンフォラなどが、壁画として描かれています。
この古代エジプトで造らていたワインは、紀元前1500年頃、
現在のレバノン周辺に住んでいたフェニキア人によって、ギリシアに伝えられたとされています。
ギリシャに伝わったワインは、ここで大きく発展していきます。
古代ギリシャでは、酒の神様バッカス(ギリシャではディオニソス)がワインを
ギリシャにもたしたと神話が造られ、大衆まで楽しめるようワインが広まっていき、
紀元前1100年ごろには、ギリシャは有数のワイン輸出国となりました。
紀元前600年頃、ギリシャ人の一部が南フランス・マルセイユ地方に移り住んだことで、
フランスでもワイン造りが始まります。
同時に、ヨーロッパで絶大な勢力を握っていたローマ帝国によって、
各地でワイン造りが広まっていき、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュといった
フランスワインの銘醸地にも、徐々にブドウ栽培とワイン造りが伝わっていきました。
そんなワインが世界全土に広まる一番のきっかけになったのは、キリストの教えによるものです。
ワインは「キリストの血」とされ、中世ヨーロッパではキリスト教が政治の中心にあり、
教会や修道院はブドウ栽培とワイン造りに力をいれ、醸造の技術が高まり、
キリスト教とともに世界へとワイン造りが広まっていきました。

日本でワインを造り始めたのはいつ

日本でワインが造られるようになったのは、1877年(明治10年)、
現在のメルシャンの前身である日本初の民間ワイン醸造所「大日本山梨葡萄酒会社」が設立されました。
ここから、本格的に日本でのワイン造りがスタートします。
しかしながら、現在世界からも注目を浴びる甲州種は、
なんと1000年以上の栽培の歴史がある日本固有のブドウなんです。
甲州種が甲州で栽培されるようになった経緯は、2つの説があり、
1つ目は、奈良時代の高僧である行基(ぎょうぎ)が、
夢に現れたブドウを持つ薬師如来の姿を木彫りにして、
柏尾山大善寺に安置したところ、そこでブドウの樹を発見し、
広まったのが甲州種という説。
2つ目は、平安時代末期に雨宮勘解由(あまみやかげゆ)が、
山道でみつけた珍しい蔓草を持ち帰って育てたところ、
5年後にブドウが実り、これが現在の甲州種となったという説です。
2010年OIV(国際ブドウ・ワイン機構)が甲州をブドウ品種として登録し、
甲州種から造られる日本ワインは世界でも注目されるワインとなりました。

ワイン造りが始まったのは、140年ほど前ですが、
じつは日本では、もっと古くからワインが存在しており、
室町時代後期に、スペインやポルトガルのキリスト教の宣教師によって、
ワインが日本に持ち込まれ、ポルトガルやオランダとの交易によって、
少しずつ日本国内に浸透していきました。
しかし、この時点では日本でのワイン造りには至りませんでした。
1970年代ワインブームがはじまり、そこから7回のワインブームを経て、
日本のワイン消費は年々右肩上がりになっています。
現在では、世界のワインコンクールで賞を獲得する日本ワインが次々に生まれ、
日本ワインの品質は世界が認めるまでに高まりました。
約8000年前に始まったワインは、現在世界各地で造られ、
年間48億リットルものワインが生産されています。

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