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レストランでワインを注文する際、ワイン好きな仲間と一緒なら、ボトルで注文することが多いと思いますが、あまりワインを飲まない人と一緒に、レストランへ行ったら、グラスでワインを注文したりしますよね。
一昔前までは、レストランでワインと言ったら、ボトルで注文するのが通常でしたが、今では、1杯から飲めるワインをほとんどのお店が採用していますね。
そこで、本日はグラスワインについてお話します。
グラスワインとは
まず、グラスワインとは、グラス1杯からオーダーできるワインのことをいいます。
しかし、この「グラスワイン」という言葉、実は日本で生まれた言葉なので、海外では通用しないそうです。
英語圏の国のレストランで、グラスでワインを注文したいときは「ワイン・バイ・ザ・グラス」と言い表すことが多いです。
ワインは、一度栓を開けてしまうと、酸素に触れることにより急激に酸化がすすみ、ワインは劣化していきます。
そのため、グラスワインとして用意されているワインは、以前までは赤ワイン、白ワイン1種類ずつのハウスワインくらいでした。
そのため、自分の好みに合ったワインを飲むことというのが難しかったのですが、最近は、ワインに凝ったレストランなら、その日のおすすめの料理に合うワインを赤ワイン、白ワインそれぞれ3種類ずつくらい用意しているお店も増えてきました。
でも、先ほどもお話したように、ワインは一度栓を開けてしまうと劣化していくもの。
グラスで提供するワインは、開けたらなるべく3日以内には売り切らないと、風味が落ちてしまいますので、店側もそれを考慮してワインをセレクトします。
日本人の場合、外国人に比べ食事に合わせてワインを飲むという人が多くはないため、数人でレストランで食事をしても、よっぽどワイン好きが集まらない限り、ワインをボトルで注文するというのは少ない傾向にあります。
ですから、グラスワインのように1杯から注文ができるシステムは、実は日本のレストランには合っているシステムなのです。
いろいろな種類のワインを飲むことが出来る!でも高級なワインはグラスワイン対象外
以前、このソムリエ手帳でも「ワインのペアリング」についてお話ししましたが、まさに、このグラスワインもそんなペアリングを楽しめるサービスでもあります。
もちろん、ある程度ワインに凝ったお店でなければできませんが、アラカルトで料理を注文する際、たとえば「本日のおすすめの魚料理に合わせるワインはどれがいいですか?」
「このお肉料理にはどのワインが合いますか?」というように、グラスワインを数種類提供しているお店なら料理を注文する際に、1品に1杯ワインを合わせる形で、一番相性の良いワインを聞いてみるのもグラスワインの楽しみ方です。
グラスワインでお得に料理とのマリアージュを楽しむことができます。
また、最近日本でも増えてきたワインバーも1杯ずついろいろなワインを試せるシステムになっており、ワイン好きな人はもちろん、ワインを勉強している人にとってもうれしいシステムですよね。
大きなワインバーだと、グラスワインを20種類以上置いてあるところも。
イベントでない限り何十万円もするワインはなかなかグラスワインで飲むことはできませんが、高いものなら、数万円のワインをグラスワインとして飲めるところもあります。
お店側としてもできる限り、お客さまの要望に応えていろいろなワインを1杯ずつ試せるようにしたいと思っても、常時、さまざまな種類のワインを開けた状態にしておかなければならないので、ワインをできる限り劣化させないように保管する専用のサーバーが必要になります。
そうなると、初期費用もかなり高額になるので、よっぽどの人気店でない限り難しいです。
小さめのワインバーであれば、グラスワインの種類としては赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインで6~7種類くらいがいいところでしょう。
ワインバーはワインを飲みなれていない人こそおすすめです。
グラスワインで1杯ずついろいろなワインを試せます。
ワインバーと一言で言っても、さまざまなワインバーがあり、中にはかなりのワインラバーが集うお店もあるので、1つの指標としてグラスワインの価格帯を事前にチェックしてから行くといいでしょう。
500~1000円ほどのグラスワインが多いワインバーなら、堅苦しい雰囲気もなく、気軽においしいワインをいろいろと試せる可能性が高いです。
ワインのことを良く知らなくても全然大丈夫です!
むしろ、分からないからこそ勉強にきたという感じで、いろいろとワインのことをスタッフの人に聞いてみると、大抵の場合喜んで教えてくれるはずです。
グラスワインの1杯の分量は?余ったワインはどうなるの?
レストランなどでは、ワインボトル1本からグラス6杯分とるのが最も一般的です。
ボトル1本は750mlなので、グラスワイン1杯あたりの分量は125mlになります。
もちろんお店により、多少の分量の違いはあると思いますが、多くはボトル1本から6杯というお店が多いです。
中には、ボトル1本から5杯(1杯あたり140ml)というお店もあり、ボトルにあえて30mlほど余らせるお店もあります。
その余ったワインはどうするのかというと、お客さまにサーブする前のソムリエの試飲分として、またスタッフの勉強のために使われるお店もあります。