名前に乙女や貴婦人が使われるルーマニアワインとは

名前に乙女や貴婦人が使われるルーマニアワインとは

名前に乙女や貴婦人が使われるルーマニアワインとは

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ルーマニアワイン

6000年も前からワインが造られていた歴史あるルーマニアワイン。
政治的な背景により一時ワイン産業が停滞をしましたが、
1990年ごろから再びワイン産業が発展し、
現在は生産量が年々増加傾向にある注目のワイン産地です。
本日は、ルーマニアワインについてお話します。

ルーマニアワインの歴史

日本では、ルーマニアがワインの産地としてあまり知られていませんが、
ルーマニアのワイン造りの歴史は古く、6000年前からワイン造りが行われていたとされ、
1889年のパリ博覧会では、ルーマニアのワインが最高賞をとり、
パリでルーマニアワインが大ブームとなりました。
しかしながら、そんな華々しいワイン文化も第2次世界大戦後に、
ルーマニアが社会主義国となり他のヨーロッパ諸国との貿易が抑制されたことで、
ワイン市場が一気に落ち込みました。
再びルーマニアのワイン市場に光がさしたのが、1989年の社会主義体制の崩壊後、
経済自由化によってワイン産業が再開し、2007年にEUに加入したことで、
一気にルーマニアワインが躍進していきました。

ルーマニアワインの特徴

ルーマニアワインの生産量は、2018の統計で世界第12位の5億リットル
わずか5年で1.5倍の増加傾向にあり、年々生産量が増えています。
ブドウ畑の面積の広さも、東ヨーロッパではトップクラスで、
カルパチア山脈を代表する山地が国の半分を占めており、
大陸性気候で、冬も夏も乾燥の厳しい気候ですが、
黒海やカルパチア山脈がその影響を和らげ、
水はけのよい土壌がブドウ栽培に最適な環境を造っています。
北東部のモルダヴィアは最大のワイン産地で、
国内のワイン生産量の3分の1を占めています。
国民の大半がキリスト教徒ということもあり、
ワイン造りが盛んにおこなわれていますが、
生産量の90%が国内消費されてしまい、世界へ流通されるのはごくわずかです。
ルーマニアのワイン法は、EUに加盟して改正され、
D.O.P(保護原産地呼称)、I.G.P(保護地理的表示)、I.G(地理的表示のないワイン)
の三段階に分かれており、D.O.Pには33の産地があり、I.G.P.は12の産地があります。
また、ルーマニアワインには、ブドウの収穫状況による規定もあり、
CMD(完熟期に収穫)、CT(遅摘み)を表し、
貴腐ブドウとして収穫したものはCIBの表記になります。

ルーマニアワインは甘口のワインが有名で、
とくに、コトナリ地方の貴腐ワインは世界的にも高い評価をえています。
また、ルーマニアではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、ソーヴィニヨンブラン、
シャルドネと言った国際品種の栽培も盛んですが、
100種以上存在するルーマニアの固有品種からも高級ワインが造られています。

産地・ブドウ品種

■おもな産地
・モルダヴィア
ルーマニアワインの総生産量の3分の1を占める最大の産地です。
モルダヴィアは、北部で白ワイン、南部で赤ワインを中心に生産しており、
北中部にあるD.O.C.ヤシでは、コトナリという貴腐ワインが有名す。

・トランシルヴァニア
トランシルヴァニアははルーマニアの中央に位置し高原地帯で、
白ワインの生産が中心で、とても爽やかな白ワインが造られており、
中でもD.O.P.タルナーヴェの白ワインが有名です。

・ドブロジャ
黒海沿岸ドブロジャ(ドブルージャ)は、ルーマニアの南東に位置し、
ルーマニアで最も温暖な産地で、冬も穏やかな気候のため、
赤ワインと白ワインどちらの生産も盛んです。
とくに貴腐ワインなどの甘口ワインが有名です。
カベルネ・ソーヴィニヨンやフェテアスカ・ネアグラから赤ワイン、
シャルドネやピノグリから白ワインも造られています。

■ブドウ品種
・フェテアスカ・アルバ「白い乙女」と訳される、
白ブドウの中で最も歴史があるといわれている品種。
果実や白い花の香りが豊かなアロマティック系品種で味わいは軽やかです。

・フェテアスカ・レガーラ「高貴な乙女」と訳される、
アカシアの花や果実の華やかな香りが特徴のアロマティック系品種。
フレッシュなものはミネラルと酸が豊富で、フェテアスカ・アルバに比べ、
ボディはややしっかりとしています。

・フェテアスカ・ネアグラ「黒い乙女」と訳される、
輝きのある深いガーネット色で、芳醇な果実味と豊富なタンニンが特徴の品種。
樽との相性もよく熟成タイプに適しています。

・ララ・ネアグラ「黒い貴婦人」と訳される、
モルドバの固有品種の中で最も歴史が古いといわれている品種。
エレガントな赤系果実の香りが特徴で酸味が強く、果実味豊かな香りは
ボルドー系品種とブレンドして華やかなワインに仕上げられます。

おすすめワイン

クロ・ビュザオ・ピノ・ノワール・リザーヴ
フランスのピノ・ノワールの苗木を、
ルーマニアの銘醸地 デアルマーレで造ったワイン。
ビュザオは、首都ブカレストから約100Km北に位置します。
コート・デュ・ローヌ地方と同緯度、ブルゴーニュ地方と同気候で、
雨は少なく朝晩の温度差が激しいのが特徴。
奇跡的に恵まれた環境のため樹の病気が少なく、
限りなくオーガニックに近い状態での栽培が可能です。
収穫は全て手摘みで行い、除草などの手入れも人の手を使って行います。
補糖は行わず、フィルターは1ミクロンとあえて粗めのフィルター処理を行っています。
しっかりとした果実味は、圧倒的な存在感をもっています。
品種:ピノ・ノワール

 

リヴィア フェテアスカレガーラ
ギルボイは、2005年に設立した家族経営のワイナリーで、
今ではブドウ栽培に最高の気候条件となっている地域のブドウ畑を
約200ha所有しています。
栽培されているブドウ品種はシャルバ、プラヴァイエ、フェテアスカレガーラ、
フェテアスカアルバ、フェテアスカネアグラ、などの土着葡萄と
カベルネソーヴィニヨンやメルロー、ソーヴィニヨンブランといった
国際品種などを栽培しており、
設備は最新世代のモデルを導入し、製造レベルは世界トップクラス。
国際ワインコンクールでは数々の賞を受賞しています。
ルーマニアで最も人気がある品種の1つ、フェテアスカレガーラを使用。
とても大胆で強烈な香りを放つこの品種は、
ライムやグレープフルーツの青リンゴなどの香りが特徴的です。
ミネラル感が出るのもこの品種の特徴。
味わいはとても凝縮したイメージのある果実味なので女性に人気がある。
しっかりした酸味のおかげて、とても心地の良い余韻を楽しむことができます。
品種:フェテアスカレガーラ

リヴィア フェテアスカレガーラ

ハレウッド プラホヴァヴァレー スペシャルリザーブ フェテアスカネアグラ
ルーマニア固有品種「黒い乙女」という意味のある
ブドウから造られた赤ワインです。
色の濃さからブラックワインとも言われています。
黒に近い濃いルビー色で、ブラックカラントやブラックベリーなどの
黒系のベリーの香りがあり、タンニンが味の複雑さを強調し、
独特の風味を持っています。
品種:フェテアスカネアグラ

ハレウッド プラホヴァヴァレー スペシャルリザーブ フェテアスカネアグラ

ハレウッド フラワーデルナ フェテアスカネアグラ
ハレウッドインターナショナルは、1978年に設立されたワイナリーで、
高品質なルーマニアワイン生産しています。
ハレウッドはルーマニアの中で最も重要なワイン産地に畑を所有し、
共産時代からある良質な葡萄を実らせるブドウ木を残しつつ、
新たな葡萄木を植え替え、拡張を行っています。
カベルネソーヴィニヨンやメルロなどの国際品種を筆頭に、
ルーマニアの固有品種から高品質のワインを生み出しています。
ルーマニアの固有品種フェテアスカネアグラを使用。
外観は濃い赤紫色で、熟した黒系ベリーの香り。
樽由来のスパイスの印象も感じられます。
スタイリシュな果実味と繊細なタンニンとさわやかな酸味があり、
バランスが取れています。瓶内熟成も可能で、
時間の経過とともに複雑性が増していきます。
品種:フェテアスカネアグラ

ハレウッド フラワーデルナ フェテアスカネアグラ

ヒュペリオン フェテスカネアグラ
太陽の神という名前を持つヒュぺリオンは、
古代エピクテトス学派の人々によって喜びと幸福の最高の価値を認められ、
求め続けられいつもユニークさを探求したワインと言われています。
輸出される本数が少なくとても希少なワインで、
貴重で洗練された味わいから格別な喜びを与えてくれる
限定生産で造られたシリーズです。
このワインは熟したプラムやベリーの果実味が感じられ、
樽香からのバニラやスパイスの香りがあります。
きめ細かなタンニンが心地よく、
果実の甘味と混ざり合って優しい口当たりになっています。
品種:フェテアスカネアグラ

ヒュペリオン フェテスカネアグラ

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