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このソムリエ手帳でも、ワインとお料理のマリアージュについて何度かお話したことがありますが、本日はそんなワインとお料理をつなぐ見事な橋渡し役の調味料についてお話したいと思います。
その調味料とは、ワインラバーならきっと気になるワインソルトです。
ワインソルトの作り方
ワインソルトはご存知ですか?
ワインソルトとは、名前の通りワインの塩のことで、スーパーなどでも風味や香りが付けられた変わり塩はたくさん売っていますよね。
抹茶塩、カレー塩、ゆず塩、山椒塩、梅塩、桜塩などバラエティー豊か。
ワインソルトは、まさにワインの風味がする塩のことなんです。
赤ワインと白ワインどちらでも簡単に作ることができて、見た目にもおしゃれな上に、お料理にさらなるコクと旨味をプラスしてくれます。
ワインのフルーティな香りと旨味が凝縮された塩でお料理を味付けすれば、もちろんワインとの相性もさらによくなります。
ワインラバーにはおすすめの調味料です。
また、お酒が強くないという方でも、ワイン塩なら加熱によりアルコール分はとんでしまうので、健康に良いワインのポリフェノール成分だけを摂ることができ、健康志向の方にもおすすめです。
それでは、驚くほど簡単に作れるワインソルトの作り方をご紹介します。
■ワインソルトの作り方
・塩 50g
・ワイン(赤、白お好みで) 100ml
(1)ワインをフライパンに入れてひと煮立ちさせます。
(2)塩を加えて弱火で水分がなくなるまで加熱します。
(3)焦がさないようにしっかりとヘラで混ぜながら、塩がさらさらになったら完成です。
赤ワインと白ワインで作るワインソルトの違い
赤ワインと白ワインどちらも、さきほどのレシピで作ることができますが、白ワインの方が果皮などから抽出されるポリフェノールの成分が少ない分、ワインソルトにした際に風味が少し弱くなってしまうので、オレガノやバジルなどのハーブをプラスすると風味が出てさらにおいしくなります。
ワインソルトに合う料理
お肉料理×赤ワインソルト
グリルした鶏肉や豚肉や牛肉などの肉料理に、赤ワインソルトをパラパラとひと振りするだけで、お肉の旨味にワインのコクがプラスされてジューシーな味わいになります。
チーズ×赤ワインソルト
ワインの定番のおつまみとも言えるチーズに、赤ワインソルトをひと振りするだけで、よりチーズにコクがでて、ワインとの相性が高まります。
とくに、塩気の薄いモッツアレラチーズにかけるのがおすすめです。
刺身×白ワインソルト
刺身に、白ワインソルトをひと振りすると、魚の生臭さが消えて、白ワインソルトの風味が魚の旨味をぐっと引き立ててくれます。
生牡蠣などにかけるのもおすすめ。
生牡蠣に白ワインソルトをひと振りして、レモンをきゅっと絞ると、牡蠣の甘味がより引き立ちます。
また、白身魚のカルパッチョにかけるなら、白ワインソルトにハーブをプラスすると、より魚との相性がよくなります。
天ぷら×白ワインソルト
天ぷらには、抹茶塩や山椒塩など、すでに塩で天ぷらを食べる食べ方が主流になっていますが、白ワインソルトをかけると、ワインと天ぷらとの相性もさらに増します。
ワインソルトの料理に合うすすめのワイン
赤ワインソルトの料理に合うおすすめワイン
ヴィニャ・マグナ クリアンサ
ドミニオ・バスコンシリョスは、2000年に高級車の部品を製造する企業のオーナーを務めるホセ・マリア・バスコンシリョスによって設立されたワイナリーです。
ワインへの情熱も熱く、コンサルタントにスペインで有名なトマス・ポスティゴを起用し、ワイナリーは海抜1000メートルの場所に位置し、栽培からワイン醸造に至る過程は極力自然の力を活かしたワイン造りを理念に、区画にごとに管理されたブドウ畑は、全て手作業で行われ、100%オーガニックの高品質なワインを生み出しています。
当たり年の2005年のヴィニャ・マグナ クリアンサは、ロバート・パーカー氏も93点の高得点を出し、ワインスペクテーター誌では95点を獲得しました。
カシスやブラックベリー、よく熟したプラムを思わせる果実味と、スパイスやハーブの複雑な香りがあり、タンニンはとても滑らかで、ほどよい渋みが感じられるフルボディワイン。
赤ワインソルトをつけて食べるグリルした牛肉や豚肉などのシンプルでコクのある味付けの肉料理と相性が抜群です。
キャンティ マレンキーニ
マレンキーニは、100年以上も続く歴史あるワイナリーで、「サンジョベーゼを扱わせたら 右に出るものはいない」と言われた天才醸造家の今は亡き巨匠ジュリオ・ガンベッリ氏が築きました。
そんなマレンキーニが手掛けるキャンティは、比較的新しい畑から収穫されるサンジョベーゼを使用し、ヴィンテージによりメルローをブレンドすることもあるというスタンダードクラスながらハイクオリティのキャンティです。
赤いベリー系の果実の香りが若々しく、味わいにも好印象のかわいらしい果実味を感じます。
それでいてボリューム感も程よくあり今飲んでおいしいコスパ高なキャンティ。
赤ワインソルトをふりかけて食べるモッツァレラチーズにぴったりの1本です。
白ワインソルトの料理に合うおすすめワイン
トルケス・ド・ヴェント・アルバリーニョ ボデガス・マルティン・コダックス
ボデガス・マルティン・コダックスは、1986年設立されたワイナリーで、地元のブドウ栽培家グループの「自分たちの町で飲むワインを、自分たち自身が造る」という地元の人々のためのワイナリーというコンセプトからはじまりました。
270の運営メンバーが集まり、原料は地元にある300のブドウ栽培家から提供され、提供されたブドウを素晴らしいワインへと変えるため、品質向上に取り組み続けました。
大西洋沿岸のガリシア地方の土地と人々、そこで醸成されてきた文化の中で育てられたワインは、ワインそのものの品質だけでなく、その文化を伝えるものとして、今では世界40か国へ輸出され、ガリシアワインのシンボルと言われるほどに成長を遂げました。
ワイン造りには、細かい配慮がされており、まず収穫したブドウは、ブドウの果実がつぶれないよう20kgの小さい箱で運び、状態の良いブドウを使用するために、ワイナリー内で手作業による選別を行い、空気圧式圧搾機に入れ果汁を絞ります。
果汁(モスト)は素早くステンレスタンクへ移し、発酵がすぐに始まります。
アルコール発酵後マロラクティック発酵(リンゴ酸が乳酸へ変わる)と進み、ワインを安定させてからボトリングしワインが完成します。
こうして造られるアルバリーニョ100%のワインは、青リンゴ、白桃、メロンなどのジューシーな果実のアロマに、キンモクセイのような華やかなフローラルなアロマがあり、味わいは香りと同じく甘く華やかで、フレッシュな酸味が輪郭を引き締めます。
アルバリーニョらしく、ミネラリーな余韻が長く続き、華やかな甘さの印象が強く、ミネラル感も強いため、白ワインソルトをふりかけたシーフードのカルパッチョとあわせたい1本です。
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サンセール・ブラン ドメーヌ・ランボー
サンセールはブルゴーニュに近く、すぐ北東にはシャブリが望める、そんなロケーションの町で、高品質な白ワインを生み出す産地。
白い土に覆われた石灰質土壌の畑が広がり、シャブリから続く「キンメリジャン」と呼ばれるラインは、遥か昔海の底だった土地で、大量の貝殻が埋まっています。
そのため、豊富なミネラル、キリッと引き締まった酸が乗ったシャープな辛口白ワインが生まれます。
ドメーヌ・ランボー・ピノー このドメーヌは、サンセール~プイィ・シュール・ロワールを本拠地として3世代続く、家族経営の小さな生産者です。
ソーヴィニョン・ブラン100%で造られるサンセール・ブランは、柑橘、スターフルーツ、ハーブなどのアロマに、しっかりとしたボディとミネラル感、切れのある酸が味わえる1本。
白ワインソルトで食べる白身魚の天ぷらとの相性が抜群です。