年々輸出数が増加している注目のワイン産地ルガーナのワインとは

年々輸出数が増加している注目のワイン産地ルガーナのワインとは
ワクワクが止まらない!GWを楽しみ尽くすワインが続々登場!

年々輸出数が増加している注目のワイン産地ルガーナのワインとは

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

ガルダ湖の南湖畔に広がるワイン産地ルガーナ

イタリア北部のロンバルディア州とヴェネト州の2つの地域の境界にある、ガルダ湖の南湖畔に広がるワイン産地ルガーナ。
スタンダードな辛口の白ワインから、甘口、スパークリングワインまでさまざまなスタイルのワインが造られ、年間生産量は1750万本。
この10年でその生産量は年々倍増していて、じつにその70%が輸出されています。
そこで、本日はルガーナのワインについてお話します。

ルガーナについて

ルガーナは、イタリア北部のロンバルディア州ブレシアとヴェネト州ヴェローナの2つの地域の境界にある、ガルダ湖の南湖畔に広がっている産地で、1967年にDOCとして登録されました。
使用されている品種は、トゥルビアーナという固有品種で、トレッビアーノ・ディ・ルガーナとも呼ばれ、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェに非常に近い品種とされてきましたが、近年、ミラノ大学が行ったトゥルビアーナのDNA検査により、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェにも、ヴェルディッキオにも遺伝的に関連していないことが明らかになりました。
そのため起源が不明なブドウ品種ですが、非常に酸とミネラルが強い品種で、ミネラルを多く含むガルダ湖の土壌では、トゥルビアーナの個性が強く発揮され、ミネラルが豊富なほんのりと塩味を感じる味わいのワインになります。
ルガーナのワインは、スタンダードなルガーナと、熟成させたスペリオーレ、リゼルヴァ、遅摘みブドウを使って造られるヴェンデンミア・タルディーヴァ、スパークリングワインのスプマンテの5つのタイプがあります。

ルガーナという名前はラテン語の「lacuslucanus(森の中の湖)」に由来すると考えられており、名前の通り12世紀まで、この地域は鬱蒼とした森が湖の端まで広がっていました。
15世紀からヴェネツィア共和国によって農地として開拓がはじまり、次第に穀物畑が増えていきました。
ただこの地におけるブドウ栽培の歴史は古く、青銅器時代からブドウが造られていたことが、ペスキエーラ・デル・ガルダで見つかった、古代品種のヴィーティス・シルヴェストリスの種子で分かっています。
また、この地の白ワインについてもっとも古い記録としては、1595年に書かれたアンドレア・バッチの「De naturali vinorum historia(ワインの自然誌)」で記録されており、さまざまな記録で古くから高品質な白ワインの産地として賞賛されていることが分かっています。

ルガーナのテロワール

ルガーナの産地は、ヴェネト州のペスキエーラ・デル・ガルダと、ロンバルディア州のデゼンツァーノ、シルミオーネ、ポッツォレンゴ、ロナートの5つの町で造られており、ガルダ湖周辺は太古の氷堆積土壌であるため、標高50-80mの平野部はミネラルを多く含む粘土土壌で、この粘土土壌がルガーナ独特のフルーティーな味わいと、塩味のような適度なミネラル感を生みだします。
なかでも標高100-130mの丘陵地帯に広がる畑は、小石や砂利を含む土壌のため、フルーティーな果実味が強く感じられ、よりヴォリューム感のある味わいのワインが造られています。

ルガーナで栽培される主なブドウ品種

前述のとおり、ルガーナのワインに使用されている品種は、トゥルビアーナという固有品種で、トレッビアーノ・ディ・ルガーナとも呼ばれ、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェに非常に近い品種とされてきましたが、ミラノ大学がおこなった最近のDNA検査により、トゥルビアーナは他のトレッビアーノとは異なる特徴もっており、ヴェルディッキオの近縁種である一方で、トゥルビアーナはその芳香の特性や、ワイン醸造学的観点から、独特で別個のブドウであることを示しており、ブドウは正式にこの土着の品種であるとされ、地元の名前であるトゥルビアーナ(Turbiana)に改名されました。
トゥルビアーナは、発芽が早いですが、熟すのは少し遅く、熟してから収穫されるのが一般的ですが、熟しすぎると酸が失われてしまうため、適度な収穫時期を見極めるのが重要です。

ルガーナのワインの特徴

ルガーナワインは、トゥルビアーナを90%以上使用することが定められており、10%まで他の品種をブレンドすることが認められています。
ルガーナワインは、一般的にアルコール度数が高いものが多く、グレープフルーツなどの柑橘類や、白い花、アーモンドのアロマが感じられ、シャープな酸と豊富なミネラル感があり、とても優雅で複雑な味わいの辛口白ワインです。
ルガーナのワインは、スタンダードな白ワインのルガーナと、熟成させたスペリオーレ、リゼルヴァ、遅摘みブドウを使って造られるヴェンデンミア・タルディーヴァ、スパークリングワインのスプマンテの5つのタイプがあり、スプマンテは、シャルマ方式と瓶内二次発酵方式の2通りの製造方法で造られています。

ルガーナ
シャープな酸としっかりとしたミネラル感のある軽やかでフレッシュな味わいの辛口白ワインで、食事にとてもマッチします。

ルガーナ・スペリオーレ 
ルガーナ・スペリオーレは、ルガーナワインを最低1年熟成させます。
熟成させることで、リンゴ、マンダリンオレンジ、ヘーゼルナッツといったより華やかなアロマが感じられ、味わいも複雑味が増します。

ルガーナ・リゼルヴァ
最低2年(うち6ヶ月は瓶熟成)の熟成期間が必要となります。
洋ナシのコンポートのような甘い芳醇なアロマに、ミネラル由来のスモーキーなニュアンスが感じられ、シャープな酸がありながらも、なめらかな口当たりで豊満な味わいになります。

ルガーナ・ヴェンデンミア・タルディーヴァ
10月末から11月初旬に遅摘みしたブドウを使うやや甘口の白ワインです。
アマローネのように、収穫後のブドウを陰干し(アパッシメント)しないため、甘さは控えめです。
食後のデザートワインとしても食前酒としてもおすすめです。

ルガーナ・スプマンテ
ルガーナ・スプマンテのほとんどが、シャルマ方式で造られますが、なかには、より複雑さとエレガントな味わいの瓶内二次発酵方式で造られるものあります。
食中酒としても食前酒としてもおすすめの爽やかなスパークリングワインです。

ルガーナのワインとは

ワインの豆知識カテゴリの最新記事

特集一覧