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おいしいワインはおいしいブドウからと言われるように、ワインの出来は、ブドウの出来に大きく左右されます。
また、そのブドウの出来を大きく左右するのが、ブドウを育てる土壌です。
本日は、ブドウを栽培するのに適した土壌についてお話します。
ワインやブドウで欠かせない存在の土壌
フランスではテロワールという言葉があるように、土壌、気候、日照、地形など、ブドウが育つ自然環境要因に昔から重きを置いてきました。
なかでも、ブドウ栽培において土壌はとても大事な要素で、土壌がブドウの味わいに大きく影響を与えます。
例えば、海の近くの土壌で育つブドウで造られたワインは、海水のようにほんのり塩味が感じられるミネラルが豊富な味わいになったり、これは、貝などの化石を多く含んだ石灰質の土壌で育つブドウに多くみられます。
このように、ブドウの味に直接影響を与える土壌は、ワインの個性を生み出します。
優れた土壌とはどういうもの?
それでは、ブドウを育てる上でもっとも優れた土壌はどんな特徴があるのか?
一般的には、野菜や果物などの作物を育てる場合、大ぶりでしっかりとした味わいのある作物を安定的に収穫するためには、栄養が豊富な肥沃な土地が選ばれます。
しかしながら、ブドウ栽培において優れた土壌は、栄養が豊富で肥沃な土地とは反対の痩せた不毛の土地なんです。
それには、ブドウの木の特性が関係しており、ブドウの木は地中数メートルの奥深くまで根を伸ばし、地中に根をしっかりと張り巡らせることで、地中にあるさまざまな栄養を吸収し、ブドウの実に送ります。
痩せた土地であるほど、ブドウの木は地中に深く根を張り巡らせるので、地中からミネラルなどの栄養を得ることができるのです。
栄養豊富な肥沃の土地の場合、ブドウの木は、地中深くに根を張らず、逆に地表から上へ上へと伸びてしまう特性があり、果実に栄養が十分にいきわたらず、凝縮された味わいのブドウが育たないのです。
また、ブドウの木にとってとても重要な要素の1つに、水はけのよさがあります。
雨量が多い土地ではブドウが育ちにくいというのを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ブドウにとって水分量が多い土地は、根腐れしやすく、また、水分が多すぎるとブドウの果実が水っぽい味わいになります。
逆に、適度に乾燥した土地はブドウがカビなどの病害にかかりにくく、根腐れもおこしにくく、また、水分が足りないことで果実が小さくなり、糖度が上がってブドウの凝縮感が高まります。
とはいえ、カラカラに乾燥した大地がブドウ栽培に適しているというわけではなく、水分が停滞せずに、地中の中へ流れていき、地中深くである程度溜まる保水性のある土壌が、ブドウの栽培において適した水はけのよい土地になります。
土壌の種類と味の違い
ブドウを育てる上で、優れた土壌がどのような土壌か分かったところで、土壌のさらに深い地層部分について触れていきましょう。
前述のとおり、ブドウは地中深くに根を張り巡らせることで、地中のさまざまな栄養を取り込み、果実に送ります。
そのため、地表の土壌よりも地中深くにある地層の種類がブドウの味わいに大きな影響を与えます。
地層の種類としては、粘土層、石灰層、昔海だったところが陸にかわってできた泥灰岩層、山岳地帯に多くみられる片岩層、花崗岩層、片麻岩層、海洋や河川など扇状地による砂層、砂礫層、砂利層、また、火山岩層や玄武岩層、太古の地層の白亜土層やジュラ層などがあります。
地層ごとにできるブドウの味わいが異なり、そのブドウから造られるワインの味わいもそれぞれ特徴があります。
粘土層では、タンニンが豊富な厚みのあるオイリーな味わい。
石灰層では、繊細でキレイな酸を感じられるエレガントな味わい。
片岩層では、ミネラルが豊富なすっきりとした味わい。
花崗岩層では、芳醇な香りにバランスのとれた味わい。
泥灰岩層では、パワフルな果実味の力強い味わい。
火山岩層では、スモーキーな香りとミネラル感のある深い味わい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
土壌と一口に言っても、さまざまな特性を持った土壌があり、その土壌の特性を生かして造られたブドウから、個性豊かなワインが生まれます。
土壌の特性が強く出たワインなどを飲んでみるのもまたワインの別の楽しみ方ですね。
テロワールの特徴を反映したおすすめのワイン5選
ル・シズィエム・エレマン・風土(テロワール)
「中国のナパ・ヴァレー」と称される中国のワイン産地「寧夏」。
この寧夏が現在のように注目されるよりも少し前、フランス人醸造家であるアモリ・ド・サンセイ氏がこの地を訪れ、寧夏でワイン造りを代々営なむ優れたワイン生産者の王平来氏と出会い、フランスの醸造技術とテロワールに関する知識に、中国の陰陽五行の思想に基づいた農業のノウハウが融合したワイン造りのプロジェクトが誕生しました。
こうして生まれた「ル・シズィエム・エレマン」シリーズは、初リリースだった2018年ヴィンテージがロンドンアワードやアメリカアワード等の国際ワインコンクールで金賞を受賞し注目を集めています。
「テロワールを映す品種」と言われるピノ・ノワールは、この寧夏の砂質・砂利質風土地で典型的な特徴を完璧に表現しており、まさに風土(テロワールTerroir)という名にふさわしいワインに仕上がりました。
イチゴ、ラズベリー、カラント、ブラックベリーなどの赤系・黒系果実の美しいフレッシュなアロマに、ドライローズやドライレッドフルーツの芳醇な香りも感じられ、口に含むと、丸みを帯びたシルキーな味わいで、アタックはクランベリーやブラックカラントに加え、エレガントな革の香りに見事な美しい酸が感じられます。
まさにフランスのブルゴーニュスタイルを彷彿とさせる、非常にバランスのとれた繊細なワインです。
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クロ・リュネル
サン・テミリオンで頂点を極めたシャトーであるシャトー・パヴィなどを所有する、ペルス家がカスティヨンで手掛けるワインです。
2001年にシャトー・ラペイロニーからクロ・リュネルとなり、8,5ヘクタールの小さなワイナリーは、テロワールの大いなるポテンシャルを現わし、最初のヴィンテージからパーカーポイント93点という高評価を受けることになります。
ボルドーのテロワールを愛するジェラール・ペルスの新たな挑戦は、今ではボルドーのグラン・クリュに見事に溶け込んでいます。
粘土石灰質の質の高い土壌に、南向きで最適な日照量、斜面による雨水の自然な排水、石灰質の基層による優れた水分管理で、さらに白い粘土質の土壌が熱を逃がすため、ブドウは早熟で高品質なワインを産むブドウ栽培に適した理想的なテロワールと言えます。
醸造でもテロワールを反映したブドウの特性を活かすため、温度調節機能付きのステンレスタンクで自然にアルコール発酵を開始し、3週間のマセラシオンの後、樽でマロラクティック発酵を行います。
新樽60%で24ヶ月間(うち6ヶ月間は細かい澱の上で)熟成させ、最終的なブレンドはボトリングの際に行われ、清澄やフィルターはかけません。
カシスやチェリーなどの黒系果実のアロマに、フレッシュな木の清涼感のあるアロマで、テクスチャーは力強く堂々としていて、タンニンは熟成を経るごとに磨かれており、フィニッシュには、丸みのあるおおらかな雰囲気があり、心地よい余韻を楽しめる1本です。
バローロ・デル・コムーネ・ディ・バローロ・エッセンツェ
テッレ・ダ・ヴィーノ社は1980年に設立された協同組合で、設立当初は18の契約ブドウ栽培農家から始まった組合ですが、今や2500人の栽培家と契約し、より安定した品質での提供が可能になり、優れた品質のバローロ、バルバレスコをリリースしています。
テッレ・ダ・ヴィーノは、早い段階からDOCとDOCGのワインだけを製造しており、上級レンジに特化していた点が他と異なります。品質を高めていく過程で、もう一段上のレベルのワインを造るプロジェクトがスタートする事になりました。それが、Vite Colte(ヴィーテ・コルテ)です。
バローロのエリア中でも選りすぐりの、280~380mの標高にある複数の畑のブドウを使用します。
ガンベロ・ロッソ、ルカ・マローニ、ジェームズ・サックリング など世界各国のワイン専門誌がこぞって高評価を付けた人気急上昇中のシリーズのバローロです。
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ジュヴレ・シャンベルタン ヴィエイユ・ヴィーニュ アンヌ エ セバスティアン ビドー
ドメーヌ・アンヌ・エ・セバスチャン・ビドーは、モレ・サン・ドニに本拠を置き、畑は現在約1.30haと小規模ながら、海外のワイン愛好家の評判からじわりと人気を集め、今やブルゴーニュで外さないワインとして、徐々に名が知られてきている注目のドメーヌです。
家族経営で小規模の畑を丁寧に管理し、誠実なワインを造る生粋のブルギニョン。
ドメーヌ・アンヌ・エ・セバスチャン・ビドーでは、栽培は極力自然な栽培をしつつ、畑の状況に合わせて対処する、リュット・レゾネを採用しています。
シャンボール・ミュジニーの魅力は、華やかな香りとシルクのように滑らかな質感。ブルゴーニュで「最も女性的」と言われる優美で可憐な味わいを楽しむ事ができます。
アンヌ・エ・セバスチャン・ビドーの所有する区画はLes Herbues という北寄りの区画で、広さは0.2470ha、古いマール(泥灰質)や粘土質を持ち構造のしっかりしたワインを生み出します。
樹齢は非常に古く、なんと1921年植樹したヴィエイユ・ヴィーニュが、土壌奥深くのミネラルを吸い上げワインに深みを与えます。
「このワインはなんといっても熟成向きで、それも長く熟成させるのがよい。ヴィンテージを学ぶにはすばらしいワインである。」と説明されています。
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カレラ・ジョシュ・ジェンセン・セレクション・シャルドネ
カリフォルニアNo.1の人気を誇るカレラは、オーナーであるジェンセン氏が単身でブルゴーニュに渡り、世界最高のワインを産み出すドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティで、修行を積み、最高のピノ・ノワール造りを体に叩き込んで帰国し、設立したカリフォルニアを代表するワイナリーです。
いつしか「カレラ ジェンセン」は「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と呼ばれるようになり、あっという間に世界中から注目される幻のワインになりました。
マウント・ハーランにある自社畑と、厳選されたセントラル・コースト・エリアの畑のブドウをブレンド。
レモンの皮を擦ったような爽やかさと洋梨の花を思わせるフローラルな香りが溢れ、口に含むとタンジェリンオレンジや林檎のフレーバーが広がり、スターアニスや甘いオークの微かな香りも感じます。
心地よいミネラル感、クリーミーな舌触り、長く続くシルキーな余韻、全て揃った驚くほどバランスの良い味わいです。
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