長熟で真価を発揮するゲンメのワインとは

長熟で真価を発揮するゲンメのワインとは
ワクワクが止まらない!GWを楽しみ尽くすワインが続々登場!

長熟で真価を発揮するゲンメのワインとは

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

長熟で真価を発揮するゲンメのワインとは

前回お話したガッティナーラと並んでピエモンテ州北部を代表するワイン産地のゲンメ。
造られるワインは、ガッティナーラとおなじネッビオーロを主体とした赤ワインで、
ガッティナーラよりも長期熟成のポテンシャルが高く、
マイルドで女性的な味わいが特徴です。
そこで、本日はゲンメのワインについてお話します。

ゲンメについて

ゲンメ(Ghemm)は、1997年にD.O.C.Gに指定されました。
地理的には、セシア川を挟んだ対岸にガッティナーラの産地が広がっており、
ガッティナーラとおなじく現地ではスパンナのシノニムを持つネッビオーロを主体とした
赤ワインのみがD.O.C.Gに指定されています。
スパンナを85%以上使用することが義務付けられており、残り15%には、
ヴェスボリーナ、ウーヴァ、ラーラといった固有品種を用いることができます。
造られるワインは、美しいガーネットの色調を持ち、熟成に従いレンガのようなオレンジ色を帯びてきます。
スミレやラズベリーなどのアロマに、ほのかにアーモンドなどの香ばしいアロマが感じられ、
しっかりとした酸とタンニンのある味わいですが、
ガッティナーラよりもマイルドで女性的と評されます。
5~12年が飲み頃のものが多いですが、中には20年以上の熟成に耐えるものもあり、
生産量は15万本と非常に少なく、国内消費が半分近くですが、
最近は日本への輸出も増えてきました。

ゲンメのワインの歴史

ゲンメにおけるワイン造りの歴史はピエモンテ地方で最も古いとされており、
他のイタリアのワイン産地と同様、古代ローマ時代からワインが造られていました。
一説には紀元前7世紀のブドウのタネも見つかっており、
ブドウ栽培は古代ローマ時代以前からおこなわれていたとも言われています。

ゲンメのテロワール

ピエモンテ州北部のアルプス山脈の麓にあるノヴァーラ県ゲンメ村周辺がワイン産地です。
標高は250~400mで、気候は西岸海洋性気候で、年間を通して雨量があり、
年間平均雨量は1000mm程度です。
セシア川の対岸には、ガッティナーラD.O.C.Gがあり、
土壌は、氷河による氷堆石(モレーン)の粘土質で、適度なミネラルが含まれ、水はけがよく、
そのほか花崗岩、雲母片岩などの土壌が混ざり合っており、
非常に繊細な味わいのネッピオーロが育ちます。
川を挟んで対岸のガッティナーラは、氷河によって作られた火山性堆積土壌のため、
近隣のワイン産地でありながらもガッティナーラの方がパワフルな味わいで、
ゲンメの方がエレガントで女性的と味わいの異なるネッビオーロのワインが造られます。

ゲンメで造られるワインの特徴

ゲンメD.O.C.Gは、スパンナ(ネッビオーロ)を85%以上使用することが義務付けられており、
残り15%には、ヴェスボリーナ、ウーヴァ、ラーラといった固有品種を用いることができ
ワインは36ヶ月間熟成されなければならず、そのうち少なくとも20ヶ月は樽に入れられ、
最低9ヶ月は瓶に入れられなければなりません。
レゼルヴァの場合は、48ヶ月の熟成期間を必要とし、オークで最低24ヶ月、ボトルで最低9ヶ月です。
アルコール度数も12.5パーセントに達する必要があります。
造られるワインは、非常に際立ったタンニンと高い酸が感じられ、わずかに苦い後味もあります。
5~12年が飲み頃のものが多いですが、中には20年以上の熟成に耐えるものもあり、
バローロやバルバレスコよりも熟成のポテンシャルが高いものもあります。

ゲンメのワイン

ワインの豆知識カテゴリの最新記事

特集一覧